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カニカマ丼

カニカマが好きなのでカニカマをご飯に載せてカニカマ丼にすると云うアイディアは、かまぼこ丼を作った僕にしたら、まあ簡単に出たのだけれど、世の中には色々な種類のカニカマがある。昔ながらのもあるし、進化形もある。そもそもカニカマはいつ頃食卓に登場するようになったのか。諸説あるようだが、昭和40年代後半にカニカマはこの世にデビューしたようだ。最初の頃はスティック状ではなく、カニの身の繊維をほぐしたような形状で売られていたのを覚えている。その後スティック状のカニカマも容易に入手出来るようになった。ほぐし形状のものは最近見なくなったがいつ頃なくなったのだろうか。ところが色々調べていたら、そのほぐし形状のものがフランスで売られていて大変に人気があると云う。名前はカニカマでもカニカマボコでもなく、"surimi"と呼ばれているそうだ。それも発音はスリミではなくシュリミらしい。シュリミ。シュリミ。知らなんだ。これはいつかフランスに行って実地検証せねばならなくなったではないか。スウェーデンのバナナカレーピザに続いて僕のミッションが生まれた。おんぎゃー。話が大幅にそれた。色々なカニカマが世の中にはあるのだ。なので色々なカニカマを入手して検証してみた。どのカニカマも家の近所、徒歩圏内のスーパーマーケットやコンビニエンスストアで入手出来るものばかり。話は長くなるが許されたし。

匠のカニカマ

まずはスギヨの匠のカニカマから。スギヨは石川県七尾市の食品メーカーで、カニカマを発明した(諸説あります)と云われている。設立は昭和37年だから僕と同い年。60周年おめでとうございます。

匠のカニカマ

カニの身にそっくりである。このそっくりさ加減は本当にスゴイと思う。身の隅っこが細くなってちゅるっと捻れているところなんか本当にスゴイ。匠を名乗るだけのことはある。

匠のカニカマ丼

カニカマ丼試作1号「匠のカニカマ丼」である。ご飯の上にカニカマを載せてワサビをちょいと添えれば出来上がり。ご飯さえ炊けば他の調理は全く必要ない。手を抜こうにも手をかけるところがない。素晴らしき哉カニカマ丼。食べる直前にお醤油をかけて、さあイタダキマス。

匠のカニカマ丼

ウマウマウー。食べてまた驚く。カニだわこれ。口の中での繊維の解け方がカニ。カニに匹敵する味わい。カニの味に精通するほどカニを食べたことはないが、高級店で戴いたこともあるし、北海道などで新鮮なのを堪能したこともある。美味しいカニを戴く歓びは多少は知っているつもりだ。その上で申し上げれば、こりゃカニですよカニ。やるじゃないか匠。醤油に負けてしまう感じがあるので、これはご飯に載せずにそのまま食べると良いかも知れない。カニ酢もアリかと思う。

シーキングFresh

続いては伏見の「シーキングFresh」。この赤い感じ、整然と並んだ感じに親近感がある。伏見蒲鉾は新潟県新潟市の食品メーカー。設立は昭和39年。創業は昭和25年のベテランメーカーである。

シーキングFresh

塩分38%カットでヘルシー。この一本一本ビニールのようなもので包まれているヤツに一番馴染みがある。

シーキングFresh丼

カニカマ丼試作第2号「シーキングFresh丼」の出来上がり。フレッシュな感じがする。ワサビは必須。お醤油をかけて戴こう。

シーキングFresh丼

ウマウマウー。馴染みのあるあのカニカマの味だ。カニに似ている云々でなくご飯と合うのはこのトラディショナルなタイプのカニカマであろう。形状ではなく味わい。これがスキです。この組み合わせならフルサイズ丼でも大丈夫。これに漬物と味噌汁があれば完璧ではないだろうか。ああウマイ。心からウマイと思う。

サラダマリアージュ

続いてはヤマサ蒲鉾の「サラダマリアージュ」。最近よく見かけるタラバガニ系太めのタイプ。ヤマサ蒲鉾は兵庫県姫路市の食品メーカー。設立は昭和28年。創業は大正5年の老舗メーカーである。

サラダマリアージュ

たっぷりと入っている。いかにもほぐれやすそうなルックスでもある。色味がオレンジ色っぽいのもタラバガニを連想させる。

サラダマリアージュ丼

カニカマ丼試作第3号「サラダマリアージュ丼」完成。ネーミングがオシャレである。即カフェ飯とかに採用されそうだ。あくまでもイメージです。カフェ飯とかよく知りません。すみません。

サラダマリアージュ丼

ウマウマウー。こうしてほぐしてみると様相は一変してワイルドなルックスになる。味わいはかなり上品な印象もあって、現代風なのだなと思う。これはネーミングにあるとおり、ご飯に載せてそのまま食べるよりも料理に使った方が実力を発揮するかも知れない。食べ比べてみると色々判る。当たり前のことだけれど。

香り箱

続いてはまたスギヨの製品「香り箱」。これはスーパーの練り物コーナーでなく、魚売り場に堂々と鎮座していた。カニと信じ込んで買っていく人もいるのではないか。いないか。

香り箱

でもネーミングからして香箱ガニを意識しているのは明らか。これをカニの甲羅に敷き詰めて入れて、セコガニの香箱詰めと云われて出されたら僕は騙されそうだ。内子や外子はトビッコみたいので代用出来るかも知れない。そこまでやらんか。

香り箱丼

カニカマ丼試作第4号「香り箱丼」だ。面白いネーミングの丼が色々出来る。もしかしたら醤油が強く影響するかも知れないので、かけずに食べてみることにする。

香り箱丼

ウマウマウー。これまた凄くカニだ。匠よりもっとカニだ。このカニさ加減は尋常ではない。凄いなカニカマの進歩。これは醤油じゃないな。ついでにワサビも要らない。ご飯は出汁茶漬けにするか酢飯にするかして、その上にこれを載せればグレードアップ高級カニカマ丼になるかも知れない。今回はそこまでやらない。でもいつかやってみます。

カニかまにしたらば

今度のは紀文の「カニかまにしたらば」である。遂に来たダジャレ系ネーミング。更に続きがあるのかと気になってしまって夜眠れなくなる系ネーミングでもある。カニかまにしたらばどうなるのか、何が起きるのか、いやもう起きてしまったのか、どうなんだ。それはともかく紀文食品は東京都中央区銀座に本社がある食品メーカー。おでんなどでいつもお世話になっています。

カニかまにしたらば

したらば、これは早速ご飯に載せてみるしかあるまい。

カニかまにしたらば丼

カニカマ丼試作第5号「カニかまにしたらば丼」なのだよ皆さん。ひゃっひゃっひゃっ。何だか笑いが出て来る。凄いなこのルックス。

カニカマにしたらば丼

ウマウマウー。何と云う偉容。大変に立派である。ルックスは最高。でもこれはですね、多分袋を開けてそのまま食べるのを念頭にした製品であろうかと思う。ご飯とはビミョーにマッチしない。カニカマにしたらば、そのままでよろしい。

寿司おにぎりカニカママヨネーズ

ちょっと一息。ローソンストア100の寿司おにぎりカニカママヨネーズを戴いてみた。ローソンストア100は時折アナーキーでアバンギャルドなおにぎりを出すので油断がならない。週に一度はロー100のおにぎりコーナーウォッチングをすることにしている。

寿司おにぎりカニカママヨネーズ

ウマウマウー。マヨネーズか。酢飯か。なるほどなるほど。これはナイスマッチング。僕はカニカマに醤油とワサビと云う取り合わせに拘泥しているが、カニカマ発売から50年(そうかそうなのか)の歴史の中で様々な組み合わせが試されていたことと思う。その間に海外へも輸出され、世界のあちこちで定着している。カニカマの可能性はまだまだ広がるに違いない。でもやっぱり醤油とワサビでシンプルに食べるのがスキだなぁ。アボカドもそうだし、豚肉を何の味付けもせずに焼いて七味唐辛子醤油で食べるのなんて最高だと思うけどなぁ。閑話休題。

カニカマバー

続いてはセブンイレブンの「カニカマバー」。新宿三丁目とか新宿ゴールデン街にこんな名前のお店がありそうである。英題(じゃないか)がスゴイ。
IMITATION CRAB BAR」ですってよ。直球勝負のような、昭和歌謡の曲タイトル(それも女性アイドル)のような、これまた僕に余計なことを色々と考えさせるネーミングである。

カニカマバー

これはご飯に載せなかった。幻のカニカマバー丼となってしまったが、これも多分ご飯とは合わない。このまま食べるべし。ウマウマウー

かに風味スティック

もうちょっと試してみる。一正の「かに風味スティック」。一正蒲鉾は新潟県新潟市の食品メーカー。創業は昭和40年。こちらの製品にはカニカマを超えてうなぎ蒲焼きを模したウナカマ(そう云う名前じゃない)がある。うな次郎と云うらしい。これ食べてみたかったのよ。取り寄せてみよう。

かに風味スティック

一本そのまま食べてみた。僕にとってカニカマと云えばやはりこのタイプ。手軽にどこででも売っているスタンダードなカニカマ。これは醤油とワサビとの相性はバツグンである。ご飯に載せて、ワサビと醤油、それでいってみよう。

かに風味スティック丼

カニカマ丼試作第6号「かに風味スティック丼」の登場。このちょっとギラッとするくらいのコントラストの強い赤が僕の食欲をそそる。

かに風味スティック丼

ウマウマウー。ほぐしたり切ったりせずにこのまま齧り付いて、そしてご飯を食べる。カニカマに齧り付いてご飯。その繰り返し。繊維に垂直に歯を立てて噛み切る。その時に繊維が程好く解ける。その愉快さこそ愛でられるべきと考える。大きいのをそれだけでたっぷり食べるタイプではないので、減塩とか低脂肪とか(それは元々か)そう云った気の利いた仕様は必要ない。カニカマを存分に味わわせてくださいよ。お願いします。って誰に云ってるのか。

海からサラダフレーク

ラストはこちら、ニッスイの「海からサラダフレーク」。これは何と、ずわいがに1%入りである。100分の1はカニなのだ。素晴らしいことではないか。ニッスイこと日本水産は東京都港区に本社のある大手食品メーカー。創業は明治44年(1911年)、設立は昭和18年とのことである。缶詰や冷凍食品など色々な製品でお世話になってきた。

海からサラダフレーク

これまたカニっぽくはあるが、もう何かに模してあるわけでもなく、カニカマ然としているのがスゴイと思う。素晴らしき哉カニカマワールド。日本が世界に誇るカニカマである。

海からサラダフレーク丼

カニカマ丼試作第7号「海からサラダフレーク丼」である。これもちょっと味見してあるので、醤油とワサビとのマッチング確認済み。かけよう。

海からサラダフレーク丼

ウマウマウー。これを食べた時、朝の空腹時であったせいか、感動的にウマイと感じた。こんなにウマイモノが世の中にあるのかと瞠目し絶句したくらいだ(オーバーな)。カニカマ丼ブラボー。まだまだくたばるつもりはないが、自分の人生が豊かだったと思える要素の一つとしてカニカマの存在を間際に思い出すかも知れない。豊かな時代を謳歌したのだと感謝するのかも知れない。この豊かさを、今一度見直して、過度な利便性は引っ込めて、残せるものは可能な限り残して、整理し直して次の世代、そしてその次の世代へと受け継いでもらうことは可能であろうか。可能にしていきたい。最近特にそう思う。サステナブルってヤツか。もうちょっと判りやすい表現はないものか。まだ脱線しそうなのでこの辺りで失礼する。戦争反対。断固反対。

末永くがんばりますのでご支援よろしくお願い致します♫