Diablo 4 @ 2024-05-20

正直なところ、自分でも心底驚いている。あのDiablo 4とかいうクソゲーが今回のSeason 4で本当に面白くなってしまっているのである。死ぬほど屈辱的だが、ここは素直に私の敗北を認めるしかない。


とにかく敵が増えた、無茶苦茶増えた。ハクスラとして第一に正しい。


無論、最初にお断りしておくが、同じハクスラというジャンルの金字塔であるPath of Exileと同じ路線で面白くなっているわけではない。所詮のところ、Diablo 4はあくまでもカジュアルなゲームである。しかしカジュアルなハクスラとしては十分以上に面白くなっているし、カジュアル路線のハクスラでは確実に一番面白いと太鼓判を押しても良い。

私が最後に遊んだDiablo 4はのはSeason 1の頃なので当時からは相当な変化があるが、それらを含めて、当時より明らかに良くなった点が3つある。

まずひとつ。QoL。

  • 泡沫ドロップが全て自動収集になり、ジェムも自動収集となったため、基本的にファーム中にクリックして回収しなければならないLootはElixirやLegendary装備、Unique装備だけとなった。Rare以下のアイテム数が以前よりも抑えられていることもあり、ルートフィルタという全てのハクスラが備えるべき基礎基本的な機能が存在しないにも関わらず、ファーム時の快適性が劇的に改善している。何なら優れたルートフィルタ機能があるはずのPoEと比べてさえも、D4のほうが圧倒的にファームが快適である。今期のPoEはChaosが少スタックで大量にボロボロと落ちるせいで、回収に必要なクリック数が別次元だったからだ。クリス・ウィルソンとかいう無能ハゲに一生地面に落ちたChaosをクリックして回収するだけの仕事を是非やらせてみたいものだ、アホが。何が「クリックして回収しないと重みがない」だ、寝言は寝て言え。誰もそんな重みなんか求めてない。文句があるならChaos以下の泡沫通貨だけは自動回収とする(またはルートフィルタに自動回収対象指定機能をつける)だけですぐにできる改善を永遠に渋っている理由はなんだ?この点だけはD4が圧倒的に上だと断言して構わない。

  • カスみたいな配置だった街の施設構造がいつの間にやら大改装されており、重要な施設が中心に集まっているし、Stash箱も店のすぐ隣に配置されるようになったため、ドラクエ1のような無意味な街中移動が大幅に低減された。これでハクスラに集中できる。

  • キャラクターの移動速度や馬の操作性も改善しているし、カメラの画角も多少改善して画面の広さが増している。これはSeason 2あたりの改善内容だった気がするが、確実に効果がある。

以前はキーワードとかいう謎の概念でしか絞り込みができず存在価値ゼロだった検索機能が、とうとう任意の文字列で検索できるようになった。もちろんPoEのように正規表現が使えたりはしないのだが。ド低脳が当たり前の状態に戻っただけで褒めちぎられるのはどうかと思うが、一応ちゃんと褒めておく必要がある。

つづいてふたつ。アイテマイゼーション。

  • アイテムに付与されるAffixの数が一つ減った。この点だけ見ると明らかなNerfに見えるかもしれないが、D4はPoEと違い基本的にSSF(トレードをせず全てのアイテムを自分で集める状態)で遊ぶゲームであるため、Affixの数が減りプールが厳選される方がより簡単に最適解の良いアイテムを拾うことができる。それに伴いアイテムのドロップ率も同時に減らされていることで、同じ頻度で同じような強さのアイテムを得られるにも関わらず、余計なゴミアイテムを拾ってきてがっかりしてイラつく作業が劇的に低減されている。Affixの数が少ない分、現在の装備と比較しなければならないAffixも少なくて、実際にプレイしてみるとQoLの改善が顕著である。

  • Aspectの付替が無茶苦茶簡単になった。以前は強力なAspectの装備品を無駄にStashに貯めるという苦行が必要だったのだが、今では何も考えずに脳死で使わないアイテムは分解し、後からAspectを付け替えればよいだけだ。

  • Tamperingと呼ばれる比較的にまともなクラフト機能が実装された。これによってある程度狙って装備に新たなAffixを付与できるようになり、例えばResistanceをキャップするのが非常に楽になっている。一方でResistanceなどに貴重なTamperingによるAffix枠を浪費するとビルドが弱くなってしまうので、そのへんの持ち物検査Statsを別できちんと稼いでおけば、更に装備を強化することができる。実に上手いバランスだ。

  • 以前のシーズンでCriticalとVulnerabilityの仕様を変更し、Damage上昇系Affixを均一化したことにより、全身に脳死でCriticalとVulnerabilityを付与するというゲーム性ではなくなっているのも良い点だ。

  • 驚くべきことに、1つのアイテムに付与できるAffixの総数を減らしたことによって、かえってアイテムビルドの選択肢が確実に増しているのである。

そして最後。ヘルタイド。

  • マジで面白い。私の負けだ。これは一切の忖度抜きに面白い。

  • 画面全体を完全に埋め尽くす、まともな数の敵が、文字通り怒涛の波浪のごとく休み無く押し寄せ続けてくる。そう、これで良いんだよ!これで!こういうのでいいんだよハクスラってのは!!PoE的な表現をすれば限界まで盛ったRitualの敵密度とUltimatumのウェーブテンポ感を組み合わせたような間隔で、普通にプレイしていて面白いのである。倒した雑魚敵からは自動回収されるリソースがボロボロ落ちてテンションが上がり、時々出てくる中ボスや大ボスからはLegendaryやUniqueがボロボロ落ちてこれまた脳汁が出る。

  • 単純に敵を倒して箱を開けるだけのアクティビティだった点にもメスが入っている。敵を倒し続けると危険度レベル的なものが高まり、危険度レベルが高まると敵が湧いてくる頻度と出てくる敵の凶悪さが指数関数的に増加する。その他、箱を開けるためのリソースとは別にボスを呼ぶためのリソースが追加されており、これを特定の場所に持ち込んで使用するとまずまず凶悪なボスが出てくる。そしてここからがD4のオープンワールド性の良いところで、ワールド上で他のプレイヤーがボスと戦っているところに遭遇することがあり、それを横殴りして手伝うと報酬が貰えるのだ。必然的にボスの召喚エリアの周りには野良のプレイヤーたちが集まってきてワイワイ盛り上がるのだが、このソーシャル感が新鮮で楽しい。この野良マルチ感はPoEでは絶対に味わうことの出来ない面白さだ、D4は正しく面白い独自路線を見つけている。

  • PoEのファームと比べると均一な高収入が常時やってくる形で、パチンコギャンブル大当たり的な脳汁の出方ではないのが特徴的だ。大漁旗を掲げた漁船に乗り込み、網を引き上げるたびに魚群がボロボロ溢れ出てくるような感覚、とでも言おうか?

次から次に雑魚とEliteが湧き続けてくる。危険度レベルが上ってくると本当に休むヒマがないぐらいだ。そうそう、こういうのでいいんだよ。大満足だ。

総括だが、本来開発者が考えていた「プレイヤーにやらせたかったこと」を方針転換し、本当にプレイヤーが欲しいと求めていたものを正しく提供してきた、という印象だ。ハクスラというゲームにおいてプレイヤーがやりたいのはクソみたいな量の敵を片っ端から皆殺しにして戦利品を集めてキャラクターを強化してより難しいコンテンツに挑むというループであって、それ以外のすべての要素はそのループを基礎から支えるものでなければならない。今回のシーズンの変更はいずれも確実にその原理原則を捉えている。

だが勿論、今のD4は正しい方向に向かい始めたというだけであり、全体としてみればまだまだ問題点が山積している。特にテコ入れの入っていないエンドゲームコンテンツであるワールドボスやLegion、何よりNightmare Dungeonsが致命的なぐらい全く何も面白くないままだ。NMDはSigil強化のために嫌でも通わなくてはならないため苦痛が半端ないし、いくらヘルタイドが面白くても一つしか面白いファームがないようでは続かない。次以降のシーズンでこれぐらい面白いファームコンテンツが次々に追加されなければならない。

その他、エンドコンテンツのゲームボリュームのなさ(1シーズンあたり100時間〜程度?)も指摘されているが、1日中朝から晩までゲームしているニートや配信者が3日でやることがなくなったと不満を述べるのは完全に的違いだ。繰り返すがD4はカジュアルなゲームである。ゲームは1日1時間の香川県民や、週末しか遊べないような四児のパパが遊ぶようなゲームを目指しているのだから、このぐらいの進捗速度があったほうが良いだろう。