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潮干狩りにみるブルーオーシャン

「ちょっと待ってよー」

息子に声をかけても、ズンズンと沖の方へ歩いて行ってしまう。

今日は潮干狩りに来たはずなのに、息子は海水浴のつもりなのか海の奥の方へ歩いていってしまう。

私は、くるぶし丈まであるキュロットスカートを託し上げ、ミニ丈にする。
足を見られるのは嫌だけど、そんなことは言ってられない。海の高さはすでに膝まできている。

4月末の水温は冷たい。
恐らくプールの授業なら中止になるレベルだろう。海に浸かる面積が多くなればなるほど、身震いがしてくる。

冷たさと服が濡れないかで、私の歩くスピードは慎重になっているのに、息子のスピードは一定のままだ。なので、距離はどんどん引き離されていく。

息子は胸下まで海がつかっているのに、冷たくないのだろうか。

そんな心配もきっと杞憂だ。

楽しいときは、そのワクワクに集中してるのを知ってるから。

1人で突き進む息子

この海の先がどうなっているか歩いてみたい!

そんな言葉にならない心の声が、行動として体現されている。衝動のままに素直に動く息子が、少し羨ましい。

そんなことを思っていると、息子の視線の先に親子が貝取りをしてるのが見えた。

お父さまと息子さんお2人。

私が息子に追いつけずにいると、大きいお兄ちゃんが息子の近くに寄ってくれて見守ってくれていた。

私も急いで近づき、お礼を言うと

「ハマグリ、あげるよ!」

と、息子に大きいハマグリを1つ手渡してくれた。息子の手のひらサイズの大ぶりだ。

息子はぎゅっと握りしめて、立ち尽くしている。口角は上がっているから、きっと嬉しいのだろう。

まだ言葉のキャッチボールが苦手なので、立ち尽くす息子に代わり「ありがとう」と伝える。

周りを見渡すと、この親子以外誰もいない。

そこで気になり、お父さまに質問をしてみる。

「潮干狩り歴は長いんですか?」

「毎年来てるよ」

「周りに誰もいませんね。この場所は貝が取れるんですか?」

「そうなんだよ。浅瀬を見てごらん。あんなにたくさんの人がいるけど、あそこはほぼ取れない。なぜなら、貝をまく船は浅瀬まで辿り着けないからね。大体、この辺りにまいてるのを見たんだよ」

浅瀬はレッドオーシャンだろうか

なるほど、、と心で唸ってしまった。

潮干狩りは、当日に動き出しては遅いのか。
お父さまは貝が巻かれるころから、アンテナを立てて観察する。どこで貝取りをすれば、大ぶりのハマグリを取れるか事前にリサーチして、戦略を立てるんだな。

だからこそ、親子はウェットスーツを着こんでいた。これだけ冷たければ、長時間海水の中にいては、体が冷えるから。

それを防ぐために必要な用品を揃えておくんだ。

わが家の息子は海パン1枚だったため、その後に浅瀬に戻ったら水着から着替えて、昼寝してしまった。

朝早く来たから寝不足もあっただろうけど、きっと体が疲れたのだろう。

このように事前に戦略を立てて、当日を迎えたから独占状態で潮干狩りに望めたわけだ。

実際に、親子が沖一帯を独占していたのだから、まさにブルーオーシャンだ。

では、私は?と考える。

最近、ずっとこの問いをしている。

ただライターとしてライティングするのではなく、自分の強みを活かしたいとの想いが強くなってきた。

ここ数週間でライター仲間から言われた強みは以下のとおりだ。

  • 巻き込み力がある

  • 集客力がある

  • おーつーが企画するから参加したいと思う方が、一定数いる

  • 企画を継続してあげられる

  • その人の良さを伝えられる

これらを活かして、自分の好きや得意を組み合わせられないだろうか?

まだ答えは出ていないけれど、自分なりの解を見つけて全力でトライする日もそう遠くない。

そんな予感がしている。

人とは違う行動をする息子のおかげで、また1つ学びを得た。息子のおかげで、日々生きるヒントをもらっている。感謝、感謝。

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