【開発体制】製品開発をスピーディに進めるための取り組み【クラウドERP ZAC】
クラウドソリューション事業部の「クラウドERP ZAC」開発グループでは、プロダクト開発を加速するための新しいチーム開発の体制や方法を日々模索しています。
現在の体制で上手くサイクルが回り始めてきたこのタイミングで、一度その仕組みをご紹介いたします。
ざっくりと要点は4つです。
開発期間を3ヶ月に固定して、その範囲でリリースする
開発目的を元に、要件や仕様はエンジニアが整理し、プロダクトオーナーやデザイナーが補佐する
社内ステークホルダー(経営者、営業系トップ)とエンジニアの対話を密に行う
プロジェクト人数は3人以下とする
良いものをしっかり時間をかけて作ろうという考え方が、期限を区切って小さくリリースして次々と機能を追加していこうという考え方へシフトしました。
もちろんユーザーの方に迷惑をかけては元も子もありませんので、しっかりと品質評価をした上で、です。
1.開発期間を3ヶ月に固定して、その範囲でリリースする
「ニーズを満たせる機能を作るための開発期間を見積もる」から、3ヶ月で満たせるニーズに小分けして開発する、という変更です。
良い解決案・良い機能を目指そうとして、時間がかかる方向のバイアスが強かったのですが、この変更でめちゃくちゃスピード感が上がりました。
1回のサイズを小さくしただけですが、規模が小さくて見通しが良くなったのと、締め切り効果で団結して終わらせてやろう感が強まって、ちょっと遅れて苦しくなってもあそこで逆転して間に合うんじゃないかとポジティブに楽めるようになりました。
何周かするうちに「最も大事な課題対応を3ヶ月でリリースして様子を見る」と「明らかに長期にわたるからフェーズ分けして開発する」へと二極化し、結果的に3ヶ月で終わるプロジェクトがほとんどになりました!
この「3ヶ月」という期間に対する印象は様々だと思いますが、ユーザーの運用フローへの影響と新機能の提供スピードのバランスをとった結果です。
Four Keysでも、トータルのリリース量よりリリース頻度(デプロイの頻度)の方が大事と言われてますので、これからさらにプラスの効果が出るかなと期待しています。
2.開発目的を元に、要件や仕様はエンジニアが整理し、プロダクトオーナーやデザイナーが補佐する
プロダクトオーナーは、価値あるニーズの発掘・ニーズの詳細化へと役割をシフトし、要件や仕様を作るのはエンジニアの役割に変更しました。
エンジニアが考えると、「開発しやすさ」と「ニーズの達成度」のバランスを重視するようになって、3ヶ月で終えるための要件・仕様に調整していくようになりました。UIの挙動、バリデーションのかけるポイントなど、細かなところでより速く作れる方法が選ばれるようになりました。
意味のない機能にならないよう、プロダクトオーナーがレビューすることで担保しています。
同じ意味の機能なら最短方法で作れる方が嬉しいですし、それを自分たちで決めれるというのはエンジニア冥利に尽きます。一方で、エンジニアのカバー範囲が格段に広がってしまいました。
ビジネス理解と開発技術の両方をマスターしたエンジニアは希少だ、という考えで分業していたのですが、今一度戻した形です。今いるメンバーではうまく両立ができましたが、この辺はシーソーのように揺れ動くかなと思います。
3.社内ステークホルダー(経営者、営業系トップ)とエンジニアの対話を密に行う
経営陣や営業に集まる生の情報から本当に必要なものを作る、を重視した変更です。
トップとエンジニアが直接会話することで、妥協を伴う変更や、作りやすさ重視の違う形での実現、といった意思決定がものすごくスピーディに行われるようになりました。
立ち上げ期は、週1で話し合っています。意味のあるものを作るプランを説明しないと鋭くツッコミを受けますので、緊張感があります。
プロダクトオーナーの裁量が縮小された形ですので、将来的にはもっと開発サイドが成長して良い方法にしていきたいと思っています。
4.プロジェクト人数は3人以下
マネジメントをがんばらなくても開発が進むよう、期間・人数を小さくしました。
3ヶ月で3人以下です。今ではエンジニアは2人体制が多いです。開発の見通しが立っていれば、マネジメントが得意じゃないエンジニアも、十分にプロジェクトを推進できました。
3ヶ月の規模であれば、間に合いそうかどうか、トラブルがどこで起きそうかが直感的に分かるのが大きかったです。エンジニアがプロジェクトリーダーの役割を受け持っていますが、業務量が減りました。
マネジメントがまだまだ苦手な私にとっては、個人的にはここが本当に本当に一番嬉しい変化です。
最後に
2022年の夏頃から取り組み始めた結果、プロダクトに経営の意思を反映しながら高速に開発できるプロジェクトがいくつも生まれ、徐々に良いサイクルができました。
新しい課題も出てきていますが、価値ある製品をユーザーへ次々に届けることができるようになっていき、とてもワクワクしています。
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