令和5年9月定例県議会 農林水産常任委員会 質疑応答要旨(開催日:令和5年10月2日)

○議案
千葉県農林水産物輸出活性化事業について

【折本委員】
千葉県農林水産物輸出活性化事業は新規事業とのことであるが、成田市場が昨年の1月に開場している中、今回このタイミングでの補正予算計上の理由は何か。

【流通販売課長】
成田市場は昨年開場したばかりですが、今年度に入り、5月8日に新型コロナウイルス感染症が5類に移行されるとともに、諸外国においても水際対策が緩和されるなど、これまでどおり海外におけるプロモーション活動が可能となったところでございます。
また、昨年2月に台湾での輸入規制が緩和されたこと、それから今年度に入り、急遽8月にEUでの輸入規制が完全に撤廃されるということになりまして、農林水産物等の輸出環境が大きく変動したところです。その機を逃さずに、さらなる輸出促進を図る必要性が生じたところでございます。
  そこで、輸出活性化に向けた新たな取組方針を策定すること等を盛り込んだ、補正予算をこの度計上させていただいたところでございます。

【折本委員】
 取組方針を策定、有識者会議を開催とあるが、その中身とスケジュールはどうか。

【農林水産政策課長】
  輸出活性化会議では、農林水産物の輸出に意欲的な生産者の方や、既に取組実績のある流通業者等で構成したいと現時点では考えております。
また、新たな取組方針は、今後開催する会議で委員の皆さんからいただくご意見や、別に行う調査結果等を踏まえ、令和5年度中を目途に策定したいと考えております。

【折本委員】
  有識者会議には学識経験者等も入っているが、どのような方を考えているのか。

【農林水産政策課長】
  学識経験者については検討を進めている最中ですが、先ほど申し上げたように、生産者、流通業者等の他には、輸出等に係る専門の機関の方などを想定しております。

【折本委員】
 「先行事例を踏まえながら」とあるが、具体的にどのような事例を想定しているか。

【流通販売課長】
これまでも、他県の状況を参考とするため、茨城県と意見交換を行ったり、静岡県清水港の輸出の取組について現地に赴いて情報収集を行っております。今後は、専門的な知見も交えることで、より効果的な事例を調査してまいりたいと考えております。

○諸般の報告・その他
 輸入規制について
 
【折本委員】
これまで中国や香港、台湾など我が国に輸入規制を実施している国や地域に対して、食品の安全性に関する正確な情報を十分に提供するとともに、科学的根拠に基づかない過剰な措置を取らないよう国に対して繰り返し要望してきたと思うが、このような要望をいつごろから出しているのか。
既に東日本大震災から12年経つが、その間、停止措置が繰り返し続けられてきたことを受けて、この重点提案・要望がどのような成果があったと認識しているか。

【流通販売課長】
要望の開始時期ですが、平成23年7月から、国に直接要望するとともに、     全国知事会などを通じて、要望を行っているところです。
要望の成果については、輸入規制を設けた55の国・地域のうち、現在48の国等で規制が撤廃されましたので、一定の成果があったと考えております。まだ残っている 7の国・地域がございますので、引き続き国に対し、すべての国・地域の規制撤廃に  向けて働きかけるよう、要望してまいります。

【折本委員】
アルプス処理水に係る中国の対応に関して、より毅然とした対抗措置を取るよう政府に要望すべきと考えるがどうか。

【流通販売課長】
今回の中国の問題に関しては、日本全国の問題であるため、処理水放出直後の8月31日に、全国知事会として、国に対し、「日本産水産物の輸入の全面停止措置等 について、中国政府等に対し、科学的根拠に基づく正確な情報を示し粘り強く説明を 行い、即時に撤廃するよう強く求めるとともに、政府間交渉の取組状況については、都道府県と情報を共有すること。」ということで、全国知事会として申し入れたところです。

【折本委員】(要望)
科学的な根拠に基づいたということを今まで繰り返してきて、結局(中国は)その措置を取ってこなかったので、これまでと同じ要望を繰り返しても結果は変わらないと思う。対抗措置も含めて、毅然とした対応を政府に求めていくことを要望する。

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