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力戦奮闘記①

これは僕のマネージャー時代の話。
25歳、社会人3年目で店長の肩書きを戴くことになった。
まあ、自分の実力もポテンシャルも知らぬまま頂戴したので、それは名ばかり、俗に言う雇われ店長である。

僕が任されたのはイタリアンバールで、そのお店は生パスタを扱い、ランチ帯とディナー帯で営業し、ソースは昔ながらのレシピを使っていた。
その当時はオープンして、上手く軌道に乗る前にコロナが流行したもんだから立ち上がらずに営業していた状態だった。
それを立ち上げるのが僕のミッション。

そのときはたかだか飲食店のアルバイト経験が4年と調理職の正社員歴が1年半という、とんでもない未熟者だったので、店舗経営やマーケティング戦略なんて右も左も分からずにいた。

このときから、僕の人生は売上が上がれば給料も上がるようなインセンティブ制の給与形態が始まったんだ。
売上が上がらないのは自分のせい。
そう、心に誓った。
どうせ将来店を持つ気持ちが強いなら、正社員の時から売上の少ない月は自分の所得も低くないと、起業して経営を始めたときにきっと心が折れるタイミングが来るだろうと思って。
でも、実際は雇用されている身分なので充分生活できるだけの給与は保障されてるんだけどね。
それでも普通に働くよりかはリアルかなって。

色んな人に言われたよ。
「コロナだから仕方ない。」
「売上が上がらないのは小野くんのせいじゃない。」
「そんなに自分を追い込むな」って。
でも、よく考えてもそれらの言葉は全く刺さらなかった。

どうしてかって、本当に自分のお店だとしたらそんな言い訳できないでしょ!
生活していけなくなるんだから!
というのが本心で、だから「コロナは言い訳にできない」とか「全部自分がこのお店に価値を見出せてないことが原因なんだ」というのを言い聞かせて、休みの日だろうが、営業時間外だろうが働いたし勉強もした。

何十冊という経営本を読み、ビジネス本を読み、色んな業界のマーケティングを学び、顔を広げるために飲みにいったり独立した先輩方の話を聞きにいった。
最初の1ヶ月は正直仕事やポジションに慣れるので精一杯だったので、空いた時間はずっと勉強していた思い出がある。

色んな勉強をして、まずはマーケット調査からだよねっていうのでお店近郊の人たちのニーズを計ることにした。
外にどんな人が歩いてるか、とか何時に帰宅するかとか、昼休憩は何分あるか聞いてみたり、周辺の店舗の混雑状況などを休みの日に見て周ってたりと。
それを全部紙に書き出してエクセルで記録をつけていったんだっけ。
雇用してくれたオーナーのために、全力でぶち上げたかった。
バーガー業態はめちゃくちゃ忙しいのに、僕の任されたイタリアンバールは1日でランチが10人前後、ディナーはお客さんが来るか来ないかみたいな状態だったのが死ぬほど悔しかったんだよね。
そんな世界線。

直近のゴールは損益分岐点。
とりあえず半年でそこまで持っていこうって決めた。
力戦奮闘というか、孤軍奮闘というか、、、
そんな僕の人生の第5章〜全力少年〜が幕を開けた。

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