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煮付け天丼

先日(2023年4月17日)日本テレビのお昼の番組「ヒルナンデス」に生出演しました。天丼マスターとして久々にお呼びがかかった。愛機ファイアーバード(ギターね)を持っての登場。ちょびっと弾いたけれど緊張した。台詞は噛むし、表情は硬いし。でも話している時にギターを持っていると手持ち無沙汰でなくて大変に助かった。そんなところで自分がギタリストであることを再確認しなくてもよろしいが、再確認したんだから仕方がない。さてその出演時に小野瀬流天丼(自分でそう命名したわけではない)として、スーパー等で売っている惣菜の天ぷらを買ってきて、天つゆで煮て、ご飯の上にかけて出来上がりと云うのをご紹介したが、最近自分でもあまり作っていなかったし、もうちょっと細かく語りたかったのもあって、改めて自分で作ってみることにした。それを小野瀬流などと標榜するのは非常に憚られるので、別の呼び名を考えた。最初煮込み天丼と思い浮かべたのだが、煮込むわけではない。天ぷらをぐつぐつ煮込んだら目も当てられないような地獄の料理が召喚されるに違いない。そこで煮付けと考えた。煮付けとは「魚・野菜などに、醤油・砂糖・味醂・酒などで甘辛く味付けした煮汁を沁み込ませ、良く味が付くように似た料理」であるから、天ぷらを煮ても煮付けであろう。それでは煮付け天丼を作ることにする。

天ぷらとご飯

先日はたまたま家に帰るのが少し遅い時間になり、近所のスーパーマーケットに寄ってみたら天ぷらが2割引で売られていた。しめしめ。それらとレトルトのご飯を買ってきて、家で煮付け天丼にする。調味料は家にあるのを使う。

天ぷら

何度も繰り返し書いているが、僕の天丼の原風景は、家で大量に揚げて余ってしまった天ぷらを翌日天つゆで煮て、ご飯の上にかけて出来上がりと云う、昔ならどの家でもやっていたジャンク天丼である。最近では家で天ぷらを揚げることなどあまりなくなったように思う。天ぷらはスーパーの惣菜コーナーで買うものになりつつあるのではないか。自分のそうしたジャンク天丼への思いの丈は以前書いた記事を参照して戴きたい。

かき揚げ

かき揚げもあったので買ってみた。まずは天ぷらの方から使おう。レトルトご飯はレンジで温めておく。そして天ぷらを煮付けるのだが、その前にちょっと試してみたいことがあったので実行してみた。

天ぷらを洗う

天ぷらを洗ってみた。このアイディアは、天ぷらを水洗いして、水分を天ぷらの表面に満遍なく行き渡らせてからオーブントースターで温めるとカリカリになると云うテクニック(やったことはない)が書いてあるのを読んで、そうか洗ってしまっても良いのかと思い、洗うところだけ実行してみた。スーパーの天ぷらは思ったよりも油を纏っていて、このまま煮るとかなりその油が気になるからである。さっと洗うだけでもかなりの油が落ちる。これでちょっとは仕上がりが軽くなるであろうか。

天ぷらを煮付ける

冷蔵庫にいつもあるめんつゆを適当に薄めて、沸騰させたら天ぷらを入れて軽く煮付ける。油断していると天ぷらが衣を脱いでしまってはしたないことになるので、軽くと云うのを忘れないように。丼にご飯をよそって、煮付けた天ぷらを載せれば出来上がりである。

煮付け天丼

煮付け天丼の出来上がりである。めんつゆのタイプが白だしっぽかったので色があまり付かずに白っぽい仕上がりとなった。まあこの方が緑(菜の花とインゲン)が綺麗であるから良いか。

煮付け天丼

ご想像の通り、どの天ぷらもふにゃふにゃになっている。パリパリサクサク至上主義の皆様におきましては大変にけしからんと思われましょうが、こちとらソフト天丼派はこのしなしなやふにゃふにゃを心から愛でるものでありまして、どうぞお目こぼしを戴きたい。さあ食べてみよう。

煮付け天丼を食らう

ウマウマウー。まあまあである。天つゆを加減しすぎて薄味過ぎてしまった。健康的にはこれで良いのかとも思うが、ジャンク度が足りない。料理には思い切りが必要なこともある。ちょっと思い切ってみるか。次はかき揚げを使う。

かき揚げを煮付ける

かき揚げも水洗いしてから煮付ける。かき揚げの方が頑丈なので、しっかり洗ったり煮付けたりしても平気そうだ。今度は天つゆを自作に変えてみた。顆粒のだしの素と、味醂と、醤油だけを使った。分量は全て目分量ではあるが醤油はある程度色がしっかり付く位までたっぷり入れてみた。ここで躊躇すると先の白っぽい仕上がりを超えられない。そうこうしているうちにかなり煮えたので、ご飯に載せることにする。

煮付けかき揚げ丼

煮付けかき揚げ丼の完成である。これはなかなか茶色く仕上がった。丼のサイズを小さくしてかき揚げの迫力が出るようにもしてみた。なかなか傑作なルックスである。

煮付けかき揚げ丼

かき揚げがはみ出ている。はみ出ると云うのは良いことだと思う。どんどんはみ出して欲しいし、自分もはみ出る人間でありたい。そんなことを前にも書いた気がするが気にしない。さあ戴こう。

煮付けかき揚げ丼を食らう

ウマウマウー。ああこれだこれだ。これこそが煮付け天丼だ。煮付けられた衣がしっとりてらてらとしている。しっかり煮汁を含んでいる。タマネギとニンジンが好い按配である。これはウマイとと思う。心底ウマイと思う。

煮付けかき揚げ丼を食らう

ウマウマウー。こりゃたまらん。食べていて楽しく、幸せな気持ちになる。このジャンクではしたない感じこそが自分の原点。この悦びをいつまでも忘れないでいたい。煮付け天丼、はたまた煮付けかき揚げ丼、如何なものでしょうか。本当にウマイのだよ。上手く作れたら最高にウマイのだよ。あ、もう一つやってみたいことがあった。続けてやってみる。

天ぷら

後日また同じセットの天ぷらを買った。今度はまだ割引になっていない時間だったので定価で購入。これも洗って、煮付けて、そして今度はどうするかと云えば、玉子とじにしてみたのだった。

煮付け天とじ丼

煮付け天とじ丼が完成した。溶き玉子を用意しておいて、煮付けた天ぷらと合わせて、ご飯に載せて出来上がり。ふと気が付くと調理途中の写真を撮っていなかった。残念無念。今回も天つゆは自作。天つゆたっぷりのつもりが、天ぷらがかなり吸ってしまって、玉子が天ぷらの下に潜ってしまった。なので最初の煮付け天丼とあまり変わらない見た目になった。

煮付け天とじ丼

こうして写真に撮ると立派そうにも見える。でもよく見ると雑なことが判明する。肝心なのはお味の方。早速食べてみよう。

煮付け天とじ丼を食らう

ウマウマウー。これはなかなかにウマイ。玉子とじはアリである。ただもっと改良せねばならないとも思う。かき揚げの時には丁度良いと思えた天ツユの感じが、玉子と合わせてみたらこれまた薄く感じたのであった。上品とは云い難いが、控え目で聞き分けが良すぎる味付けである。もっと醤油、そしてもっと味醂なのか。酒や砂糖も使った方が良いのか。そんなことを色々考えながら僕は煮付け天とじ丼を食べていたのだった。

煮付け天とじ丼を食らう

ウマウマウー。こうしてみるとやはりかき揚げがジャンク感でも扱いやすさでも一歩リードと云ったところか。かき揚げがあったらまた作ってみよう。皆様にもかき揚げを使うのをお勧めする。そんなわけで煮付け天丼煮付けかき揚げ丼、そして煮付け天とじ丼、これからもこのジャンクな連中を、世の中から忘れ去られないように、ウマイウマイと云い続けて行きたい。天丼、焼きそば、ロックンロール。何のこっちゃ。まとまらないけれどまあいいか。それではまた。


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