7年ぶり?夫と2人でお出かけしてみた
今日は義父母宅で、クリスマスパーティー
お昼は外食して、お家にお邪魔してると、夫からこんな提案があった。
「クリスマスケーキを取りに行くついでに、スーパーに行かない?」
そう、お義母さんがクリスマスケーキを予約してくれたのだ。
それに、義父母宅の近くのスーパーがリニューアルされて、安くなったのを知っていた。実際にどんなラインナップか見てみたい。
しかも、最近は夫に買い物を任せているので、久しぶりにゆっくり商品を吟味したい。
子どもたちはご家族にお任せして、2人で出かけることにした。
クリスマスだから、スーパーは大混雑。なので、自転車で行くことに。
2台借りて、夫の後ろについていく5分の道のり。
そこで、あれ?と思う。
なんだか既視感があるな。
そして、思い出したのは新婚当時住んでいた、大宮でのことだった。
当時、私は妊娠5〜6か月だっただろうか。
平日はお互いに忙しくて、ゆっくりする暇もなかった。
結婚式、新婚旅行に行ったら、すぐに妊娠が発覚して、夫の海外赴任も決定。
人生のスピードが急加速して、必死になって生活にしがみついていたころ。
深夜にぼんやりとマツコの番組を2人で見ていたら、家の近くのスーパー銭湯が取り上げられていた。
どうやら、他の場所とは違うオリジナリティがあるらしい。
「面白そうだね、行ってみようか?」
自然とそんな話になり、休日になると自転車に乗って現地に向かった。
妊娠中だから、お腹が大きくなっていて漕ぎにくい。どんどん変わる自分の体に戸惑いながらも、夫のスピードに遅れまいと必死についていった。
昼間のスーパー銭湯は、なんだか明るくて健康的。
ぽっこりと膨らんだお腹をなでながら、露天風呂に入った。妊婦である自分が誇らしく、カッコいいフォルムだなと自分のお腹を見つめた。
やけに、外の日差しが眩しくて、まだ2〜3月にも関わらず、寒さが気にならなかった。
この先のことを考えると不安になるけど、お腹の子は私の想いとは裏腹に成長している。なんだか、内側から励まされているようだった。
露天風呂という解放的な空間が、私の気持ちをリラックスさせて、前向きにしてくれた。
そして、その象徴が夫の後ろ姿だった。
いつもマイペースに進む夫。
私は彼についていくのが必死だったから。
海外赴任に行くことも、彼の中ではすでに決まっていた。私の出産よりも、自分のやりたいことを優先されたときは正直、ショックだった。
そこから、彼への不満や憤り、悲しみと、本当にさまざまなマイナスの感情を抱いた7年間だった。
そして、相変わらず変わらないマイペースさ。
後ろを振り返らずに進む夫の後ろ姿は、時を経ても変わってなかった。
けれど、7年ぶりに2人で買い物に行ったら、重くなったカゴを何もいわずにスッと持ってくれた。相変わらず優しさは健在のようだ。
「娘が好きな鮭を買おうか?」
「ごまドレッシングの替えを買うね。」
「お肉を大量に買って冷凍にしちゃおう。」
めちゃくちゃ生活臭のある言葉だけど、2人が紡いできた時間が会話に集約されている。
スーパーはクリスマスが近いからか混んでいて、賑やか。すでにお正月のお節料理の商品も売っていて、気分も高揚してくる。雰囲気に後押しされて、あれこれカゴにポイポイ投入する。
効率重視の夫は少しでも早く会計をしたくて、列をウロウロしていた。私は流れに身を委ねるタイプだから、1番近いレジの列に並んで夫を見やる。
結局、私が並んでいた列が思いのほか早くて、慌てて夫が戻ってくる。
そんな姿に、以前は嫌気が差していたけど、今はそれが彼なんだと受け入れるようになり、心も乱されなくなった。
夫婦という全く異なる人格の2人が過ごすには、我慢やスルー力も試される。
私たちも結婚8年目にして、ようやくお互いを許容できてきた。こうやって2人きりで買い物に行くなんて、数か月前では考えられなかったのだから、人は変わるんだと実感する。
ぎっちり詰め込まれた買い物袋2つ分を夫が持ち、自転車の前と後ろのカゴに入れる。
本当はこの自転車は私が乗っていたのに、重いからと夫が交換してくれた。
その代わり、私は夫が乗ってきた自転車に乗ることに。
鈍臭い私は、自転車を見つけられずウロウロしていると、夫がヒントを出してきた。
「これ?」
と聞くと、
「うん。」
と、答える。
以前だったら、モタモタする私に苛立ちを露わにしていた夫も、今日ばかりは穏やかに対応してくれた。
こちらの変化が、夫にも伝わったのか?
年月を経て、お互いを受け入れられるようになったのか?
少しずつ変わりゆく夫婦の姿が、冬の優しい日差しに溶けていった。
帰りも相変わらず夫の後ろ姿を追いかけて、家路に着く。
やはり、これが私たち夫婦の姿なんだなと、受け入れて。
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