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【🇪🇸La vida de España⑥】

紆余曲折あり、残り2泊のホステルとなった。
この時既にバルセロナ市内の100軒を越えるシェアルームにアプライ(申請)をかけていた。
でも面接はあれどすぐ住める場所は見つからず、
夜にピザを食いながら今後の予定を考え直した。
6月から住める場所はなんとか1つ確保できたが、それまでの10日間分のホステル代を捻出できるだけの財力はもう持ち合わせていなかったのである。

さて、どうしようか。
家も仕事も見つからない。
「明日が最後の面談か。」と思いながら、
やれることはやったし、これでヨーロッパを周って帰国するのもありかな。
いつもの癖でプランBとCを用意し始める。

訪れたラストチャンス当日。
夕方に面談へ行った。
いつものように、部屋を案内され家賃と光熱費の交渉、住民登録もできるか確認して、最後に1番大切な質問を投げかける。

「いつから住める?」
家賃が今までのところより€150くらい高めだったので、悩んでいた。
すると、間髪入れずに答えが返ってきた。

Whenever you want!

え?!思わず、明日からでもいいの?
と聞き返してしまった。
諦めかけたときにいつも舞い降りる一縷の望み。
神はまだ僕を見捨てなかった。

じゃあ明日から住むわ!
と即答した。

でも、仕事が見つからなければどちらにせよ住み続けれないので、最後の1週間で職にありつけなければもう帰ろう。と決断した。

翌朝、7時半に家を出て家の近くの地中海料理の店でコーヒーを飲む。
ワクワクした気持ちを抑えたくて、一服していた。
にしてもまあ、なんとなく雰囲気いいなって感じのレストランだった。
これで俺もシティボーイだぜぇ〜って思いながらふと、ここ働けんのかな?とか思ってホールスタッフに声をかける。

「ここってどうやったら働けんの?」
すると、
「あ、ちょっと待ってな。」
やっぱダメかあと思っていたのも束の間。

ホールスタッフが帰ってきて
「今ちょうど人事の人がいるから会わせてやるよ」と。
そんな偶然ある?!
みたいな感じで、成り行きのまま直接レジュメを渡して面談。
明日からでも働いてくれって感じで採用が決まった。

半日にして仕事と家が両方手に入った。
こんな奇跡あんのか。
もはやこの時の心情としては完全に他人事のようであった。
地中海料理で働けるぞ〜!って思いながら
るんるんで引越しをした。

こんな流れで、僕のバルセロナ生活はようやく走り出した。

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