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バイリンガルがChatGPTから身を守る唯一の方法

皆さん、今週はいかがお過ごしでしょうか?クリスマスが近づいてきていますね。キリスト教圏ではクリスマスは家族や友人と過ごす時間。欧米ファミリーはクリスマスツリーをデコレーションをしたりと大忙しです。かくいう私も今年は、アルザスというツリーの会社にオーダーして120cmのツリーを購入しました。フェイクのもみの木ですが、リアルに作られていておすすめです。

さて、今日はバイリンガルとChatGPTについてお話しします。帰国子女や英語がペラペラな人材と聞くと、優秀でGPTからの淘汰からも逃れられると思ってしまうかもしれませんが、個人的には一言あり、です。今日はそのことについて話します。


バイリンガルの役割とは?

帰国子女は定義として日本語と英語を両方使える人材とします。幼少期から中学、高校へ通う年頃に海外で過ごしてきた人たちを指します。彼らは高い語学力と根拠のない自信から内定を勝ち取り、企業へ就職します。しかし社内は日本語です。またクライアントは日本人であることが多いです。フォワードで英語を使っていても、内部で指示や決断に際して必要なのは日本語または日本流の方式です。ステークホルダーやクライアント、内部関係者との関係性を考慮しながら、英語で発生した案件を、ドキュメント化や翻訳をし、考えや指針を元にディレクションしてゆく高度なコミュニケーションが求められます。一昔前に海外M&Aや海外仲介という言葉が流行しましたが、ビジネスの場でMediation(仲裁役)という役割は、英語ができるだけでは務まらないことがわかっていただけると思います。

転職活動を通して遭遇した最悪のエージェント

さて、私事なのですが現在転職活動をしていて、その一環で幾つかのエージェントに登録をしています。英語が使える環境やバイリンガルの案件があるエージェントは限られるのですが、その中でも最悪のエージェントがマイナビ・グローバルでした。マイナビがビズリーチやリクルートエージェントなど中途採用で外国人対応をしている中、近年立ち上げたサービスです。マイナビは元々システムがややこしい、求人の給与ベースが低めなので敬遠していましたが、リクルーターから何度かメールが来ていたので、面談をすることになりました。面談の時間になり、添付されていた招待リンクからオンライン面談のページへ行き、相手の顔を見るとはて?と思うことがありました。若い新卒くらいの男性で名前からして日本人でした。黙っていたので、私の方から、本日は日本語か英語でどちらで行いますか?、と聞くと、英語で、と相手は答えましたが、日本人同士で英語で喋るのも変な話なので、日本語ではできないのですか?と聞くと、海外生活が長いため日本語はできません、とだけ言われてしまった。

はじまると、ヒアリングとは名ばかりの、職歴や資格を洗いざらい質問攻め。職務経歴書と履歴書を読めばわかる内容を答えさせられて、向こうはUNDERSTOODを繰り返すばかり。このリクルーバイリンガルで英語しか喋れないと言っているのにも関わらず語彙力のない返答しかできませんでした。SIRIかCHATGPTと面談した方がマシ、と思えるほどのひどい内容でした。

この無意味なMTGが設けられた理由は推測できます。新規立ち上げの部門であるため、内部に英語ができる人間がいないことコンペンセーション(成果報酬)を支払うシステムがない、要するに安月給で人が集まらない。よって英語だけできる新卒を雇った、といったところでしょう。とはいえ伝書バトに付き合っている時間が勿体ないので、登録は解除しました。

英語は手段であり、目的ではない

10年ほど英語で身を立ててきた身としては、あまりに粗末な英語を聞かされると、話す気も失くします。英語はツールであって、それを使う人間の脳が大切です。例えば、CSであればSOPが頭に入っていることは前提で、温度感を感じた対応ができる。インシデントチームであれば、グローバルやエンジニアから来た障害内容をわかりやすくお客さまにお伝えする。マーケッターならば、数字から抽出した事実にストーリ性を持たせて共感を呼べるようにする等、「相手の想像力を働かせるような仕事をすること」が一般的に仕事と言えるのでしょう。

日本はまだまだバイリンガルや帰国子女がチヤホヤされる傾向にあります。ただ、ビジネスの世界ではDX化やAIの台頭によって、仕事の高度化と複雑化が進行しています。英語だけで生き抜くのは厳しい時代であり、翻訳機のような仕事しかできない人材はCHATGPTに駆逐される対象であることは間違いないでしょう。英語とマーケティング、英語とファシリテーションなど、英語以外に確固たる強みがない人間には難しい時代です。

英語力と日本語力が成功の鍵

発想力は経験が必要ですが、思考力は言語化の上手い人ほど長けています。帰国子女が問題なのは、英語も日本語も中途半端の場合があるということです。"Language changes how we see things(言語世界が我々の認識を定める)"とよく言われていますが、言語能力が低ければ、比例して思考力も低くなってしまいます。話す言葉がその人の知性を現すのは理解していただけるかと思います。英語が流暢な帰国子女でも実際ビジネスライティングや、お作法を知らない人が見受けられます。日本にいてアメリカの常識を押し通してきたりする割に、ネイティブの世界では日本人っぽく振る舞う人も多く見かけられます。雇用する側も、これから帰国子女というだけで安易に採用するのではなく、どう使っていきたいか、中長期的に考えることが大切です。ChatGPTやAIに取って替わられるような伝書鳩を生み出すのは、内部も外部も迷惑です。

まとめ

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では、本日もありがとうございました。再びどこかで皆様のお目にかかれることを楽しみにしております。(画像:東欧の夕焼け空)





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