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遠足で別行動。枠に囚われない自由な息子のあり方

石のオブジェのような空間の隣に、自動販売機があった。

【引用サイト】https://images.app.goo.gl/6wtGrFDHJgP8iXJ37

誰もいない場所で息子と2人でアイスを食べた。

サーティーワンの自動販売機から購入したのは、「ポッピングシャワー」

緑色のチョコレートの粒と、赤色の弾けるキャンディが入っているアイスだ。

天気は晴れ。
遮るものがなくて、太陽光が刺すように暑い。
昨日雨が降り、空気が澄み渡っているからか、光がダイレクトに届く。

息子と私は、あまりの暑さに無言で食べる。

むさぼり食べる息子

周りには誰もいない。
時刻は12時30分。

今日は、息子の幼稚園の遠足だ。
多摩動物公園では、クラスごとに回ることになっていたけど、息子は自分が見たい鳥に直行してしまい、先生に断りを入れて単独行動をしていた。

***

振り返ると出発時点から、不穏な空気が流れていた。

動物園に10時半集合であったが、1時間前に家を出た。余裕をもたせて。

案の定、駅前の踏切に釘付けになったり、構内のトイレから動かなくなったり(最近、息子は謎に公衆トイレにハマっている)、ホームにおりられなかったり。

結局、2本の電車を見送り、ギリギリ間に合う最後の電車に乗るため、息子を担いで乗せた。抵抗を受けながら。

息子は電車が大好きだ。

ただし、電車の扉が開く音や走行中に電車がすれ違う音が苦手らしい。

ビクッとするのをごまかすように、
「バイバーイ、バイバーイ」と手を振る。
多分、心を落ち着けているのだろう。

それ以外は、車内から見る踏切や、過ぎていく景色を見るのを好むので比較的静かだ。

しかし、車内に乗るまでに私のHPは半分ほどに減っていた。

***

動物園への集合時間に間に合い、写真撮影をするとき、息子のイヤイヤスイッチが発動。

子どもたちは青いシートに体育座りして、保護者が後ろに立つはずが全力で拒否。

1枚目だけは羽交いじめという名の抱っこをして、無理やりみんなのいる場所にとどめた。

すると、怒った息子は靴を脱いで放り投げ、靴下も両足分、投げ捨てた。
飛んでいった靴は、動物園の来場者の足にコツンとあたり、私はその方に平謝りする。

息子の大切な相棒、猫の人形の「ニコル」も放り投げる始末。それでも怒りが鎮まらず、コンクリートの上で寝転がって足をバタつかせていた。

集団行動を成り立たせるために、息子の気持ちを置き去りにしてしまったのが原因である。こうなることを予測していのに、実行してしまい私も心苦しい。

この場合、どちらの尺度で動けばいいのか、いつも悩む。

波風立てたくなくて、つい息子に無理強いしてしまう。母として反省である。

それでも、同じクラスのママさんから、

うちの子も年少のとき、嫌がって逃げてしまい、別撮りして写真にはめてもらいました。だから、大丈夫ですよ!

そんな優しい声をかけてもらった。

その後は抱っこマンの息子。

18kgの息子をずっと抱えるのは、さすがに堪える。背中には500mlと300mlの飲み物やお弁当もあるし、手提げバッグにはリュックに入りきらなかった着替えやレジャーシート、息子が脱ぎ捨てた靴が入っている。

気分も下がっているため、荷物が重く感じる。

すると、担任の先生が「荷物を持ちますよ!」と笑顔で言ってくれた。恐縮しつつもお願いしたら、少し肩の力が抜けた気がした。

顔見知りのママさんもフォローの言葉をかけてくれたり、息子に声をかけたりしてくれる。私は人に恵まれている。

でも、動物園に入ると、息子のフリースタイルに拍車がかかる。決められたルートとは異なる場所から迂回して、自分の見たい動物を見る。

先生の指示なんて、はなから聞いてない。
とにかく自分の欲望に忠実に動いている。

早めにお昼の時間に突入。
シートを敷いて、固まってみんなと食べることを拒否。

テーブルと椅子が一体になった場所で食べたいという。たまたま隣に園のカメラマンさんがいて、

私が見てますから、先生に伝えてあげてください。

と言ってくれた。
わが家は、みなさんの善意で成り立っている。
本当にありがたい。

お昼も息子は、好きな唐揚げとハンバーグだけを食べて終了。おにぎりは残して、おやつを食べると主張する。

バテるより、何か食べてほしい。

そう思い、卵ボーロとカントリーマアムのココア味を手渡した。

シートを広げている場所は木陰で涼しそうだ。一方で、わが家は炎天下で食べるのでとにかく暑い。

息子はすでに300mlのポカリスエットを飲み干していた。オムツをチェックしたけど、おしっこをした形跡はない。なぜか長袖好きな息子は、シャツを脱ぎたがらない。もちろん、わが家だけ私服である。

熱中症だけは気をつけよう……

息子はおやつを食べ終わると、鳥を見に行きたいと歩き出してしまった。私は急いでお弁当や水筒をしまい、息子を走って追いかける。

そして、冒頭のアイスに戻る。

クラスから離れた私たちは、正直ホッとしてた。

集団で行動するってなんだろう?

私はバカ真面目な人間だったから、学校をズル休みしたことはない。

けれど、遠足から離脱して、マイペースにアイスを食べて、空を見上げると減っていたエネルギーがどんどん満ちていくのが分かる。

芸術的な空

疲れた子どもたちが幼稚園や学校を休みたいと言うのは、こんな感覚なのかな。

もし、わが子が「休みたい」と話したら、今日の感覚を元に対応することにしよう。

アイスの中に入っていたパチパチと弾けるキャンディと連動して、私の心の何かも弾けた気がした。

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