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藤井風『満ちてゆく』を聴いて。

書き始める前に、note上でこの曲に関する記事がたくさんあって、やはり影響力というか、彼の紡ぐ芸術世界は様々な、多くの方々の心の中にまで入り込んでいるのだなと。

僕は大そうな解説や学術的な紐解きはできませんから、単に聴いた感想、勝手な思想になります。

藤井さんは「愛は既にたくさん持っているもので、与えるほど満ちてゆくもの」と語っておりました。でも歌詞には「今なら本当の意味が分かるのかな」と入れていて、愛の意味を考えること自体ナンセンスという強いメッセージを感じました。

あとはこの曲から、人生は短いひと夢の航海かなと。浮き沈み、拭えない後悔もありつつ、独り海を彷徨って、それでも旅には終わりが来る。その終わりに何が遺せて、それをどこに置いてくるのか。老人は手記に残そうとしていましたが、自分の航海を巡る中で、至る場所に置いてきたことに気づきます。ピアノ、会社、スーパー、酒場、レストラン、絵画、自分の心の中。

これらに残したのは、この短い航海のきらめきや荒んだ心や取り戻せない後悔でした。どう残したのかは分かりませんけど、そうしてどこかに手放して、与えていくほど軽くなって、いつか誰かがそれを与えられて満ちてゆく。同時に、自分自身も最期へと満ちてゆく。その最期に、「健やかに笑い合える日」が迎えられて、笑い合える相手が現れる。

後悔もきらめきも、快晴も豪雨も、そうしたものたち全てが愛でていくもので、何もなくても差し出したくなるもので、拒まず受け入れるものだと。もっと言えばこの姿勢も全て愛であり、そして誰もがこの短い航海に出て、大海原を彷徨っている。だから、「その姿勢(=愛)は誰もが既にたくさん持っているでしょ?」と語っていたのではないでしょうか。


・『満ちてゆく(Overflowing)』藤井風

・『旅路』藤井風

・『帰ろう』藤井風

・『それでは、(Bye for now,)』藤井風

・『やば。(YABA)』藤井風


【あとがき的な】
多分、的を射ることはできていないし、乱文ですし、ここまで読んで下さる方はごく少数でしょうから……感謝。

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