読解に出てきた「ライオンとねずみ」。
妻がいい絵本を見つけてきてくれました。
絵が本当に素敵だったので、作者があえてカットした文章を逆に付け足してもらうことにしました。「本を読む」だけでなく「文章を書く」こともなるべくたくさんやってほしいと日頃から思っていますが、これはうってつけの本でした。
私もいっしょに書きました。書き始めると、自分なりのアイデアやこだわりも出てきて思ったより時間がかかりましたが、とっても楽しめました。
作者のあとがきもぐっとくる内容です。
「弱いものが強いものを助けるという楽しさだけでなく両者の心の広さを発見した。だから、表紙には互いに目線を交わすライオンとねずみをたっぷりスペースを使って描いた」(要約)
そこから、私の中でそれぞれのキャラクターが浮かび上がってきたのですが、「心が広い」だけでは私の中で納得しきれなかったので、自分なりのライオンを描いてみました。
いつか娘に、もう少し大きくなってからもう一度読んでもらいたいので、ここに載せて記録します。試行錯誤して書き直している推敲跡もいっしょに。
最初にこの絵本を読んだとき、ラストのシーンでねずみが、かみちぎった縄を巣に持ち帰り、子供たちがそれに群がってかじっているのを見て、「これはどういうことだろう」と正直よく意味が分かりませんでした。
「縄をかじって遊んでいるのかな」
と私が言うと、娘は、
「練習してるのかな」
と言いました。なるほど、縄をかみちぎる行為が今回はとても役に立ったから子供たちに練習させているのか、と子供の視線の鋭さに感心もしましたが、個人的には「それだ!」という感じではありません。
文章を書いているときもまだ結論は出ていませんでしたが、考えているうちに「ひょっとしてエサなのかな」と思いつきました。調べてみると「ねずみはなんでも食べる」とありました。縄も食べる、ということでしょうか。
「でも密猟者が使ったこの縄は化繊じゃないのか?そういう色に見えるけど」
とか余計なことまで考えてしまっていまいち自信は持てませんが、そう考えた方が話のオチとしてはしっくり来ます。
ねずみはライオンを助けるために縄をかみちぎったわけですが、
「けっこうおいしかった」
「なかなか良いごちそうだった」
と、ねずみらしいマイペースさを描く方が、茶目っ気があるし、バランスのいいストーリーになります。バランスってなんだよ、と思われるかもしれませんが、個人的にはねずみを上げてライオンを下げたまんま終わられるとちょっと据わりが悪い心持ちになるのです。ライオンにとってこの話はどうしようもなく不幸な事故だったわけですから。
だから、ユーモアや笑いでまるごとくるんでもらうと、バランスが取れて安心します。
蛇足が長くなりました。このへんで終わりにします。
…。
…なおみはどう思う?