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#9 春の風物詩 クマバチの話

こんにちは。
OPEN AIR LAB学芸員の松本です!

春になると黒くて大きなハチが、羽音をたてて近づいてくることってありませんか?それは、たぶんクマバチです。春のクマバチはある理由で人に近づいてくることがあります。今回はそんな春の風物詩ともいえるクマバチを大学内で観察したので紹介していきます。

クマバチとは?

ミツバチの仲間の中では特に大きく黒い体が特徴のハチです。花の蜜や花粉を食べるので、大学内でも晩春から秋ごろまで様々な花に来ている様子を観察することができます。

学内ビオトープ池に生えるミソハギに訪花するクマバチ

春のクマバチ

春はクマバチにとって繁殖の季節です。オスのクマバチは、ひらけた場所をなわばりにし、メスが飛んでくるのを待ちます。メスが飛んで来てくれれば交尾して子孫を残せるのですが、問題があります。オスの目では、なわばりにやってきた何かが、すぐにメスなのか判断できません。そのため、近づいて確認します。それがサクラの花びらだろうと、イヌだろうと、だろうと近づいて確認します。オスはメスにしか興味がないので、メスではないと確認でき次第、縄張りの定位置に戻ります。が、何も知らない人からしたら、大きなハチに襲われそうになったと勘違いするかもしれません。
人からしたらちょっと迷惑な行動ですが、オスはなわばりから離れることはなく、ずーっと一定の場所に居続けるので、とても観察しやすいハチでもあります。今回は実際に大学構内でクマバチを探して観察してみました。

大学構内で探してみた

さぁ探そうと思ったらすぐ見つかりました。場所はブリコラの目の前。自販機が設置されているエリア周辺です。

記事投稿現在(4月25日)にも確認できた

早速、観察のために近寄ってみたところ、私に気づいたクマバチが自分から近寄ってきました。そして私がメスでないと確認したら定位置に戻っていきます。その後も観察していると、学生が通るたびに確認のために近づく、離れるを繰り返していました。(驚いて逃げてしまう人も多数)

なわばりでホバリング中のクマバチ

試しに、クマバチの近くにゆるく小石を投げてみると、小石を追っかけて確認に行き戻ってきます。ちょっとイヌみたいで可愛いです。
一通り観察した後に捕獲してみました。ハチを捕まえる⁉と思うかもしれませんが、ハチ類で針を持つのはメスだけです。オスであれば刺されることはありません。この時期にホバリングしているクマバチは基本的にオスですが、それ以外にも顔の模様を見てみると性別を判断できます。
※とはいえ、他のハチの可能性もあるため捕獲はお勧めしません

捕獲したオスの顔。右上の真っ黒い顔がメス。
上記とは別個体。とてもモフモフしている

以上、大学構内でのクマバチ観察のお話でした。
クマバチは春から秋まで観察できますが、春以外の時期は飛び回っていてゆっくり観察することは難しいです。ちょっと気になった人はぜひこの機会にクマバチを観察してみてください。4月中までは見られると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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