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西国三十三所第2番 紀三井寺 縁結びのお寺

紀州、和歌山。
境内に、清浄水(しょうじょうすい)、楊柳水(ようりゅうすい)、吉祥水(きっしょうすい)と三つの霊泉がある。併せて三井水(さんせいすい)と呼ばれ、紀三井寺(きみいでら)の名の由来となっている。正式には金剛宝寺(こんごうほうじ)という。

私は粉河寺(こかわでら)と同日に巡礼をした。JR大阪駅から和歌山駅までは阪和線(はんわせん)の紀州路(きしゅうじ)快速があるが、それより先は電車の本数が減り、鈍行のみで三十分に一本程度となる。大阪駅から紀三井寺駅まで約二時間。紀三井寺の参拝後、紀三井寺駅から粉河(こかわ)駅まで、和歌山駅でJR和歌山線に乗り換えて約一時間。時間的に厳しい行程となった。

JR和歌山駅より先、紀勢本線(きせいほんせん)はPiTaPa(ピタパ:関西私鉄の交通系ICカード)のポストペイ(後払い方式)が使えない。PiTaPaを手に私はそれを知らずに乗車し、紀三井寺駅で大阪駅からの片道1320円を現金チャージで支払うこととなった。昨今のキャッシュレスで最低限しか現金を持ち歩かない身に痛い出費であった。さらに言うと、次なる札所の最寄り駅である粉河は、JR線でありながらPiTaPaどころかICOCA(イコカ:JR西日本の交通系ICカード)も使えないエリアなのだが、このときは知る由もない(※1)。後にも先にも、滋賀や奈良の田舎でもICOCAくらい使えたぞ。和歌山もがんばって!

そんな、最寄り駅は粉河よりマシかもしれない紀三井寺である。駅を降りても道案内がないため、グーグルマップを頼りに進んだ。
踏切を越えて北へ。楼門まではなだらかな道のりだ。そこからが険しい。名草山(なぐさやま)の中腹まで、不揃いで急な石の階段を登る。女坂、男坂、還暦坂と名のついた石段が、計二百三十一段あるそうだ。他に参拝者がいたが、皆息を切らしていた。体力はつくが良縁に恵まれるかは疑問が残る。

階段を上った甲斐あって境内からの眺めがよい。和歌浦湾を一望できる。
仏殿には日本最大の木造千手十一面観音像があり、金箔で輝いている。二〇〇七年に完成したそうだ。
御本尊は秘仏で、開帳は五十年に一度である。二〇二〇年の特別開帳が待ち遠しい。

スイーツ巡礼は、紀三井寺三井水功徳玉子煎餅(きみいでらさんせいすいくどくたまごせんべい)。三枚セットで、一枚ずつに冒頭で述べた三井水の名が刻まれている。本堂で販売されている。一箱二〇〇円の食べきりサイズである。

仏殿で大観音像をひとしきり拝んでから、一〇〇円を入れて展望回廊に入った。屋内の急な階段を上ると、窓から大観音像のお顔を間近に拝見することができた。外には、和歌山港が見える。和歌山マリーナシティが見える。淡路島が見える。
バリバリと境内や展望回廊の階段を上り素晴らしい景色を見るか、段の多さに心折れるか、二つに一つだ。
上れば上るだけ成果がある。さながら受験勉強のようであった。

次は、粉河寺へ。

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第二番札所 紀三井山 金剛宝寺 護国院

読み:きみいさん こんごうほうじ ごこくいん
通称:紀三井寺(きみいでら)

住所:和歌山県 和歌山市(わかやまし) 紀三井寺(きみいでら)1201

公共交通機関でのアクセス:
JR紀勢本線(きのくに線) 紀三井寺(きみいでら)駅より徒歩10分
※JR紀勢本線(和歌山駅より先)はPiTaPaのポストペイ(後払い)が利用できない。(※1)
※2015年8月30日よりICOCA利用可能エリアとなった。
※JR・南海に和歌山駅があるため乗り換え時駅名に注意。

参拝料:200円
展望回廊:100円
時間:8:00〜17:00

宗派:救世観音宗(ぐぜかんのんしゅう) 総本山
本尊:十一面観世音菩薩(五十年に一度開帳)

主な行事:8月9日 千日詣り

創建:770年(宝亀元年)
開基:為光 上人(いこう しょうにん)(唐の高僧)

御詠歌:
ふるさとを はるばるここに 紀三井寺
 花の都も 近くなるらん

※上記は2019年4月の情報です。

追記:
※1 2020年3月14日よりきのくに線がJR西日本ポストペイエリアとなり、チャージなしでPiTaPaを使えるようになった。

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