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30歳から始める、バイリンガルになる方法

みなさん、週末はいかがお過ごしでしょうか?実は今週、年度末の目処が立つはずの仕事が来年への持ち越しになり、意気消沈(チーン)。週末はスポーツで体を動かして、心機一転を図っています。

今回は、日本の英語教育と海外の英語教育について、自身の八年間のヨーロッパ生活の経験をもとに語らせていただきます。効率的な勉強法についても書いてありますので、ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

日本の英語教育について

我々は義務教育でリーティング、ライティング、スピーキング、リスニングの4つを勉強してきました。先生が文法を黒板に書いて、CDから流れてくる音声を聞き流して復唱したり、宿題にライティングの練習をし、精度を上げることで良い点が取れるので、我々はテスト対策として反復練習を繰り返してきました。トヨタのライン工のように「速く、多く、正確に」を3原則としてやってきたわけです。静かな教室で先生のチョークの音が聞こえ、「はい、繰り返してください」の合図で合唱のように英単語や文章を読み上げる、これが我々の大半の語学学習の原風景だと思います。

TOEIC240点だった学生時代

僕は、そんな学校の義務教育では力を発揮することができませんでした。英語の成績が飛び抜けて良かったわけでもなく、むしろTOEIC240点という数字を大学一年の時に叩き出し、大学の英語のクラスでは、当てられるのが怖くてビクビクしていました。転機になったのは26歳の時。一人で英国の片田舎の語学学校に行き、一年で英語がペラペラに喋れることができるようになりました。今でも翻訳や通訳の仕事がどこからともなくやってくるようになり、食いっぱぐれることはありません。8年ぶりに日本へ帰ってきて、自分の体験の棚卸しをすることは、僕の言語体験の見直しにも繋がりました。では、「なぜ一年間で英語がペラペラになったのか」英国での日々を振り返っていきたいと思います。

英国式ジョークが英語力上達の鍵?

僕の留学先は英国の片田舎で、人々はスモールトークが大好きでした。男性女性垣根なしに、道で知り合いに会えばペチャクチャと10分ほど立ち話をするのが日常茶飯事です。顔見知りであれば外国人でもお構いなしに、同等のスピードやテンポで話しかけられました。ロンドンや大きな都市なら、日本人同士で群れることもできたのですが、片田舎なのでそれもできません。全く一人ぼっちなのですから、僕もコミュニケーションに飢えていました。話しかけてくれる相手となんとか会話を継続させたい、と思うようになりました。

また、一緒に暮らしていた英国の家族とディナーの時間があり、いつも一緒に食べていました。温かい家庭で、ホストファザーが言ってくるジョークが大変おかしくもあり、またウィットに富んでいました。

例えば、

質問:ブロンドが眼科に言って目が痛いと話した。医者はどう処方したか?
答え:スプーンを入れたまま、紅茶を飲んでいるから。

質問:婚約しているカップルがいるが、週末に彼女の家族と食事する際は、彼氏は参加しない。それはなぜか?
答え:フットボールの試合を見ているから

など、くだらない冗談なのでしょうが、僕との緊張をほぐすためだったのだと思います。最初は聞き取りすらできず、愛想笑いで誤魔化していましたが、それだけでやり過ごすには限界がありました。なにせ毎日なのです。それだけのリアクションだと、一緒に住んでいる身として申し訳ない。これは英語を話すには絶好の機会と捉えて、自分でジョークを考えることにしました。毎晩夕飯前に、パソコンで何かネタはないかとインターネット上を漁って、自分で考えたジョークを小さなメモに書き記して食卓に着くのです。ただ夕飯を食べるだけなのに、「いつホストファザーは仕掛けてくるのか?」というプレッシャーで、冷や汗が流れていました。僕はいくつかジョークを披露して、特に

質問:日本人が電球を替えるのには十人必要だ。それはなぜだ?
答え:一人が椅子に登って電球を替える間、他の九人は周りを囲んで写真を撮っているから

というような日本人のステレオタイプを逆手に取ったジョークはホストファザーのお気に入りになりました。彼は、アメリカ人のような大味なリアクションはしませんでしたが、伝わった時や面白かった時は神妙な顔つきで口元が少し笑っているのが見えたのが今でも印象に残っています。半年もするとメモなしでも食卓でジョークを交わすことができるようになっていました。考えるよりも、脳が自動で動いてくれるような感覚がありました。

我々にとっても外国人に「わかります」とだけ言われたら悲しくなるでしょう。目の前にいる人となんとかコミュニケーションを「取りたい、取らなければ」という当事者意識が、僕の言語能力を花開かせてくれたのです。

バイリンガルの頭の中

何も知らないで留学をした手前、自分に合った勉強法が最初から見つかったわけではなく、遠回りをしてしまったことも否めません。正直に言われてもらえば、そのほとんどは日本の英語教育の悪癖でした。

例えば、わかりました、という言葉の対訳を例に挙げてみましょう。

I understand
Understood
I got it
got it
I think so
I am thinking of it too
I agree with you
Sure
Make sense
it makes sense
I cannot agree with you more 

と、10秒ほどで列挙しました。これが自然と浮かんできて、さらに秒以下でどれが適切かを判断するのが、ネイティブやバイリンガルの世界です。この瞬発力を学ぶ機会が日本人には圧倒的に足りないのです。その中でも考える時間があり、瞬発力を必要としないライティングと、聞き専に回ってしまい当事者意識を育まないリスニングは最も身入りがとても少ない項目になります。

BBCが伝える本当の英語教育

BBCで「語学習得の近道」という記事を見つけたので紹介します。言語をビジネスや教育の場で使う人々に、効率的な言語学習の方法をインタビューをした内容となっています。そこで大切なのは、「immersion(浸漬)」とにかくその言語の世界に浸ることの重要性を説いています。また、“A lot of people don't make progress if they don't open their mouths(スピーキングをやらない限り、ほとんどの人は上達できない)”、“If you are not willing to put your identity on the line, progress will be slower.(あなたが当事者として英語を使わない限り、習得スピードは上がらないでしょう)”とはっきりと書かれています。

まとめ

日本人はとにかく細かい方やテクニックに走りがちです。それは一長一短であります。最適解を探すよりも、とにかくやってみるの精神が語学学習には必要です。習うよりも慣れろ、というやつですね。また、私よりも若い世代の人たちはデジタルネイティブで情報が溢れかえっています。ぜひ、クリエイティブで脳に刺激があるような自分だけの学習方法を作ってみてください。あなたの語学習得に絶対役立ちます。

あまり答えを出すのは好きではないのですが、Language Exchageというウェブサイトがあります。言語の習得をしたい人のマッチングサービスです。例えば、フランス人でアラビア語を学びたい人と、エジプト人でフランス語を学びたい人が直接やりとりすることができるのです。

下心や異性と出会いたいというユーザーがいないので安心して使えます。ここで出会った外国人と、

  • ビデオコールで生の会話をする。

  • スマホで外国人とLINEを日常的にする。

  • 近所ならば、会って話してみる

とさまざまな練習ができます。

最初は冷や汗がダラダラと出ると思います。でもそれでいいんです。"Simple is Best"。コミュニケーションとは繋がることが目的です。習うことが目的になってはいけないのです。英語でも日本語でも目の前にいる人と会話を楽しみたい、楽しませたい、と一生懸命になることが一番の近道なのです。

さて、今回は以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。筆末になりますが、本ページでは、言語学習や海外生活のお得になる情報を配信しております。0から「住んでみた、働いてみた、恋してみた」を8年間積み重ねたノウハウを有料版で共有しております。宜しければそちらも併せてご覧ください。

ではみなさん、素敵な週末を。(画像:ポーランド語で寄稿したニューズウィークの記事)










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