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情報戦のど真ん中

雪か。
名残雪なのだろうか。
朝になるまでわからない。

どうやらアメリカの大統領選挙の予備選の結果、大方の予想通りバイデンとトランプの再選になるようだ。現職と前職。
前回は確かコロナ禍の特例の期日前投票が大きく影響したとかなんとかがあったけれど今回はどうなるのだろう。
まさかアメリカで?というような結末を迎えたけれど、またしても世界ががっかりするような何かが起きなければいいのだけれど。
良くも悪くも民主主義、アメリカ国民の選択に世界中が戦々恐々としている。2024年という年はやはり何が起きるかわからない年だ。

この予備選挙報道の中で思ったことがある。
僕たちは戦地から遠く離れているような気がするけれど。
現代において、実は戦中にあるのだということだ。
人間は進化して、どんどん距離を縮めてきた。
蒸気機関が船や列車を生み出し、飛行機が生まれ、今やインターネットがほぼリアルタイムで情報交換できるような時代になっている。
現代における戦争は情報戦が重要なカギを握ると何度も耳にしてきたけれど、その情報戦が実は世界中の全ての人を当事者にしているんだなと、感じてしまった。
だってわざわざロシアの報道官がアメリカの大統領選に対しての活動などしていないなんて発表するわけだから。
それぐらいリアリティのある話だってことだ。

自分たちの正当性を訴えるなどはまだ理解できる。
ただ様々な形で敵対者のネガティブキャンペーンを実行している。
そんなものは民心を揺さぶるだけぐらいなのかとも思っていたけれど全然そんなことはなくて、それが大なり小なり実際に世界中の国々の決定に様々な影響を及ぼしている。
たとえばそれが実際に影響を与えることが出来たのが1%程度の人数だとしても、日本なら100万人以上になるということだ。
100万人いれば国会に議員を送ることも出来るし、意図的なフェイク情報の拡散だって簡単にできてしまう。
バイデンさんもトランプさんも、かなりの数のネガティブキャンペーンをされていたけれど、なんだか恐ろしくなってしまったよ。
ウクライナのことも、ガザのことも同じで、99%の人が信じるわけがないようなニュースを1%の人に届け続けている。

無関心でいたとしても、恐らく影響がある。
場合によっては無関心になるように誘導している可能性だってある。
今は戦中で、僕たちは当事者なのだとはっきり思う。
EUの中でも民主主義が成熟している国であればあるほど、少数の意見も大事に取り扱うわけだから、その影響力から免れることができない。
陰謀論でも何でもなくて、当事国はどこもがそれをやっている。
まぁそれでも、両端を支持する記事がどちらも読めるならましなんだけどさ。
検閲がある国や、国を悪く書けば捕まっちゃう国じゃないからさ。
まぁ、だからこそ情報戦を仕掛けるのだろうけれど。

僕たちはその情報戦の戦地のど真ん中に立っている。
そして1%の誘導された人々も受け入れていくことで混乱は起きていく。
民主主義ならそんな人々も排除できない。
いつのまにか正常ではないバイアスに乗せられる可能性もある。
自分の意見だと思っているものが誘導されているものだとしたらぞっとするなぁ。
ものすごく雑なつくりの、低級なフェイクまで出回っている。
殆どの人がフェイクだと気付いたとしても、それで良いのだろう。

無意識に何かに加担しているんじゃないか。
そんな不安がよぎってくる。
自分の意見はほんとうに自分の意見なのだろうか。
そんな不安がよぎってくる。

今は戦中で。
僕たちは戦地に立っている。
あらゆる情報が機関銃のように乱雑に乱れ飛んでいる。
日本の国会議員まで陰謀論を口にするようになった。
それが世界中で起きている。

当事者だ。
目を瞑り、耳を塞いだとしても。
影響が出始めている。

世界最強のアメリカ。
民主主義の代表的権利である選挙は最強の国だけではなく、現代の世界の縮図になるんだろう。
今は充分にアンテナを張っておくべきだ。
バケモノのようなあいつがそこに立っているから。

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