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アナタのものさしと合成の誤謬【個人の常識が世界を狂わす】

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/embed/channel/660/649042
※大河内薫マネリテラジオVoicy 2023年11月2日放送より

さて今日の本題です。
今日のタイトルは「あなたの物差しと合成の誤謬(ごうせいのごびゅう)」です。


■合成の誤謬ってなに?

「合成の誤謬」って聞き慣れない言葉ではないでしょうか。
これは、経済学の用語です。

ミクロの視点では合理的な行動であっても、それが合成されたマクロの世界では、必ずしも好ましくない結果が生じてしまうこと。
例えば、ある個人が貯蓄や節約に励むと、その人の資産が増えるという効果があるが、国民全員が貯蓄や節約志向になると、国全体の消費が減退し、国民の総所得が減ってしまう。個々人が正しいと思ってとった行動が、みんなが同じ行動をとることで社会的な状況を悪化させてしまうこと。

https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ko/A02884.html

これはどう言う事かと言うと、例えばここで言う「ミクロ」は一人一人の日常生活を言います。
その日常生活の中では確実に良い行いなのですが、これがマクロの世界、つまり日本全体だったり世界全体の規模に広がった時、必ずしも良い結果にならない事を「合成の誤謬」と言います。

例えとして言うのであれば、「倹約」や「節約」がそれにあたるかと思います。
僕たちは何かの目的に向けて、日常生活の中で節約や倹約する事を「善」として生きている人が多いと思います。
自分の目的に向けて無駄を省いていく、倹約、節約をすると言う事は良い事とされている訳ですね。
でも、この良い事とされている「節約」「倹約」を全世界80億の人が、日本だけでも1億2000万人全員がしてしまったらどうでしょうか?
全ての人が「節約」「倹約」する事で、消費が促進されなくなるので経済は大混乱になります。
これを「合成の誤謬」と言います。

■自分の物差しだけで世界を測ってはいけない

なぜ「合成の誤謬」をテーマにしたかと言うと、あなたの常識や物差しで、物事や世界を測ってはダメですよと言う事をお伝えしたかったんです。

X(旧Twitter)を眺めていると、無駄な激論や噛み合っていない空転した議論を見ていると、「感情」「感想」「自分の物差し」での議論になっているなと思う事が多いんです。
「節約は善」だから全員やった方がいい!と言う人もいたりするんですけど、国までもが節約し始めちゃったら大変な事になりますよね?
そう言う想像力が及ばない人が結構多いんだなと思います。

去年のVoicyフェスで、伊藤洋一さんと対談した際に、「日本人って何も考えないよね」と言う事を言ってい単ですけど、もはや日本人だけではなく、きっと世界中の人の思考力がどんどん低下しているのでは?なんて個人的には思ったりしています。
先日あったVoicyフェス2023でも、伊藤洋一さんは「やっぱり日本人って何も考えてないよな」と言っていて、なかなか世界は変わらないなと思いながら今日のお話に至ります。

■お金は使うほどに増える

お金って本当にシンプルで、誰かが払えば誰かが受け取るものなんです。
お金を支払った時に、受け取り相手がいないと言う取引は120%存在しない訳です。

確かに「倹約」や「節約」は「良い行い」だと思います。
でもそれは、「節約をする」=「お金を支払わない」と言う事なので、受け取り相手もいなくなると言う事なんです。
受け取る人がいないと言う事は、自分が受け取る可能性も減っていると言う事なんです。
「お金を使えば使うほど増える」と言う事を言う人がいますが、これは言い得て妙だなと思います。

 自分がお金を使う
    ↓
 受け取る相手が増える
    ↓
 受け取った人がお金を使う
    ↓
 自分が受け取る側になる

そして、ミクロでは「善」とされるけど、マクロだとまずいのは「借金をしない事」ですね。
個人レベルなら、借金は極力しない方がいいです。
でも企業や国家レベルであれば、借金をした方がいい場合もあるんですね。
むしろ借金をしないといけない場合もあります。

借金をしなければできない投資と言う物はたくさんあります。
個人レベルだと、投資ではないかもしれませんが、分かりやすい所で言うと「住宅ローン」ですね。
住宅ローンと言う借金をして不動産を購入しますよね。

天下の東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドだって、莫大なお金を借金して設備投資しています。
東京ディズニーリゾートの様な規模感で借金せずに作るとなったら、あんなリゾートはできてないんです。
借金をしないと言う事は、使うお金の量が減るのでスケールダウンしてしまうんですね。

なので、ミクロレベルなら借金は毛嫌いされるし、いい事ではないとされるのですが、マクロレベルで考えると「しなければいけない」事になり、まさに合成の誤謬と言う事になります。

■借金の勘違い

「良い借金」と言うのは多々あるんです。
頭ごなしに借金はダメと言う人は、実は本当に何にもわかってない人なので、問い正したいです。
そして考え方を改めてほしい。
何も考えずに「借金は悪!」と言う人が増えてしまうと、日本のマネーリテラシーはどんどん低くなってしまいます。
借金がダメなのではなくて、借金と同等の資産がない事がダメなんです。

自分の物差しだけで、当たり前の様に物事の良し悪しを測るんだけど、でもあなたの物差しは、時と場合には間違う事もあるよと言う事を知っていて欲しいんです。
自分にとっては善だとしても、相手が変われば必ずしも善ではないと言う事が多々ある事を知ってください。
それをどう判別するのかと言うと、シンプルに「思考する」しかないんです。

■思考力の重要性

とにかく思考しまくって、思考力を上げていくしかないです。
インターネット上で空転している議論を見ると、まさに思考力の無さが問題なんだろうなぁと思います。

一方で、綺麗なインターネットを代表するVoicy。
Voicyリスナーさんは思考力が高いはずなんです。
VoicyリスナーさんやVoicy自体が時代のトップランナーだと僕は思います。

なので、一人でも多く、思考をする人、思考力が高い人を輩出する為にも、僕たちは今後も色々と考え、行動していかなくてはいけないと思います。
そしてそれを隣の大切な人や自分の半径5メートル以内の人に少しずつマネーリテラシーの環を広げていけば、いつかちゃんと考える事ができる人達が多数を占める社会にする事ができると思っています。
そんな社会が来たら、とても綺麗でとても生きやすくなると思います。
そこを目指して頑張っていきたいなと言う思いを込めてお話させていただきました。

■お知らせ

さて最後にお知らせです。

以前、X(旧Twitter)のスペースを使って、「大河内薫がなぜお金の教育をするのか?」と言うテーマで取材をして頂いたんですね。
で、その取材の内容が記事になりました。

なぜお金の教育が必要なの?お金の教育者 ”大河内薫” が生まれたワケ

これは大河内薫の名刺代わりとなる記事です。
インターネット上にある、大河内薫の自己紹介は全部これに貼り替えてやろうと思います。

僕の生き方や考え方だったりと色んな所を掘っていただきました。
これがいい感じにまとまっています。
少々長い記事ですが、是非確認してみてください。
そして、僕を紹介をしてくれる人も結構いると思うので、その時にはこの記事を伝えてください。

先日、堺市PTA協議会の中央研修会で相談会をしますと言うお話をしましたが、これだって僕の事を知っている人が「こんな人がいるんだけど」って、PTA協議会の中に人にしてもらった事で実現しているんですね。
なので、誰かに大河内薫を紹介する時だったり、「フリーランス税本」や「お金のお守り本」を紹介する時に、この大河内薫ってどんな人なの?って聞かれたら、すかさずこの記事を見せてください。
よろしくお願いします。

本日も張り切っていきましょう。
それでは、素敵な1日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ✨じゃあね!

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この記事を音声で楽しむには
Voicy:https://voicy.jp/channel/660/

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