【超短編小説】旅人の行方
長い旅路だった。最果てまで行くとこうなるのかと、今実感した。全てをやりきって、やっと一息つける場所を見つけた。幾千も流れゆく月と太陽を見送って、その間に何事も後悔なくやり遂げてやろうと意気込んでいた時期もあった。ただ今ならわかるのだ。そんなことはできなかった、つまりできないのだ。それは私という旅人だけではなく、共にこの旅路を歩んできた他の旅人たちもそうだった。みな口々に「後悔はつきものだ」と言っていた。
だから私も、数えきれないほどの後悔を色々な場所に置いてきてしまった