笑顔晴れ渡る! 人形劇レポート@宮崎
5月10日と11日は、宮崎県におりました。
2日間とも快晴で、風が心地よく、緑が鮮やかで、主催者の方と、その仲間たちと、出展者の皆様と、お客様と、そして主役の子どもたちまでが、みんな笑顔。そう、み〜〜んな、笑ってるんです。
まさに太陽の国、宮崎らしい場が、そこにありました。
最高のシチュエーションの中、人形劇をさせていただけたことに感謝して、ここに実録を書き記しておきます。
※お写真はすべて掲載許可をいただいております
仲間になってくれた男の子
まず、1日目の場所。ここがすこぶる気持ちいいところでした。
宮崎市の新富町という、自然豊かな森と畑に囲まれた場所で、薪窯を使った自家製酵母のパン屋さんが会場です。
まあここのパンがうまいのなんのって! これ絶対悪いものが入ってない味で、噛めば噛むほど味わいがよく、色も素朴で美味しそうで、硬いパンなのに酸味もなく、噛むほどに甘くなっていく不思議なパン。
そのパンの味に合わせた、季節の食材を使ったお料理。そして子どもたちにはおにぎりが振る舞われ、空気も、食べ物も美味しいこの場所で、演じる人形劇が熱くならないわけがありません。
やる気にはやりながら、山本鉄男(ライオン)の人形の準備をしている時でした。
小学生の男の子が、人形にとても興味を示してくれたのです。これをどうやって動かすのか? とのこと。
「これはね、右手をここに入れて、そして頭は後ろの棒をつかんでこうやって回すんだよ」
とてもシンプルな動きなんですが、やってみるとちょっと難しいんですね。しかし、それを彼はいとも簡単に、動かし始めたんです。
正直びっくりしました。大人の僕でもまあまあ難しいなって思うシロモノなんですが、子どもがすぐにできるんですよ。
僕は感動して、1時間後の出演まで、そのライオンの人形を預けました。君はぜひ、これでお客様を喜ばせてあげてね。と。
その男の子の目はキラーンと輝き、任せろと言わんばかりにそのライオンの人形でお客様を驚かしに行きました。お客様も「わーすごいかわいい。上手だね。生きてるみたい!」と褒めてくれます。
僕は内心、よし、開演までは彼に任せた。と思っているわけです。失礼なくお客様が喜ぶなら、僕だけの役割ではなく、やりたい人にやっていただくことがモアベターです。
僕は、その間に情報収集に回ります。お客様の座っている机に行って、座り込んで色々とお話を伺います。そうやってフレッシュなネタをいただき、今日の人形劇をどういう話で組み立てるか、アイデアを固めていきます。
そして物語の流れが決まったら、天に祈ります。今日の公演を、見守っていてくださいと。
人形劇スタート!
人形劇がはじまりました。まずは、アニミィ人形の紹介と使い方です。
そして、山本鉄男さんの登場です。
ここは野外で、だんだん薄暗くなる中、ランプや電灯に照らされて、とても良い雰囲気になってきていて、黒子の僕は、だんだん風景に溶け込んでいき、人形だけが浮かび上がってくるという寸法です。
じきに、こうなりました。
この幻想的な雰囲気のおかげで、お客様との会話で成り立つ人形劇が、とても優しく、とてもおかしく、宝物のような時間となって、あっという間に過ぎていきました。
その間、PAを担当してくださっている方が、僕の声のバランスをしっかりとコントロールしてくださって、皆さんに聞こえやすいように調整してくださっているのがわかりました。
何も言わずとも、心がつながっていることを感じます。お客様にストレスなく楽しんでいただく役割を進んで担ってくれているPAさんに、感謝でいっぱいになりました。
また、主催者の方の僕への信頼感が、お客様にも伝わっていて、すでに場が温まっていることを感じました。やりやすいのと同時に、受け入れられている喜びと、認めてもらっているありがたさが相まって身が何度も震えました。
こんな舞台を用意してくださったことに対して何のお返しができるだろうか。それは最高の舞台を提供することしかないと思い、ありったけの力を出すことができました。
お人柄から生まれる美味しさ
その後、いただいたおいしいご飯は、先に紹介した手作り石窯天然酵母パンと旬の食材と丁寧な料理。忘れられない味です。一つ一つの素材が、とても美味しくて、そのこだわりと、店主さんの愛情に打ちのめされました。
料理には人柄が出ます。その人柄が、見た目の素敵さと、うまい味と、爽やかな食感となって、僕たちを楽しませてくれました。人形劇と同じだなぁと深く感じ入った次第です。
つまり、人を喜ばせる表現は、全て同じなんですね。
素材を吟味して、その調理の腕を上げて、お客様のご意見を取り入れながら、自分のオリジナルに挑戦し、より良い最高のものを出していく気概にあふれた料理。これを食べた人が笑顔になれば、表現者として合格です。
パンとお料理の「hitohi」(ひとひ)さん。素敵な美味しさは、ここでしか味わえません。皆さんも、宮崎に行ったら、ここは外せませんよ〜!
☆ hitohiさんのインスタはこちら
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あと、特筆すべきは、ここで出会った音楽ユニット、その時はまだユニット名が決まっていませんでしたので、今ここでお伝えすることはできないのですが、最高の歌声と、最強のギター&音響さんと、才色兼備なドラマーさんの、とっても素敵な3人組でした。
この方たちのことは、いずれまた別記事にまとめようと思っていますので、気長にお待ち下さい。面白いプロジェクトが進行しております。
夜も更けて、お開きになりまして、僕はお宿へ送っていただいたのですが、最初に聞いていたホテルではなく、温泉付きの旅館に変更とのこと。
その理由は、おりられ荘の皆様からのご寄付に依るアップグレードであるということで、もう涙。皆様のご支援が、疲れた体をとことん癒せる旅館になったこと、心から感謝いたします。本当にありがとうございました。
さて、2日目です。今日も晴れています。暑いくらいです。
雨降りの毎日から、突然この2日間だけ晴れた奇跡。事故もなく、怪我もなく、皆が笑顔で、幸せいっぱい。元気いっぱい。
こうやって心地よく過ごせて、自由な感性をどこまでも楽しめる空間は、子どもの心を完全に開ききることができます。子どもにとっても、それを見守る大人たちにとっても、最高の思い出になります。
そのために大事なことは「設定」だと、主催者さんはおっしゃいます。
イベントというものは、ついつい大人メインで考えがちです。それを根底から覆し、こんな空間を作られたそうです。
子どもが実際に体験できて、
楽しめて、
汗をかけて、
体験できて、
時間が来るまでそこにいて良くて、
安全で、
自分の考えでご飯を食べて良くて、
自分が好きなときに飲み物が飲めて、
周りの人と会話ができて、
仲間たちと一緒にたっぷり遊べるよ〜!
つまり大切なのは、僕というお客様が来ることで、その人を喜ばせるにはどうすればいいかを考え、そこに集まった人たちに素敵な時間を共有していただき、我が子が楽しく過ごせる場所を作ることを全力でしてくださったのです。
同時に、子育て中のお母さんが気楽に喜んでくれるイメージを保ちながら準備すること。たった2ヶ月で集客を含めた準備を行うために使った時間と労力は、自分の仕事をそっちのけにしなくてはできなかったと思います。心から、感謝と尊敬です。
では写真を連続で見ていただきます。雰囲気を楽しんでください。
開催場所である、間借りキッチンkiaora(キオラ)さんに集まったお店のポテンシャルがまた全て凄かった。
出店者さま(リンクはインスタ)
キッチン駒樹 (島之内):おべんとうとお惣菜は、温もりいっぱい。お弁当箱にいっぱい、ココロもいっぱい♡
Perez's kitchen(吉村町):メキシコ料理、タコス。子どもでも食べられる優しい味のオンパレード!
Riposino(高鍋町):焼き立てピザ。自分で生地を伸ばし、ソースと具材を乗せて、オーブンで焼いてもらって食べるピザは最高!
Kind Heart(高鍋町):いれたてフレーバーコーヒー。香りを自分で選んで飲める斬新なコーヒー。癖になる!
ひとしおオイスター(日南市):とれたて生牡蠣のワイン蒸し。一人で牡蠣を育て、養殖の常識を変えて、通年で美味しい牡蠣を提供できる仕組みを作った元県庁職員さんの愛情も乗って、最高のぷっくり具合の牡蠣!
PIRA☆KIRA(新富町):オリジナルスコーン。スコーンも美味しかったけど、チーズケーキとチョコブラウニーのちょうどいい甘さととろけ具合もたまらなあーい!
素敵な空間に、最高の食。これはもう、たまらんわけです。だからみんながずっと笑顔になってしまうのです。
この環境を作り上げた主催者の方の2ヶ月間の心遣いが結実したのは、それを支える仲間たちの心遣いがあったからこそ。
「こんげ頑張っちょる人を応援せんわけにはいかん!」
と周りの人たちが協力し始め、最後は全員の力でパーフェクトな準備が整いました。感謝と感謝が渦巻いて、とてつもない幸運を引き寄せて、見えない世界の方々も見ているよと、晴れ間に虹も登場したりして、愛いっぱいの時間でした。
どれをとっても、最高なので、心が弾むんです。今書いていても、僕の笑顔が弾んでしまいます。
しかし、最高の笑顔の持ち主は、子どもたちです。人形劇が始まるまでの2時間半。子どもたちを飽きさせない工夫が凝らされていて、面白いのです。
Kayoco from SDSさんによります「キッズダンスレッスン」
なおみさんとりこちゃんの「てしごとワークショップ」
Riposinoのとしさんによる「親子ピザ作り体験」は売り切れになるほど
Kuuさんによる、「一眼カメラマニュアル撮影体験」と言いながら、実はイベントの写真や動画を全て撮影してくださるサポートも
Fumi さんの「英語体験」も温かい雰囲気の読み聞かせで、ほんのりやさしく異国体験
外にある楽器を使って、子どもたちが自由に音を出してリズムに乗ったりしていいよ体験
僕は、こんな素敵な時間を提供されていることに、正直舌を巻きました。人形劇のハードルがどんどん上がっていくことに、武者ぶるいしておりました。
とうとう、赤鬼ゴンちゃんによる人形劇の時間がやってきました。その時のお話は、6月のNIPPONサチアレでもお話しする予定ですが、ここでもお伝えしておきます。
イベントの真っ最中に客寄せ的に芝居を打つものではなく、お客様のお腹が適度に膨れ、ワークショップをして心地よい疲れがあって、そろそろのんびりと座っておきたいなという時間帯に合わせて、僕の出番が作られていました。
つまり、皆さんが、落ち着いて、座って、ゆったりと見ることができる環境を、主催者さんが作ってくれていたのです。だから僕は、公演までお店をゆっくり回りながら、食べたり飲んだり、草むらに用意された机と椅子に座ってお客様とおしゃべりしたりと、とても心地良い時間を過ごさせていただきました。
そうやって、お客様や子どもたちのコミュニケーションを取る時間があったからこそ、今回の人形劇を最後までできたのだと思います。心が通い合ってる時間というか、とてつもなく優しい時間というか、何度も泣きそうになるのを堪えながら、子どもたちに救われながら演じることができたわけです。
さて、もうすぐ出番ですとお声がかかり、赤鬼ゴンちゃんを待機させていた場所へ向かうと、なんとそこには子どもたちが待っていました。一応パーテーションで隠しておいたのですが、子どもたちには見えていたみたいです。ゴンちゃんの出待ちです。
赤鬼ゴンちゃんは、等身大の人形です。大きいのです。だから、僕の体にピッタリと装着しないと動きません。手使い人形や棒人形とは違い、体にくくりつけなくてはいけないのです。1番難しいのが、僕の足首に、ゴンちゃんの足首をマジックテープで巻きつけることです。
ただ、いかんせん、僕のお腹が膨らみすぎていて、足に手が届きません。そこで、出待ちの女の子に助けてもらいまして、足(くま)と足(ゴン)を結んでもらったのです。
これは結構力のいる作業で、それでも女の子は頑張ってやってくれました。もうこうなったら、この女の子は、人形劇スタッフの一員です。一緒に出る! と言って聞きません。
「前で見ておいた方が面白いよ?」
と言っても、頑として譲りません。
「一緒に出る!」
そうは言っても、途中で疲れて座り込んじゃうんだろうなと思いながら、
「わかった。じゃあ一緒に出よう!」
そう言って、赤鬼ゴンちゃんと出待ちの女の子たちが一緒になって登場します。
気分は人形劇「団」!
親御さん達は、最初は「まぁかわいい。一緒に出てきたのね!」でしたが、時が進むにつれ、少しざわめいてきました。
「早く座りなさい。席に戻りなさい。ゴンちゃんがお邪魔って言ってるよ」
そんな心の声が聞こえてくるのです。
一緒に出てきた女の子にはお友達がいまして、そうなると私も一緒に! となりますよね。それをみた子ども達は、僕も私も! となって当然です。
するとごんちゃんの周りに自然発生的に子どもたちが集まってきました。ゴンちゃんを押したり、引いたり、触ったり、つついたり、おへそを引っ張ったり、左手をぎゅうぎゅう引っ張ったり、口に触ったり。まるで、ゴンちゃんが生きていることを確かめているように触りまくってきます。
それでもストーリーは進行させなければいけません。しかし、観客の皆様へのご理解も必要になってきます。
僕は皆様に説明します。
「今ここに出ている子どもたちは、僕のスタッフ。黒子です。これでいいんです。安心して見ていて下さい」
というような説明を入れました。そしてまた物語を進めていきます。炎天下での演技だったので、時折辛くなって、木陰に逃げ込み、歩いて風を作り、時折深呼吸して息を整えたりしましたが、子どもたちも同じ環境です。
見ると、頭に汗をかいてます。それをゴンちゃんの手で拭きながら、可愛い笑顔の子どもたちと一緒に舞台に立ち続けました。
はい、ひとり人形劇ではなく、もう立派な人形劇団です。
一番最初に、一緒に舞台に出た女の子は、僕の後ろにいてくれました。足を結んでくれた子です。彼女はそういえばずっと後ろにいました。途中で気がつきました。
もし僕に何かがあったら、さっと動いて手伝うつもりでいたのです。その後、何回も、マジックテープが外れてしまい、演技の途中に結び直してくれたのです。
小さな女の子が、自分で責任を持って、紐を結び直す。僕は、その間だけ足を止めながら演技を続けます。セリフを止めるわけにはいきません。それをわかっていて、最速でマジックテープを嵌めようとする小さな手を僕の足首に感じるわけです。
涙が出そうになりました。頼んでいないのに、一生懸命に自分の役割を果たそうと、物語よりも、赤鬼ゴンちゃんのサポートに接してくれたのです。
その間、ずっとその子は笑顔。
「大丈夫。続けて!」
と言わんばかり。
その笑顔に救われながら、僕は安心して人形劇を終えることができました。いただいてる拍手は、子どもたちへのものでした。
人形劇が終わった後、汗を拭き、戻ってくると昨日の夜に聴かせていただいた素敵な音楽ユニットの登場です。やった! また聴ける! と思い、僕は客席の中央に座りました。
するとその横に座ったのは、ゴンちゃんの足を上演中に必死につけてくれていた女の子です。僕はすかさずお礼を言いました。すると女の子は照れくさそうに言いました。
「いいお話しやったよ」
小さい声だったのでそう言ったかどうかわからなかったのですが、僕は褒められたと思いました。
すごいなあと。
スタッフをしながら、しっかり集中して物語を聞いて、理解していて、終わった後に演者を労いにきてくれる。また感動が押し寄せてきます。
心地よい風の中、音楽ユニットの歌はフィナーレへ。
綾町にあるKiaora(キオラ)という場所の素晴らしさ、集まる人々の素晴らしさ、これを企画して実行した人の素晴らしさ、主催者の思いに共感して一緒に動いた人々の素晴らしさ、そして、そんな素敵な大人たちをみて育つ子どもたちの素晴らしさ。
そして、この企画を成功させようと盛り上げてくれたおりられ荘の皆さんの素晴らしさ。天気にも恵まれ、最高の時を過ごすことができた2日間でした。
だからまた僕は、宮崎に行きます。
そして、実相大学で一緒に学ぶ皆様に、いつかミッションがてら(笑)、古代の神々ツアーをさせていただきたいと思います。天よし地よし人よしの宮崎に、よろしければ一緒に遊びにいきましょう。
そしてぜひ、あの最高のチキン南蛮を、皆さんにも食べさせてあげたい・・・。
あなたに、今日も幸あれ。
<追伸>
こちらは主催者であるOhanaさんのnoteです。よかったらぜひ、「スキ!」ボタンとフォローをお願いします☆
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