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創設2年でリーグ制覇?アララト=アルメニアとは?

こんにちわ。おろしすきーです。

欧州各国のリーグが終盤戦に差し掛かり、優勝争いが佳境に入ってきています。ロシアやウクライナの動きも気になりますが、アルメニアに面白い動きがあるようです。

2017年設立の「アララト=アルメニア」が、勝ち点が首位と並び、2位につけており、創設2年で国内リーグ制覇に近づいています。

2017年に、アルメニアサッカー協会の会長、アルメニアの国会議員を務めた、ルベン・ハイラペチャンがクラブの前身となる「FCアヴァン・アカデミー」を設立。育成年代の選手がプレーする「イェレヴァン・フットボール・アカデミー」出身者と、名門ピュニク・エレヴァンの若手選手が所属しました。設立初年度となる2017-2018シーズンに、2部に値するアルメニア・ファーストリーグに登録されました。

同時期にモスクワでは、2017年3月に、元サッカー代理人のヴァレリ・オガネスヤンが、モスクワのアルメニア青年協会の協力の下、「FCアララト・モスクワ」を設立。元ロシア代表FWロマン・パヴリチェンコ、マラト・イスマエロフなど獲得し、早期のプレミアリーグ昇格を目指しました。1973年にソ連リーグを制覇した、名門アララト・エレヴァンを由来し、モスクワにおけるアルメニア人コミュニティのためのクラブになることを目標とされ、将来的にはアルメニア人関係なく、支持されるクラブを目指しました。2017-2018シーズンに、ロシアの3部に値する、ロシア・プロフェッショナル・フットボールリーグの中央地域に登録されました。

しかし、2017年8月に設立者で、クラブの会長を務めるオガネスヤンが、体調不良のために辞任。その翌日にオガネスヤンがクラブの口座から2000万ルーブルを引き出して、自分の口座へ移したと発表。オガネスヤンはクラブの主張を否定したが、両者の間で金銭問題が発覚しました。後にライフニュースのアラム・ガブレリャノフが就任し、アルメニアのディアスポラからも資金提供を得て、11月にはタシム・グループ社のオーナーでアルメニア系ロシア人のサムヴェル・カラペチャンが就任。なんとか継続することはできました。

中央地区ではリーグ優勝を果たし、2部に値するフットボール・ナショナルリーグへの昇格の資格を得るものの、リーグライセンスを取得せず、ロシアでの活動を中止することになりました。その際にアルメニア2部の「FCアヴァン・アカデミー」を買収し、クラブ名を現在の「アララト=アルメニア」に改名。アララト・モスクワはアルメニアへ拠点を移すことになりました。

チーム名の「アララト」とは、トルコの東端にある、標高5137mのアララト山から由来します。旧約聖書に出てくる「ノアの方舟」が大洪水の後に流れ着いたとされており、12世紀にアララト山と呼ばれるようになりました。古くからアルメニア人が多く住む地域の中心地でした。第一次大戦時に当時この地域を支配していたオスマン帝国が強制移住によって、現在ではアルメニア人はほとんど住んでいないものの、国章にアララト山が用いられるなど、アララト山はアルメニア人のシンボルとなっています。


2017-2018のアルメニア2部を3位で終了し、リーグ昇格を決めたアララト=アルメニア。アララト=モスクワから3選手引き連れ、チームの大半を入れ替える大型補強を敢行。序盤からリーグ首位を走り、優勝14回の名門ピュニク・エレヴァン、3連覇中の強豪アラシュケルトとの激しい優勝争いを演じています。


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