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【🇪🇸La vida de España③】

【勤務初日】

僕はサンセバスチャンに着いて1週間で
Casa Urolaという、バスク料理の名店で働き始めた。
最初はピンチョを作るキッチンで働くことになり、後はレストラン側に行くのか?行かないのか?という感じだった。
初日はトレーニングだったこともあり、ランチは仕込みメインだった。

前日調理服や調理靴は持参した方がいいのか確認をして、なんでもいいというので、なんとなく料理できそうな服装で向かった。
ディナー帯はがっつりオーダーを捌きまくる営業内容で、今まで働いてきたどの職場よりも桁違いに忙しかった。
なぜなら、19:00〜23:00ずっとピーク帯だったからである。
通常どこの飲食店でもピーク帯というものがある。
それはオーダーの集中する時間帯、つまり席が埋まってきたことを意味し、それをお客さんの回転数としてカウントしていく。
大抵4時間の営業だとイタリアンだと2回転か2.5回転、居酒屋だと3回転したりもする。
これがまあ、調子のいい店舗の平均的なところだろう。

1階がピンチョスバル、2階がレストランという形をしたこのお店は結構特殊。
まず、バスクのピンチョスバル業態がかなりやばい。
基本立ち飲みベースで繰り広げられるこの戦争に満席という概念はない。
故に、無限にお客さんが傾れ込んで来る。といった現象が勃発する。
なのでキッチンスタッフは12人もいたし、
ウェイターの数を数えれる暇もないほど忙しかった。
ピンチョスに加え、オーダーが入ってから作るタパスも結構あり、一度作り方を教えてもらってすぐに作る、というのを繰り返していく。
でも、2度聞くと嫌な顔をされるのは目に見えているため全て一撃で習得した。
タパスの出数も結構エグくて、一度に同じ商品が10個来たりなんてことはザラにある。
オーダーは常に30〜40ストックされている状態。
まじでイカれてる。
しかし、こーいう営業が1番興奮するのは言うまでもない。

それなりの達成感を感じてホステルに帰った。
1日目はお店を知ることだけで精一杯だった。
帰ってすぐ寝て明日に備えることにした。
スペインバルの忙しさを初めて肌で感じることができ、凄く嬉しかった。
レストランの方はガストロノミーで、
かなりミシュランチックな雰囲気を醸し出していた。

バスク伝統のヒラメの炭焼き台とかを眺めながらピンチョやタパスを作るのは結構楽しくて、サンセバスチャンをフルに体感できた。
一回教わったことは2度と聞かないスタイルなのでメモや写真を見返し、同じ作業を効率的にこなす準備をして余韻に浸りながらぐっすり寝た。

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