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思春期Lv.1男子と、わたしの関わり方

「なんなん?うざいねんけど!」

朝も早くから部活の試合に行くため
わたしに車を出してもらってるくせに……。

「どこでやるか調べてナビに入れて。
 とりあえず時間ないから、そっち方面に走るから」

言ったら、タイミングが悪かったらしい。

場所は知らない、だの
どこでやるのかは前の日に調べておけばいいのに、だの
住所が出ない、だの…
散々に文句を言った挙句、
私がナビを打ち込もうとしたら
「今やってたのに!なんなん?うざいねんけど!」
とブチギレられた。


よし、今すぐ車から降ろしたろかな。


と思ったけど、わたしは大人。
そんなことしたら、同じ土俵に上がってしまう。
あせらない、あせらない。

この子は二次成長期。
女子だけじゃなく、男子だって
ホルモンバランスぐちゃぐちゃになっているに違いない。

最近,思春期の息子を通して2つ学んだ。
掘り返さないこと

この文句はわたし宛ではない
ということ。

1.掘り返さないこと

こうしてうざいと言われながらも
運転しつつ思うのだ。

同じ土俵に立ったら最後、
ここから先、話を聞かなくなっていく。
機嫌が治るまで待とう。

しばらく無言で運転してた。
ナビから、ギカントザウルスのキャラクターのやりとりが聞こえる。

「もう!触らないでって言ってるのに!」
「だってこっちの方がいいじゃん!代わりに取ってきてあげるよ!」
「少し待てば、水がその実を流してくれるから、こっちに来るよ?」
「大丈夫だって!」

と、
待てずに取りに行き、吹っ飛ばしてしまってまた追いかける…

を繰り返す回だった。


「…だれも、あの子の話聞いてへんな」

と、
息子に話しかけられた。

「そうね、ちょっとかわいそうだわ」

そう答えて、
これで不機嫌が治ったことを悟る。

ここで、
「さっき、ママにうざいって言ったことを訂正しなさいよ!」

言い募ってはダメなのだ。

掘り返さない、
ここは、水に流してあげる。

無理に謝るように強制して
表面だけ謝られても、何の意味もない。
表面だけで謝ることの被害を、
みんな軽く見過ぎだ。

恨んだり、
あとから復讐したくなったり、
悔恨が残る。

謝るって自ら行うからいいことなわけで、誰かに強要されるのは違うんだよ。
学校の仲直りの仕方も、これをされると困るのだ。さらに仲がこじれるんだもん。


もう中学生。
やったらダメなことくらいの判断はつく。



2.わたしへの悪態じゃない

「あー!マジクソゲー!
 アプリ消したろうかな!」

と、
言いながら、スマホゲームをする息子。
課金してるゲームだし、
アプリ消したら元も子もないじゃん。と思ってしまうが、

「えっ? 消すの?
 課金してるのに?」

なんて聞かない。
野暮だ、野暮。しかも、藪蛇でもある。
余計なことはしないに限る。

とはいえ、
横でそんな言い方をされると、
わたしの気分が滅入ってくる。

わたし自身は、
さほど愚痴を言わないし
悪口も言わないし、
ときどき批判はするけど、解決策ないことを批判したりはしない。
これは、わたしの信条みたいなもんなの。


息子から立ち昇る「くそー!くやしい!」
っていう波動とエネルギーとオーラに、
わたしまで巻き込まれてあげる必要はないのだ。


ここで、
「悔しいよね」なんて言っても
「同じゲームしてない人に気持ちなんかわかるわけないじゃん!」と返されたら、ひとたまりもないし、

「ゲーム消すのもったいないよ」なんで正論は
「そんなん、わかってる!」とさらに怒るだけ。

ここでできることは、
何もしないで、わたしはわたしで気持ちよく過ごすこと

「なぁ、どう思う?」と聞かれたときだけ答える。

「そうねぇ…
 ママはゲームをそんなにしないけど、
 違うことで「くそっ!」って思うことはあるから、きっと気持ちはわかるよ」

というと

「あんなぁ、こうで!これで!ひどいねん!」

と返ってくるから、
「まぁねぇ…ひどいわね」

返してるだけ。


違う日
機嫌のいいときに聞いてみた。
なんでそんなにイラつくのか?って。

そしたら、
ひとこと言われたのだ。


ママにイラついてるわけちゃうの!
言いたいだけなの!


それはわかりやすい。
わたしのせいじゃないわけだから、
わたしが何ができるわけじゃないのだ。



思春期は、
社会との関わり方やスタンスを、
自分なりに再構築してるんだと思って
見守るようになった。

任せられることばかりじゃないけど、
任せていいところは少しずつ任せていく。

この子なら大丈夫、と信じられるけど、
助けて!と、少しでも手を伸ばしてきたら
助けられるように準備しておこう。

わたしは、
優しいかもしれないが、決して甘くないからさ。


思春期は、みていておもしろいわ。

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