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天翔ける炎の槍

混迷の状況に入っている。
こういう状況の時はより自分の立ち位置をしっかりと持っている方が強くなっていく。
主義主張もなく、曖昧な意見を口にすれば簡単に崩される。
お前はどうなんだ?と問われるようになる。
それでも僕はどっちつかずの曖昧な場所に立っていたい。
こちら側だと手を挙げた瞬間にあちら側が生まれるから。

今までずっと曖昧だったことが曖昧ではなくなった。
戦略的曖昧さなんていうものが一つ消し飛んだ。
まだまだ世界中に戦略的曖昧さが存在している。
その一つ一つに白黒をつけ始めればそれが世界大戦になる。
グレーゾーンを白と黒に分けるのだから。

イランによるイスラエルへの直接攻撃というのは歴史的にみてもインパクトが大きすぎる大事件のはずなのに。
なぜイスラエルのガザ侵攻に反対している人たちは誰も声を上げないのだろう。
この強烈な違和感は何なのだろう。
僕はハマスのテロも、イスラエルのガザ侵攻も、領事館への爆撃も、イランの直接攻撃も全部反対だ。
それぞれの立場で声の大きさが変わるなら、そんなの嘘っぱちじゃないか。
今こそ、中東の混乱を全世界の人たちの声で止めるべきなのに。

空を飛ぶ数百の炎。
神話に出てくるかのような炎の槍。
迎撃していく、もう一つの炎。
いつか僕の夢に出てきた世界の終わりの風景にそっくりだった。
あの炎の中には人はいない。
ミサイルや迎撃ミサイルや、無人ドローンたち。
しかもあれは全力ではない。

想像力とはすごいものだと思う。
子供の頃にやったシューティングゲーム。
インベーダーゲームやギャラクシアン、ゼビウス、グラディウスにR-TYPE。
打ち壊したザコキャラたちは、ドローンとして現実化した。
スターウォーズの中だけだった無人攻撃機。
人が想像したものはいつか現実化できるのだ。
冷戦時代の創作をたくさん読めばわかる。
デビルマンでもナウシカでもAKIRAでも、世界の終わりを描いてる。
僕たちは世界の終わりを想像して、それが実現してほしくないと願った。

世界中の首脳たちがもう反撃をするなと声を上げている。
つまり今回の報復に対する反撃の可能性が極めて高いからだ。
国際的な攻撃停止条約を両国で即座に結べなければ言葉だけで止めることが続くし、それが有効であるとは思えない。
国連が有効に活躍できることを願う。

曖昧であることは弱いことになる。
決断が一歩遅れるからだ。
懐は深くても、一撃は免れない。
それでも僕は一方の立場に立ちたくない。
それがあまりにも今は危険なことのように思える。

遠き地の地域紛争に見えるかもしれないけれど。
世界の運命に直結するような危険な綱渡りだと僕は感じている。

投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。