Money for Time 🫰

『Time is money』この言葉は小学校の頃担任がよく言ってた。
そしてこの言葉は今の日本の意識高めな人たちがよく言う言葉でもある。
"今の"というのはまあ、僕が最近のことしか知らないからそう言っているだけで、昔からそういう界隈ではよく耳にしたのかもしれない。

海外に住んでみると良くも悪くも日本を外から見ることができる。
僕は割と学生の頃から飲食業にのめり込んでしまったもんだから、他の業界のことはあまり知らないけどやっぱり時間の価値を軽く見ている人が日本は多いのかな、なんて思う。
そう思う理由は何個かあって、例えばサービス残業を例に挙げてみようかな。
サービス残業なんてお金にならないものに、なぜそんなに本気で注力するのか、考えたことはあるだろうか。
新人は時間内に仕事が終わらないから勤怠切って残って終わらせるか、早くから来てやるのが当たり前だ！と言われて育ってきたけど、それって本当？！とか思ってたよね。

人を育てる立場になって気づいたことだけど、そんなことはどう考えても上司の能力不足であり、伝える力や言語化能力の欠如、コミュニケーション不足が原因だと思った。
でも実際のところ、僕は始業前に厨房の清掃をして休憩時間に仕込みをやって、まともに飯も食わずに13時間働いた後勤怠を切って、先輩にピッツァやパスタの練習に付き合ってもらったりしていた。
間違ってサービス残業もカウントしてしまったらおそらく月の労働時間は350時間を裕に超えていただろう。
労働時間が長いことを誇るわけでもなく、それがバカバカしいと思っているわけでもない。
ただ、その時間の使い方に価値を見出せないのであればそれはお金を捨てていることと変わらないと思うんだ。

だったらしっかり1日8時間×週5回の仕事で、しっかり生活が送れるだけのお給料をもらえる会社で働いて、あとは好きなことにお金を使うっていう生活が"いい生活"だと思う。
飲食店だってそうだ。
休む時は休んで、働く時は働く。
そういうメリハリのある労働スタイルをしないと、実際何のために働いているのか訳がわからなくなる。
週末に商売をするのは儲かるかもしれない。
僕の家族は大抵土日祝が休みの人たちが多いのだが、その家族と過ごす時間を削ってまでお金を稼ぐ必要があるのだろうか。と。

欧米諸国だと、閑散期は飲食店もほとんどバケーションで店を1ヶ月近く休みにしたりして、その楽しみや家族との時間、趣味や友人と過ごすために働くことができる。
だからこそ、どこか日本の飲食業界の大半は仕事のために働いているように見える。
これはきっと日本の武士道と、キリスト教信仰国の贖罪という文化の違いなのかもしれないけどね。

何のために働くのか、何のためにお金が必要なのか、そういうことを考えて、人生において自身が大切にしているモノを見失わないように生きていければいいよね。
それはきっと経営者になってからも、従業員をどんな風に働かせたいかって考えたときにもきっと大切なことになると思う。

だから僕は、"時は金なり(Time is money)"というよりは"時間の為のお金(Money for Time)”だと思って生きている。
墓場に金は持っていけないし、子どもに遺そうとしても今の日本だと相続税で半分持ってかれたりするわけだから、必要最低限の稼ぎさえ把握して働けばハッピーライフだよ。
時間を作るために働こう！って感じ？
友人のおじいちゃんがパチンカスで、亡くなった時の財産が３桁以下だったって話を昔聞いたことがある。
あの時は皆で爆笑したんだけど、今考えるとそれはそれでかなり楽しい人生だったのかもしれないと思うよね。

そんなん分かってるよ、って思うかもしれないけど、きっとそれを理解していれば頭の使い方が変わるんじゃないかなって、そういう話。

こんなダラダラ色んなことを考える時間があるスペイン生活も、いいもんだなあ。
でもそろそろ温泉でクイっと熱燗呑みてえわ。
あと、とにかくスノーボードがしたい。