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映画「落下の解剖学」感想犯人×夫の真相×妻の裁判 推理か家族か 


■探偵が解決するのだと思ったが、妻の裁判で終わった。
■推理して真犯人は誰かを導き出すかと思ったのだが。真相はそれらしく言及されるが謎のままだ。事故か殺人か。映画の中だと事件よりも、裁判での妻の動向がメインだから中盤からは真相は闇の中かなどとは感じた。
■突然事件が起こり、その当事者になる。それを描きつつ、容疑者とされた妻の感情の流れみたいなものがあった。息子へとか、夫へとか。
■弁護士は妻の味方で裏切り?という予測は崩れた。当初は勝てるかかなり微妙だったようだから。とはいえ、彼は妻が好きみたいで端々にそれを感じた。とはいえ、仕事だし、過去に好きだった程度なのだが。
■雪の山の家での場面は妻と弁護士が大人で印象的だ。二人とも過去にあった恋愛感情が大人のある種の壁がある感情になった感じ。近寄りたいけど近寄れない。二人の微妙な関係も本作では魅力なんだろう。
■最後は無罪になるのだが、真相は分からなかった。妻と息子、二人はどうするのか?妻は作家として生きていくだろう。息子はどうなるのか。
■序盤の息子が発言を変えたのが気にはなる。もう一回観るべきか。観たときはシアターが満員の観客だったから人気というか話題性がある。いまだに新しい感想とか見つかるし。noteでもよく目につくようになったと思う。
■結婚した夫と妻の関係がすべてなんだけとそこから事件になるまでの過程は想像しろといわれているのかもしれない。
■探偵物と観てしまったから、犯人の動機や目的にスポットを当てていたけど、ヒューマンドラマというか、夫の死と事件に対して、妻と息子が自分たちと世間に対してはどーゆー立場か、現状かをはっきりさせるのを見せる作品なのかも。裁判のシーンがかなり多く、犯人特定よりも、妻や息子がどーゆー風に考えて、行動するのか。それを描いていているように思う。
■だから、かなり過酷な作品で観る人にもしんどい思いが残る。観終わった後には、「終わった〜、疲れた〜」と心で言った。途中でまだ進まないのかやきもきもした。結局、犯人がいるのか、事故なのかは分からないまま終わる。だからこそ疲れてしまった。過程を考えて、答えのない人間模様をすごいスピードで当ててくる。そーゆーある意味で戦う姿勢が要求される映画と言える。

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