[野球][北海道日本ハムファイターズ観戦日記 2022] 6/28 新庄監督の長期政権が決定か

 先発の上原が立ち上がりに3失点。その後コツコツと追い上げ1点差で終盤までもつれ込むもの、8回裏に鈴木健矢が栗山に2ランを打たれてオシマイ。とはいえいつのまにか12球団1の投手陣になっていた西武の鉄壁リリーフからたとえ1点でも取るのは難しく、先発の松本が投げている間に同点にできなかった時点でほぼ勝負アリだったと思います。同点にする最大のチャンスは6回表。一死一三塁で打席は石井。カウント0-1からのややインコース真ん中の球をセーフティスクイズの構えを見せるもののなぜか見逃し、カウントを悪くして結局三振。その後近藤が歩かされ満塁になるもののヌニエスが倒れ無得点。この回限りで松本は代わってしまいました。この場面、あまりに中途半端なバントの構え→見逃しに「偽装スクイズ?」と思いましたが、試合後の監督の談話によれば、セーフティスクイズのサインは出ていたものの、石井が見送ってしまったのだそうです。つまり「オレの出したサインをちゃんと実行しなかった石井が悪い」ということ。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/202206280001387.html

(ボールだと思って打者の石井はバットを引いたが)結果的にストライク(見逃し三振)。意識が外気味にあったんでしょうね。あれをね、ポンと(当ててくれたら)。トントン、トントンと点が入っていけば面白かったと思う。

 いつもの新庄監督なら自分が出したサインを選手がちゃんと実行しないと烈火のごとく怒り感情的になるのに、なぜか淡々とした話しぶり。今までの例からすると、こういう場合懲罰でファームに落とすか、数試合スタメンを外すのが監督のやり方ですが、今後の石井の使い方に注目ですね。

 しかし私が言いたいのは、あの場面で本当にセーフティスクイズのサインが出ていたのか、それともバントの構えだけして様子を見ろというサインだったのか、ということではありません。監督は上記の発言の前にこんなことを言っています。

(2-3の6回1死一、三塁の場面は)作戦、どれで行こうかなと考えた結果、セーフティースクイズにして。

 ここに新庄采配の特徴が凝縮してますね。サインを出すような「作戦」を仕掛けるかどうか、ではなく、とにかく仕掛けることが前提。どんなケースであれ、チャンスになるとなんらかの小細工を弄せずにはいられない。「選手の力を信じて任せる」ということをしない。自分の采配でゲームを動かしたいという欲望が強すぎる。選手じゃなく自分がヒーローとして称賛を浴びたい、自分が中心でないと気が済まない。あの場面、石井と松本は相性が良く、対戦打撃成績も6割か7割ぐらい打っていたはず。この日も2ベースを打つなど相性の良さをアピールしていた。チームを勝ちに結びつける采配としても、石井自身のさらなる成長を促すためにも、彼を信じて任せるべきではなかったのか。実際、マウンドの松本はかなりのプレッシャーを感じていたはずで、苦手にしてる打者がおかしなセーフティバントもどきで勝手にカウントを悪くしてくれて助かったと思ったはず。たとえストライクだと思って見送った石井のミスだという監督の言い分が正しいとしても、そもそもそんなリスクの大きいサインを出す必要があったのかどうか。実際石井を打ち取って2アウトにしたあとは近藤を歩かせてしまえばあとは打率1割台のヌニエスを打ち取るだけ。結果として相手を楽にさせてしまったわけです。

 悪びれずに、まるでパーティーに行く衣装を選ぶかのように「どれで行こうかなと考えた」と語る監督からは、選手の成長を願う姿も、なんとしても勝ちにいくという勝利への執念もうかがえず、ただチームを自分が輝くための舞台としか考えてない自己顕示欲しか見えてきません。最近はどうやら継投まで全部新庄監督が決めてるような節があり、この日の鈴木健矢の登板も監督の意向でしょう。右アンダースローが苦手だったという選手時代の記憶で「みんなも苦手に違いない」と思い込み、左の栗山に回ってきても続投させダメ押し2ランを食らってしまった。とにかく全部自分一人で考え全部自分でやらないと気が済まない。選手もコーチも置き去りにして監督ひとりが全て考え決めてしまう。複雑怪奇なサインで選手をがんじがらめにしてしまい、選手の力を信じてノビノビやらせる、コーチを信じて任せるということをしない。はたしてそんなチームが強くなるものなんでしょうか。

 新庄が監督でいる限り、今日みたいな試合がずっと繰り返されるのは間違いないですが、どうやらその新庄政権、当分の間続くことが決定しているようです。

球場近くの歩道橋の愛称が新庄監督にちなんで「BIGBOSS Bridge」に決まった。
愛称使用期間は来年1月1日から27年12月31日までの5年間。ファンを大切にする指揮官へのリスペクトと、ファンと日本ハムの懸け橋という思いを込めて名付けられたという。

  どうですか皆さん? 2027年、つまり今年を含めてあと6シーズン、新庄監督が指揮をとる予定ということなんでしょうか。あと6シーズンも……

「あんまり(チームの)雰囲気は良くないって聞いていたので」と苦笑しつつも「何とか盛り上げられるようにとは考えていました」と近藤。

 そうか、そりゃそうですよね。あれだけ負けが込めば、それもおかしか采配や用兵で勝てる試合を落とし続ければ、雰囲気も悪くなる。

気になったのは、激戦続きだった5月24日からのヤクルト3連戦(神宮)。1勝2敗だったが、昨季の日本一チームを相手に健闘した。「すごかった」と仲間をねぎらいつつ、周囲からの称賛の声には違和感を覚えた。  
「あそこで、3試合勝ちきれるチームになっていかないといけないと思う。世間はそこで満足しているので、今のチームはそういう目でしか見られていないということ。いい試合したな、みたいな感じではダメ。勝てるチームになっていくためのステップアップの試合としては良かったと思いますけど、選手はもちろん、満足していないと思う」 

 さすが近藤ですね。このチームで一番勝ちたいと思っているのは近藤。そして本当の意味でのプロフェッショナルも近藤。彼が中心選手でいる間に、チームが少しでもいい方向に行くことを願うばかりです。

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