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【🇪🇸La vida de España⑩】

閉店日、なんだか寂しさを感じながら営業した。
これで皆で働くのは最後か〜としみじみと、、
たった2ヶ月弱だったけどね。
僕を採用してくれた人事のマネージャーと話して、どうにか来月から地中海料理の方の店に異動できないか聞いてみた。
すると、考えていたより早く閉店することになったから今は空きがない。と言われ、2ヶ月後だったら対応できるかもしれないっていうことだった。
でも2ヶ月収入がないのは、まあ生活には困らないくらいの貯金はあったがなるべく避けたかった。

という流れでおにぎりを作る仕事に就いた。
確かそんな流れだった気がする。
で、おにぎりも寿司も出すお店なんだけど、どっちもできるから1週目で仕事にも人間関係にも慣れることができて、正直3週目でもう飽きがきてた。
「バルセロナに来てまで、俺は何をしているんだろうなあ」なんて考えながら、何かできないかともがき、色んなバーやレストランを食べ歩いた。
でもどこも働きたいと思えなかった。
そこらへんが、スペインに対して過度の期待をしすぎていたことによる悪いギャップだ。

ただ、食べて作れると思い込むのと、実際作ることができることって全く別物であることは今までの経験上理解した上で、スペイン料理の店で働く選択肢を絶った。
給料がめっちゃ低いんですよ。。
最初からバルセロナに来ていたらきっと地中海料理の店かいい感じのタベルナで働いていたかもしれないけど、このときもう残りが7ヶ月だった。
仕事を変えるにはもうラストチャンスくらいな感じでもあったけど、今までもらってた給料より落ちるのは家賃が高いのでなかなかキツい。
というような決断。

そうしていくうちに、やっぱりなぜ今スペインにいるのかが分からなくなってきて、鬱気味になっていた。
1ヶ月くらい悩んだかな。
友だちとかにもお店を紹介してもらったんだけど、どうしても高級業態にいきたい気持ちにはなれなくて、それならいい給料をもらいながら旅して、いろんな店に食べに行って学ぼう!っていう気持ちになった。
結局人生というのは不思議なもんで、ある決断をするとイイ方向に向かうわけ。

急にバイマの現地仕入れの仕事をやってみたり、翻訳の仕事をもらえたり、中学生にzoomで遠隔授業の話をもらったり。
まあ今の自分にしかできないことっていうのはいつだってあるわけなんだ。
目の前のことに真剣に向き合ってみようと考えると、スペインでの個人店経営や、企業からの注文、商品開発などやれることはいっぱいあった。

そうやって、スペイン語を勉強したり、スペイン文化に溶け込むことが僕の本来の目的だったことを思い出すきっかけとなった。

8h×5dで働くこの期間で、一般の人が外食に使えるお金の幅だったり、お金と時間の使い方を含めたリソースの割き方を学べている気がする。
じゃああとはマーケティング的な視点でどういう商品をどの価格帯で設定するか、とか何が求められているかを考えれば流行る店が作れそうだなっていうロジックを構築するだけなんだ。
そんな風に考えていると自然と毎日勉強することが増えていって、人生が面白くなってきた。

それがおにぎり屋での1ヶ月目。
スペインだったからこそ、こう考えることができた。

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