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逃走劇④イベント出店準備

ある日、大学時代1番一緒にいたであろう親友からイベント出店の話をもらう。
詳細を言うと、函館のクラブで彼が在籍するパフォーマンスグループ主催でイベントをやるっていうんで、その際のフードブースで出店してみないかっていう話。

まあこの親友ってのが僕を焚き付けるのが本当に上手いやつで、考えるまもなく二つ返事で快諾したよね。
色んな仕事に手を出してみて、飲食業で俺は生きていく。と決めた矢先にこんな話をくれるんだもの。

出ると決めたらすぐに準備に取りかかる。
準備期間は1ヶ月くらいだったかな?思ってるより短かった記憶がある。
まずは実店舗のバイトの空き時間などを駆使して、溜めていたクラウドワークスのタスクを2日で片付け、マルチからはフェードアウトし、
実店舗の方のシフトもランチ3日、ディナー6日間に減らした。
これでランチ帯4日分、ディナー帯1日分空きができた。
このときの睡眠時間はだいたいいつも4時間半くらいで、1日14時間働いていたけど、
理論上はまだ5時間は残っている。

なのでその5時間と空けた分の時間を使って
収支計画表、レシピ表、原価計算表、コンセプトからコンテンツを資料にまとめ、差別化を計りつつもリピートできる分量と全体のバランスを考える。あと、食品衛生責任者の資格も取った。
これを確か最初の1週間でやった。
2週間は試作に使い、最終週は確認作業と必要な調理道具の調達を行なった。

実際に出店する際の店名は"Bar Pomodoro"
トマトが好きだったもんで。
メニューは4種類で
ブルスケッタ🇮🇹、タコス🇲🇽、
プーティーン🇨🇦、タコライス🇯🇵
というラインナップ。
在庫が残ったら適当にパスタにできるような具材でロス管理をし、尚且つ日本らしくない非日常感を演出したかった。
クラブシーンやイベントで有利な片手で食べれるものをメインとして出店することに決めた。

多国籍感を出したかったので、自分なりに見た目もそっちに寄せてみた。

※相方の許可はもちろん取っていない。

まあ、こんな見た目で売ってたら興味持ってくれるかな〜みたいな。

そうしてるうちにあっという間に前日を迎えた。
函館に着いてから気づいたんだが、お釣りを持ってくるのを忘れていた。
全部1000円以下だから、とりあえず100円玉をできるだけ作りてえなあって思って、
気持ちを落ち着かせるために太鼓の達人をしにラウンドワンへ行った。
なんとなく、ソワソワしてたので太鼓叩いたら落ち着くかなって。
なんでラウンドワンに迷わず入ったのかは、自分でも分からない。

でも叩いてるうちに気付く。
え?ゲーセンて両替できんじゃん
ももクロの曲と譜面の残像と共に2万円分の小銭を持ってラウンドワンを後にし、親友のいるパフォーマンスチームの練習場へ向かった。

前日に厨房機器や厨房周りの確認をしたかったが、当日しか入れないということで莫大な不安を抱えながら食材を買いに行き、仕込みをして2時間程度寝た。
その日泊めてくれたのはその親友ではなく、その日が初対面の親友の親友である。
すごく楽しかったし、めちゃくちゃ感謝もしてるけど、正直言わせて下さい。
 全く訳がわからない。

この時はまだ当日に襲いかかる緊張感も、ピンチもまだ何も知らなかった。
唯一知っていたのは、どうやら炊飯器とホットプレートは使えるらしい。ということ。

ただそれだけだった。

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