mochi

海外で言われるmochi、これは日本人のいうところの大福を指している。
だから、海外では餅といえばデザートなのである。

スペインでは基本的に餅は餅粉から作られる。
中身はなにもあんこに限らず、様々な甘いクリームからなるものが多い。
日本の大福と比べて感じるのはかなり柔らかいということで、これはこれで結構美味しい。

ただ、スペインのデザートというとかなり甘い。
これはスペインに限らず欧米諸国を訪れたことがある人なら分かると思うが、本当に甘い。
日本だと「甘さ」にはかなりの種類があると思っていて、ただそれが西側諸国にはあまりない、そんな印象がある。
面白いのは、皆「甘すぎる」とか言いながらもめちゃくちゃ食べることだ。
僕は甘いものが苦手なのでドーナツ1つでもコーヒーは2杯必要なんだけど、、。

ここで餅の話に戻るんだけど、みたらしとか胡麻団子とか、そーゆうちょうどいいあまじょっぱいやつが欲しいんだよなあと、いつも思いながら餅、大福を売っている。
でも、こうやって海外のものを自国で売るときに、自国の人に合うテイストにして提供していくのがフュージョン料理だと思うし、それが新しい料理を作り出す面白さでもあるのだろう。
マーケティング的にもターゲットの層が広がるしね。
どうしても海外の味を完全に再現しようとしたりすると、手に入りにくい調味料から食材があって、原価は高いのにターゲットがニッチな方にいってしまうのでロス管理が難しい。
実際ロスはどうにかできるんだが、そもそも需要の少ないところで勝負するのは、ある程度見込みがない限りかなり厳しい戦いになるのは避けて通れない。

ヨーロッパでは餅米があまり育たないので、基本的には餅は餅粉から作るし、日本のパスタだって多くはイタリアから仕入れたりする。
そうやって文化融合みたいなものをたくさん見たり、食べてみたり、試してみたりする事が面白いっていうのがあって、僕は料理を仕事にしている。
確かに料理なんて誰にでもできるものだし、未経験でも成功しちゃう可能性がある参入障壁の低い業界だからこそ、そこに愛情がある人が残っていく世界なのかなと感じるよね。

今まで働かせてもらってきた個人店のオーナーたちは、自分たちの料理に愛情や誇りを持っていた。
ピザ、ハンバーガー、肉、クラフトビールからおにぎりまで。
自分はどうだろうって考えると、やっぱりピンチョスだ。今までも何か一品作れって言われたらピンチョスかタコスしか作ったことがない。

どういう店を持つにしても、色んな世界のものを出店する地域に合わせた味に仕上げるのは良いことだと思う。
かといってオリジナルを出すのが悪いと言っているわけではなく、それをやるならしっかりとマーケット調査をしないと成功確度がかなり低くなるということを考えなければならないと思うだけである。
ガチガチ現地のメキシカンとか、タイ料理とか、中国料理の店とかも見てきたからそう思う。
インドカレーやネパールカレーですら日本人向けにしてるくらいだしね。

つまり何が言いたいかというと、
自分の場合はピンチョスと酒、それがあれば他に何もいらない、ということ。
あ、でも隣に可愛い女の子は欲しいかもしれない。

餅の話はどこへやら。

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