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7.脱毛とウイッグと発毛について

髪のなかった期間は半年間でした。
生えだして10か月ぐらいから徐々に脱ウイッグ、1年4か月目ぐらいから、髪の違和感が減っていきました。
私は中ぐらいの髪の毛の生え方の進度だったと思います。個人差の大きいところのようですね。

周囲への気持ち


ウイッグの時は、元の髪の自分を知っている人には会いたくなかったですが、知らない人は平気で会えました。
私の病気や脱毛を知っている人は、視線に憐憫が混ざっているような感じがしました。思い過ごしかもしれませんね。
病気を知っている人から、ウイッグの話をされるのもつらかったです。できれば触れてほしくなかったと思います。
なぜいやだったのかと思うと、髪のない自分をさらけ出すことができなかったからです。一生の中でなかったことにしたかったんです。闘病中の方の中には、様々な写真や動画を投稿されてポジティブな発言をされていらっしゃる方を大勢見かけます。私もそんなふうに明るくなれたらよかったのですがなれなかったので、隠していました。自虐ネタにするというのもありかもしれませんが、病気ですものね、無理して自分の性格を変える必要はないと思っています。それこそストレスです。自然な気持ちのままでいました。

ウイッグ


高いんですね~。大きく人毛と人工の毛の2種類があり、ナチュラルな人毛はアデランスなどだと20万以上します。
私が、もし次回必要になるなら、リネアストアなので何個もウイッグを買うと思います。
私は、結局3つのウイッグを使いまわしました。毎日仕事に行っていたら、もっと買っていたと思います。安いのはだめになるのも早いですしね。それに、ものすごく活用したのがヘアピースです。髪が生えだして8か月くらいでトップにつけました。
以下それぞれの紹介です。
①ウイッグをかぶっていることがばれないように、もとの髪型と同じもの、これは主に職場用で人毛にしました。ばれないかなと思っていましたが、多分ばれているんですよね。ふくりびで7万円ぐらい
②肩ぐらいの人工毛、これはスーパー行ったりちょっとしたお出かけ程度用
リネアストアで8000円ぐらい
③帽子タイプのもの
楽天で買いました。この帽子タイプ、家でも坊主でいるのは違和感があったので家にいるときかなり愛用しました。
④ヘアピース アデランスで16万位。

私の抗がん剤治療を知った知人が訪問美容の「ふくりび」を教えてくれました。「ふくりび」のサイトを見ると提携美容院が書かれていますので、お近くのお店にぜひ連絡をとられてみてください。私は、美容院に行かずに自宅で頭のサイズを測ってウイッグの購入と調整もしてもらいました。このふくりびのMさんが、婦人科系の癌のサバイバーでいらして、ご自分の経験を話してくださったのも心の支えになりました。
抗がん剤の始まる前に、家に来てもらって髪を短く切ってもらって、脱毛した後にももう一度きてもらってウイッグのサイズ調整をしてもらいました。
髪が少し伸びたころ、Mさん所属の美容院に行き、つい立のある奥の席で髪を整えてもらうことができ、周囲の目を気にしないで済みました。
以来髪のことはMさんにお任せしています。

脱毛第一段階と第二段階


脱毛といっても、すっきり抜けるわけではなく、ムラがあるんですね。いっそ全部ないほうが尼さんのように美しいとも言えるのですが、ばらばらと残る長さ10センチほどの髪、脱毛の中でも落ち込む時です。薬の副作用で言われていた通り14日目から抜け始めました。
ほぼ抜け落ちた時、残りの髪を風呂場で夫に剃ってもらいました。夫がつるるに剃ろうと必死になっていたのが不思議で、そこまで丁寧にしないでよいと声をかけ、適当なところでやめてもらいました。つらい時間なので早く済ませたかったですしね。
たまに見かける女の人が抗がん剤の副作用に備え髪を短くしたついでに男の人もバリカンで自分の髪を剃る、というもの。確かに一瞬感動的ですが、同じ坊主頭になっても、抗がん剤の治療の間、髪の伸びない女性と、翌日から髪が伸びる男性、この差の辛さもなかなかだと思いますよ。
もみあげが残っていたら、ウイッグをかぶってもナチュラルになるので、もみあげの毛は残せるのなら残すのもありかもしれません。

脱毛第2段階として、2種目の薬で、眉もまつ毛も陰毛も、あらゆる毛が抜けてしまいました。
1種目の薬で残っていた短い頭部の毛も見事になくなりました。
眉とまつ毛がなくなってからは、がん患者感が増しました。
ですが、2種目の薬の影響は、脱毛のみで、気持ち悪さがなかったのでめきめきと元気になり、出かけられました。体中の毛はなくても、嘔吐やだるさがないというのは本当に快適なんですよ。当時の写真を見ると、肌の色もくすんでいたように思えます。ですが、倦怠感がないことが何より嬉しくて、美術館に一人でいったり、手芸の体験教室に行ったり、楽しみました。
つけまつげは、どうしてもうまくできず、無しで過ごしていましたしね。
眉毛は、眉毛がないと場所もわからないこと、眉にからめて描けていたことがわかりました。肌に直接描くというか塗るので、ソフトなタッチのアイブローを探しました。
3本ほどを使って自然に見えるようにかくので時間がかかりました。

発毛について


脱ウイッグは、家族や友人、職場でと時期は違いますが
10か月ぐらいでの自毛デビューは、気の置けない友人と出かけるときでした。心優しい友人のおかげです。

1年3か月ぐらいで、家族からも「普通」になったと言われました
1年半ぐらいで、私としてもおしゃれを楽しめるような気持ちになりました。
なかなかそろわなかったのが、前髪のおくれ毛でしょうか。
丸2年で元癌で髪がなかったとはわからないはずです。
ただし、髪は細くなりました。ですので、全体の量も少ないのが悩ましいですが、いえいえ、生えてくれているだけでありがたいです。
パーマをかけたら、ふわっとボリュームが増しました


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