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「みちしるべ」解説②

先日、タツコン超に出展中の作品について
少し紹介しました。

前回の説明したものはこちらをクリック👈

今回はあと少し踏み込んだ内容で、
語ろうと思います。

とてつもなく長い文章となってしまったため、
目次をつけてみました。
どの項目から読んでもその場で完結しておりますので、気になった項目を選んで、気軽にご覧いただけると嬉しいです。


①人との繋がりとは

⒈前置きの話

私は昔から興味や関心が薄いもので、
人に対しても同様に疎い性格です。

幼少期には友人関係で起きた
仲間外れやイジメに似た行動、
それでもグループに属さないといけない空気感の中で過ごしました。

人との繋がりに窮屈さと嫌気さえも覚え、
色々な人間関係に背を向けはじめ、
仕舞いには逃げる選択をしました。

今思えば自身の言葉や行動で伝える努力が足りなかったと思います。
しかし、当時の私はそこまで考えられず、
その環境に耐えられなかったのです。

ただありがたい事に偏屈な性格の私に対して、
周りから温かい助けをいただきました。
お陰でちょっとずつ余裕を持ちはじめた頃、
何かを作りたい創作意欲や興味から美大に進む事になります。

ただ短大に入学したため、
あっという間に時間は過ぎていき、
卒業制作という壁にぶち当たりました。

いったい何を主軸に作ればいいのか、

家の中を探し回っていると、
他界した祖父の日記を見つけました。

内容は淡々とその日にあったことが短く書かれていて、その中で幾つか自分の名前もありました。

当時の記憶では会話相手の名前を間違えるなど、祖父の記憶力はそれほど良くなかったと思います。

しかし、
日記には間違いなく私の名前がありました。


そしてそれをみた私は、
何故か涙が止まらなくなりました。
今も理由はハッキリしてません。
ただ、自分以外の人がこんな私の存在を残してくれていたのだと初めて実感したのだと思います。

人と繋がること、
その人の記憶としていられること、
それがどれだけありがたい事なのか。

私にとって感謝しきれない出来事です。

そして、私も何か残さなければいけないという思いから卒業制作を作りました。
※下の画像がその作品です。

この作品も色々と思い深いのですが、
ここでは長くなるので割愛します。


⒉今作の意図


さて前置きが長くなりましたが、
今回の出展作品も似た経緯で制作しています。


近年、面識があったり思い入れのある近々な方の訃報が増えました。時間の長さは関係なく、経験や思い出を沢山もらっています。

作品に取り掛かる上で主軸としてあったのは、

大事な記憶が褪せないようにその気持ちや意思を示すこと、そしてそれを表面化して形に残すこと。

何かを表現して作る道に進んだ身として、今一度気を引き締められた期間でした。
今回のテーマである「魂(soul)」がきっかけとなりましたが、この機会に描けて良かったと思います。




②モチーフについて

⒈ろうそく

私は作品に蝋燭を良く描いています。
造形的にも使用用途も、色々な方向を見ても気に入っていてるモチーフです。

今回描かれた蝋燭は、
お盆に使う提灯」から発想しました。

お盆は年に数回とない、故人を偲ぶ機会です。
亡くなった人の魂が地上に戻る時であり、
迎えるために火や提灯を使います。

お盆の初日は迎え火で玄関で火をお越し、
お墓に着いたら提灯に灯りを灯します。

そしてお盆の終わりに送り火をして、
お墓に着いたら提灯の灯りを消します。

(※あくまで私がお盆で経験した手順です)



そう言えば、
何故お盆に提灯を使うのでしょうか

調べてみると、
供養や感謝の意を表す
先祖や故人の霊が迷わずに帰ってくる目印
になるからだそうです。

今だと提灯は電球が多いですが、
私が幼少期の頃は蝋燭を使用していました。
子供用の提灯も同様なもので、お墓へ向かう道中に持っていた記憶があります。

提灯越しに見た蝋燭の火はとても綺麗で、
ゆらゆらと動いてる様子から、この中にご先祖様が入っているんだと思っていました。

幼少期の蝋燭に感じたことや、
お盆で使われる提灯の意味などを知った時、
展示テーマである「魂(soul)」と、
今回描きたかった自分のテーマにピッタリだと思いこのモチーフを選びました。



⒉タイトルの名前決め

「⒈ろうそく」でも触れましたが、
今作はお盆を発送にモチーフや構図など決めました。

お盆に使われる提灯は、
供養や感謝の意を表す
先祖や故人の霊が迷わずに帰ってくる目印
という意味が含まれます。

そんな意味があるとわかった時、
提灯の中で灯される蝋燭の火は、
進むべき道を示す道標と捉えてはどうだろうかとなり、そのままタイトルとして
みちしるべ」と付けました。

ちなみに平仮名にした理由は、年齢問わず分かりやすくて柔らかい印象がいいな…という気持ちからきています。




③最後に


気づけばここで2000文字程度になりそうなので、ストップします…。

文章は淡々と書いたつもりですが、
内容のせいでどんよりしていないか心配です。
今までこのように文章として残さずでしたので、拙い文章をここまで読んでいただき誠にありがとうございました。

あと文章の中で何言ってるんだと、
感じたらすみません。
私の文章力はここまでしかないです。

ただ過去の出来事にも通ずるものがあり、
蔑ろにしたくない気持ちで、
今回このような場を作りました。

今後もあるかは分かりません。
いつも文章として届けてる方は本当に凄いです。尊敬します。

さて最後に
紹介した今作の宣伝を最後に締めます。
読んでいただいた内容で、
共感や疑問に思ったことなど、
投票じゃなくてもご質問があれば出来るものは答えていきたいので、お気軽にお声掛けください。

ありがとうございました。



告知

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会期:2023/12/9(土)~12/23(土)
時間:11時~18時
会場:GALLERY龍屋 (愛知県)
アクセス: http://www.t2y.info/access

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