見出し画像

ART.

今日たまたま同僚と絵の話になったから書いてみる。

絵の評価って難しいよね。
僕は幼稚園の頃にお絵描き教室に行っていたことがある。それとは全然関係ないんだけど、多分昔から絵を描くのが好きだ。
絵を描くこと、というよりかは自分の書いた字自分が描いた絵が好きなんだと思う。
小学生の頃、絵のコンテストで入賞したことがあるんだけど、確かあれはちょっと変わった絵だった。
お題は何でも好きなものを描いていいっていうものだったんだけど、僕は当時紫色が好きだったってだけで何故か紫一色で1つの村を描いた。
村といっても、そこには家があって川もあり、その川は海と山に繋がっている。ちゃんと人間もいて、あとは変な生き物も描いたと思う。
大人になってから思うけど、あの絵は相当イカれてたと思う。
小学3.4年生が紫一色を濃淡の違いだけで一つの村を描いた。

子どもの発想ってのは面白い。
この面白さというのは奇妙さと表裏一体であると思う。
いつも美術館へ行くたびに思うが、僕らは歳を重ねるにつれて色んな社会の『常識』という枠に嵌め込まれ、元々持っていたその自由さや危険さが丸くなっていく。
だから中世や近代に活躍した芸術家たちの絵画を観ると、自分の発想やアイデア、考えているモノがいかに"制限された中の思考であるか"ということにいつもハッとさせられる。

そんな狂った絵を描いていた少年も、中学の美術の時間の模写でサツマイモを見た通りの茶色とグレーで描いたら、先生に色弱を疑われて自信を失くす始末。
それ以降はデッサンしか描かなくなった。
自分は色を塗ると絵が下手になるんだと思って。
でもARTってなんだろうって考えると、やっぱり好きなものを好きなように自分の世界観を表現するモノであるべきだと思うんだ。
そんな評価しかできない教員は滅びてしまえって思ったから教員志望だったのもあるけど、ここが日本の教育の難しいところでもあると思う。
皆に評定5は出せない暗黙の了解もあるしね。

世界各国、日本各地で色んな美術作品や博物館の展示物を見てきたけど、本当に自分にとってハマる作品や遺物はめちゃくちゃ感動する。
感動というより、自分自身が絵画の中にいるような気分になり、興奮する。
これがきっと、吸い込まれるって現象だ。

ARTっていうのはそういうことだと思う。
それは何も絵画だけでなく古代の遺物や大道芸、パフォーマンス、写真、グラフィックデザイン、料理や歌などアートというのは多岐に渡る。
芸術性のある個人の自己表現に対して極度にのめり込めるモノってのは心を豊かにするし、頭を柔らかくするものだと感じる。
だから僕は美術館や博物館が好きだし、それが仕事や人生にとってとても大切な知識や刺激になると思っている。
料理の場合、ガストロノミーをやっているミシュランやベストレストラン業界の料理になると、よく『Culinary Arts』と呼ばれる。
これは『料理の芸術』と翻訳されるが、僕はまさに料理の一皿も自己表現の意味合いが強いと思っているから、一皿一皿を大切にプレーティングしているつもりだ。
これが今の僕の全て。という感じ。

日本に帰ったらまた絵でも描こうかな。
あ、でもやっぱりまだデッサンかな…。。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?