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【#オノノノート Vol.131】皆、知らないことを知りたいだけ

幡野広志さんという写真家の方が書いているコラムが好きで、たまに読んでいる。今日読んだコラムが面白くて勉強になったので、そのことについて書き留めておきたい。


「なんで僕に聞くんだろう。」という幡野さんのコラムは、全国各地から寄せられる質問や相談に対して、幡野さんが回答やアドバイスをしていくという形式を取っている。

今回のコラムの相談者は19歳の男性で、相談内容を端的にまとめると、こんな感じ。

容姿も良く、人付き合いも上手くやってきた。料理やギター、歌にファッションと何でも努力を惜しまずに取り組んできたのに、女性にモテない。どうしたら良いのか。人付き合いは難しい...

料理にギター、歌も歌えて、ファッションにも長けている。おまけに容姿も良いとなれば、さぞモテモテなんだろうと思うが、そうではない様子。なかなかに人生ってのは難しいものなんだと僕が痛感させられている...


これに対して、幡野さんは自身の見解を述べていく。詳しい内容は是非とも記事を読んで頂きたいのだが、「なるほど」と思った内容があったので、そこだけ紹介させてください(それ以外にも面白い部分があったので、ぜひリンクから飛んで読んでみてください)。

僕が感銘を受けたのは、この部分。

ぼくは27歳ぐらいときに狩猟の世界に入ったんだけど、狩猟の部族の人には狩猟の話はあまりせずに、写真の話をしたの。逆に写真の部族の人にはあまり写真の話をせずに狩猟の話をしたの。
そうすると相手にとっては知らない世界の話だから、めちゃくちゃモテるのよ。どっちの部族もおじさんばっかりなんだけど。狩猟の部族で鉄砲の話したって写真の部族でカメラの話をしたってモテないの。下手をしたらつまらない会話なの。
ぼくは病気の部族にいたりもするけど、病気の部族で薬の話はあまりしないの。医者や看護師とは最近食べたおいしいものの話とか、会った人の話やいった場所の話とかするの。逆に病気とは縁遠い部族の人にはちょっとだけ病気の話をしたりするの。

さらに幡野さんはこう続けた。

人は知らないことを知ったときにおもしろいって感じるんだよ。

なるほど!!

自分が知らない世界の話を聞いたときに「面白い!」「もっと聞きたい!」と感じていたのはこういう原理だったのか。自分では上手く言葉にできなかった感情の原理を見事に言葉にして説明してくれている...ありがとう、幡野さん。ありがとう、悩みを抱えながら相談を送った19歳の少年。おかげでまた自分の心の中が整理された気がする。

やっぱり知らないことを知って、それを世の中に伝えるっていうおもしろい仕事がしたいんだなあ。もう何日もそう思ってるよ、わたくし。腹の底ではわかってるんだけどね。なかなか動き出せないんだわな、これが。

でも、頑張ろうかね。そう思ったよ。


2020/09/28

オノ ダイスケ

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