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【NFT】ordinalsの概念が、ETHの世界にやってきました

はじめましてのヒトは、はじめまして。
いつもの皆様、こんにちわ。
大葉さんです。

前回のお話

はい、掲題でネタバレしていますが、ordinalsの概念がETHの世界にやってきました。なんでそうなっちゃうのかは正直、ワタクシの理解を超えているのですが、来ちゃったのは事実です。最近ずっとガス代が高い理由のうちの一つがコレ。

今回も最初に立場を明記しておきますと、ワタクシはordinals反対派の立場です。ゆえに、ワタクシの偏見をうまくフィルタリングした上で、内容は各自で噛み砕いて理解してくださいね。

それでは行ってみよ〜

なぜこの記事を書いたのか?

ordinalsの概念がETHの世界に上陸して来たので、周知するためです。

動機があまりにも「くだらない」のですが「くだらなさすぎるが故に」流行ってしまいました。memeに全力で乗っかっるのは、典型的な海外NFTプレイヤー(※not NFTアート)のスタイルなので、仕方なし。多様性、多様性。

現実問題として、ガス代の高騰やチェーンへの負荷が発生しており、一部のサービスがダウンしたりもしています。「起きてしまったものは仕方がない」ので、何故それが発生したのかだけでも、日本語でまとめておきます。

この一連のブームが今後どうなっていくのかは、現時点では不明です。見守りましょう。

■いったい何が起きたのか?

11月中頃から、ETHアドレスに互換性のあるチェーン(EVM chain)の多くで、Insriptionsのトラフィックが劇的に増えました。

詳しくは上記のPostに書かれているのですが、内容が英語なので、ピックアップして解説していきます。え、怪しい人のツイートじゃないのかって?

Polygon公式からの紹介POSTなので、信憑性は高いです。ワタクシも、ここから知りました。

Jarrod Wattsさんは、自己レスでOridnalsの歴史やEVM版Ordinalsの仕組みについて語っています。凄く勉強になるので、時間があれば、返信を含めてオリジナルPOSTの英文を翻訳して一読することを強くお勧めします。

■復習:Ordinalsの概要

まとめツイートを翻訳します。

  • Bitcoin blockchainはスマートコントラクトをサポートしていないので、NFTのようなトークンを作る仕組みがありません。

  • Inscriptionsはsatoshiとメタデータを紐づける方法を作り上げることでビットコイン上でNFTを作ることの成功しました。

  • メタデータと紐づけるsatoshiにはユニークな番号が付与されます、これをordinalsと呼びます。


賛否両論ありますが(※ワタクシは否定派ですが)「Bitcoinのない仕組みを付与するために、新しい仕組みが必要なので作り上げた」という点においては、ordinals/Inscritionsは必要だったのかもしれません。

既存合意承認プロセス(BIPs)をすっ飛ばしたし、根拠となる技術名もETHから丸パクりしたし、トランザクション使いすぎて送受信を詰まらせてますし、それに対して「マイナーの利益が向上したから私たちは悪くない」と開き直ったりしていますけど、結果的にBitcoinに新機能を実装したという点は素晴らしいと思います(※繰り返しますがワタクシは否定派)

■EVM版Ordinalsのはじまり

2023年11月16日に、ETH互換のEVMにordinalsが移植されたようです。

ビットコインにはスマートコントラクトが無かったため、NFTを実装するためにInscrptionsの仕組みを組み込まなければいけませんでした。

EVM互換チェーンは、スマートコントラクトを持っています。では何故InscriptionsをEVMチェーンに組み込むのでしょう?

「ガス代が安くなるから」です。以上です。スマートコントラクトを使わない分だけ、ガス代が安くなります。以上です。

■EVM版Ordinalsと、スマートコントラクトの違い

InscriptionsはBitcoinと同じ実装なので、ブロックチェーン上にトークンメタデータを埋め込むだけです。実際の相手にNFTを送るわけではありません(したがって、メタデータが紐づいたsatoshiの送信元を、最新のブロックチェーンからずっと遡っていって、辿り着いた最後のブロック(=Inscriptionsを刻んだブロック)を探し出し、そのメタデータを読み込む動作をする専用のWalletが必要です)

スマートコントラクトNFTは、実際にNFTを送信するので、現在のアドレスの保有者の保有状況を確認すれば、表示可能です。


■結論

EVM版 inscriptonsを使うと、ガス代が安いNFTを作ることができますが、それらを表示するためには特定のWalletを使う必要があります。

また、EVM版inscriptionsで作成されたNFTは、ERC-721/1155が表示できるマーケットプレイスでは「表示できません」なぜなら、ERC-721/1155で定義されたスマートコントラクトを一切使っていないからです。

■NFT作成時のガス代以外にメリットないのですか?

はい、ありません、ないです。Bitcoin版ordinals/inscriptonsにはNFT機能新規実装という大義名分がありましたが、EVM版は本当にガス代だけです。

さらに言えば、EVM版 inscriptonsを表示するための専用Walletの新規開発が必要です。少なくとも2023年12月現在のMetaMaskさんでは表示できません(今後、機能が追加実装される可能性はあります)

メリットとデメリットのバランスが取れていない、くだらないMEMEのようにおもえますよね。実際そうだと思うのですが、くだらないが故に流行ってしまっておりまして、EVMチェーンのネットワークの90%近くのトランザクションを使っています。

トランザクションが増えると、GAS代も増えますよね?

2023年12月以降、GAS代が30gwei以下になりにくい理由のうちの一つが、コレです。

■今後の展開(予想)

memeに全力で乗っかっる、いつもの海外NFTプレイヤー(※not NFTアート)のスタイルであれば2週間から1ヶ月でブームが収束するのですが、1ヶ月以上続いているので、なんからの形で残るんじゃないかなと思います。

ビジネス的な視点で言うと、コレが流行ったことによって専用Wallet開発、新規マーケットプレイスの立ち上げ等のニーズが出てきました。一定の利益は得られるでしょうし、チャレンジしてみるのも良いかもしれませんね(ワタクシはやりませんが)

ただ、ERC-721/1155を駆逐するムーブメントになるかと言われると、かなり疑問です。スマコンを使わないのであれば、ETH互換チェーンを利用する必要、全くないので。

しばらくの間はふたつの大きなマーケットが並行した存在することになります。そう、きっとGAS代は高いままで。


ETHの次期アップデートでSharding(シャーディング)が実装されるとトランザクションの処理能力が向上するので、スマコン版NFTのGAS代は安くなります。ただ、Inscriptionsがトランザクションを増やしている現状は変わらないので、全体的なGAS代が実際にどうなるかは未知数です。

現時点では予想しかできないので、実際どうなるかは、注意深く見守っていこうと思います。


■最後に

この人のツイートに強く共感しています。

忖度しろと言いたいわけではありませんが、少なくとも先人が築き上げた貢献に、一定のリスペクトを送る界隈であって欲しいですね。

「スマートコントラクト技術の全否定」は、個人的に、とてもとても悲しかったです。


以上です。
では!


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