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サッカー旅をもっと面白くする方法~サポーターを議会に送るべし〜

先週末に開催したフットサルイベントの筋肉痛が未だに抜けない25歳、大宮けんです。

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早いものでもう12月。2021年も終わろうとしています。サッカー旅をライフワークとするわれわれにとっては昨年に続いてなかなか苦しい1年でしたが『すたすたぐるぐる埼玉編』を無事出版するなど、個人的にはなかなか満足度の高い年だったように思います。

https://books.rakuten.co.jp/rb/16943946/?l-id=search-c-item-text-01

首長の視点

僕は旅先を歩くとき、自分自身が首長ならどのようにしてこの街を活性化させるだろうかという視点で見ることが多いです。親戚が区長を務め、学生時代から今に至るまで政治に密接に携わっているという境遇。ある種の職業病と言えるのかもしれません。詳しくは下記の所信表明記事をお読みください。

そんな首長の視点で遠征先の街を見たとき、本当にもったいないと感じることが少なくありません。せっかくクラブの存在が地域に浸透し試合会場も盛り上がっているのに、それを街全体の活性化にうまくつなげられていないケースが非常に多く見受けられるのです。

そしてその原因は、サポーターの目線を持った首長や議員が政治の側に少なすぎることにあると考えるようになりました。

サッカー旅でその街を訪れるサポーターが何を求めているのか、地元住民はクラブに対してどのようなニーズを持っているのか、それらを具現化させるために行政は地元のクラブをどのように活用すればいいのか。これはサポーターの目線がなければなかなか正確に把握することができません。

逆に言えば、まちづくりを進める側の首長や議員にサポーターの視点があれば、サッカー旅を愛するわれわれの需要にバチっとハマる街をつくることができるのです。

僕はたとえ主義主張が異なる人であっても、サッカーに理解のある政治家は極力応援したいと思っています。なぜならサッカー旅は東京一極集中是正のための起爆剤であり、サッカー旅にマッチした街が増えるということはすなわち、特色ある街が全国に次々と生まれることを意味するからです。

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所信表明記事でも述べたように、僕の政治への入り口、一番の問題意識は日本全国がどんどん画一化してきているということです。これを食い止めて多様な文化をしっかりと活かしたカラフルな日本列島にもう一度作り直すことこそが僕の夢。サッカー旅の醍醐味はまさにその土地ならではの文化を味わうことであり、全国各地でサッカー旅の目線を持ったまちづくりが行われれば、必ずその理想に近づくと僕は確信しています。

なぜスポーツが地域活性化におけるツールとして優秀なのか

かつて、スポーツと地域経済がリンクして語られることはほとんどありませんでした。青少年の健全育成、QOLの向上、体力づくりや健康維持の観点など、教育や福祉などの分野で取り上げられることはあっても、地域活性化という視点においてスポーツ振興を語る政治家はほとんどいませんでした。

その潮目が変わったのがまさにJリーグ開幕。Jリーグ開幕によってサポーターと呼ばれる人々が全国各地を飛び回るようになったことによって「スポーツツーリズム」という新たな領域が我が国にも誕生。スポーツが地域経済にもたらす効果についてようやく認知されることとなりました。

東京一極集中が叫ばれてから短くない月日が経とうとしていますが、なかなか解決の糸口が見出されていません。このままでは地方は消滅してしまうというショッキングな試算もありますが、人口推計などを見てもあながち煽りすぎではないくらい、今の日本は危機的な状況です。

僕は大学時代、地域活性化に関するゼミに所属していました。北海道夕張市、高知県馬路村、高知県安芸市。さまざまな地域でフィールドワークを行い、政策コンペなどに参加してきました。

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疲弊する地方都市を活性化させる方法は2つしかありません。それは

①既存の地域資源の有効活用

②新たな産業の育成

です。

ドラマ『日本沈没』で描かれた関東沈没のようなことがあれば別ですが、地方都市に突然多くの人が移住するというのは現実的には考えにくいです。しかし「定住人口」は増やせなくても「交流人口」を増やすことは十分に可能です。交流人口とはすなわち観光でその街を訪れる人々の数。これは行政の取り組み次第で大きく伸ばすことができます。そしてその突破口となるのがサッカー旅であると僕は考えています。

スポーツが地域にもたらす一番の経済効果、それは域外からの流入客がもたらす消費に他なりません。いくら地域で大規模なイベントが開催されても、参加者が域内住民ばかりであれば意味がありません。一時的な消費増には繋がるかもしれませんが、その後必ず反動が来ます。トータルでは地域経済にプラスの効果はもたらしません。

その点サッカーは言うまでもなく対戦形式であるため、確実に域外からの流入客が見込めます。ひとくちにサッカー旅と言ってもカテゴリーやクラブ規模に応じて違いはありますが、月2回確実に域外からの流入が見込めるコンテンツは街中探してもなかなかないでしょう。

そして域外から来た人は鉄道やバスに乗ったりレンタカーを借りたりします。旅館やホテルにも泊まります。当然お土産も買うでしょう。つまりサッカーが雇用を創出するのです。そしてその遠征客が増えれば増えるほど、雇用のパイは増大します。一般的にカテゴリーが上がれば上がるほどアウェイチームのサポーターの規模は大きくなります。行政にとっても、スタジアム建設や練習場の整備、スポンサードなどを通じてクラブを支えるプライオリティが生まれます。

サッカーの持つ特性

それなら国民的スポーツであるプロ野球で良いじゃないかという話もありますが、僕はサッカーのほうが明確に野球よりも地域活性化のツールとしては有能だと確信しています。

ここからは、有料公開にさせていただきます。
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サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…

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