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ギターを弾くこころ -あがりの克服-

あがり症を克服したーい。

わたしはとてもあがり症で、

発表会や演奏会のたびに、

ひどくあがってしまいます。

仕事上でも営業で、

大勢の人の前でプレゼンをする機会も多くあり、

常々あがりと戦ってきました。

いろいろ試した中で、

割と効果的だったものを紹介したいと思います。

なぜあがるのか

最初に、なぜあがるのか、という根本的な理由を解明出来たら

あがらなくて済むのではと考えました。

あがる理由

  • 練習不足

  • 曲を理解していない

  • 手汗で弦がひっかかる

  • 指が動かない

  • 楽器の調子が悪い気がする

  • 見栄、自分をよく見られたい

あがる理由が分かれば、

対策が取れます。

例えば、手汗について、

ワセリンを指先につける、

演奏前に鼻をさわって指先に油をつける

で対策できます。

指が動かないのは、マッサージで治るかもしれません。

練習不足や曲の理解については、

ステージにあがってからはどうしようもありませんが、

普段から意識して練習すれば対策できます。

楽器の調子が悪いと思うのは、

多分気のせいです。

自分をよく見られたいは、確かにそうですが、

大丈夫です、誰もわたしのことを名演奏家だとは思っていません。

原因が分かれば、対策は取っていけますが、

まあ、正直これくらいではあがりは解消されません。

あがる原因は、

こういった対処療法だけでは解決できなさそうです。

インナーゲーム

ティモシー・ガルウェイ著の

「インナーテニス」

という本から、バリー・グリーンが音楽演奏家用に約3年間研究し、

まとめた「インナーゲーム・オブ・ミュージック」の日本語訳、

「こころのレッスン」という本があります。

インナーゲームの考え方は、

あがりに対してとても効果があると思います。

この本によると、演奏におけるパフォーマンスは

パフォーマンス(P)=潜在能力(p)ー妨害(i)

という式で表されます。

妨害とは、

自分の生来の能力を妨害する精神状態です。

それは、不安、失敗することの恐怖、

そこからくるストレス、筋肉の緊張などです。

すなわち、この式は「妨害」が少なくなれば、

自分の潜在能力の100%を出すことができる、

ということを表しています。

「こころのレッスン」には、

「妨害」の処理の仕方、

潜在能力を発揮するための様々な手法が書かれています。

約17年前の本ですが、

久しぶりに読んでも面白かったですし、

内容はまったく色あせていません。

持っているもの以上の成果はでない

ステージにあがると、なぜか自分の

最高のパフォーマンス以上のことを、

自分に求めてしまいがちです。

しかし、当たり前ですが、

自分が持っているもの以上の成果がでることはないのです。

「自分のできるレベルをはっきり認識しておく」

わたしの印象としては、

深層心理的に自分の実力を、

幾分過大評価してしまっている人が多いように感じています。

御多分に洩れず、わたしもそうですが。

±0で、客観的に自分の力、

能力を忖度なしに把握しておくとよいでしょう。

うまくできなくても、それが当たり前で、

そんなもんだと分かっていれば、緊張する理由にはなりません。

練習で獲得した成果以上の演奏や、

検討してきたこと以上のパフォーマンスを発揮することは、

実際の本番では起こり得ないのです。

逆にいえば、

自分が持っているものがただ出てくるだけなのです。

頭の中で、うまくできなかったらどうしようとか、

失敗したら恥ずかしいとか、考える必要はまったくありません。

せいぜい自分の持っているものが

100%でるか、70%でるかの違いです。

その30%の差は、

他人からみたら大して違わない可能性すらあり得ます。

自分が悩んでいることなど、

せいぜいそのくらいのことなのです。

それでも、もちろん実力の100%を

出せるにこしたことはありません。

それを踏まえて、

わたしたちが挑戦すべきことは、

自分の持っているものをできるだけ

100%出すにはどうすればよいのか、

ということを考えて実践することなのです。

集中とリラックス

自分の持っている実力を、

たとえ他人からしたら大した違いがない

可能性があるとはいえ、できれば100%出したいものです。

では、自分の持っているものを100%出すためには、

どうしたらいいでしょうか。

方法として、自分の意識を「今」に集中すること、

身体をリラックスさせることはとても効果的です。

なにより、「今」に集中することが大切です。

  • 「過去」の練習不足

  • 「未来」に下される評価

これらは、「今」演奏するときに大切なことでしょうか。

自分の中の考えや意識といったものが、

あちこちにいってしまうと、人は「今」に集中できなくなります。

例えば、演奏前に今日の晩御飯のことを考えてみたとします。

そうすると、演奏に対する意識は50%か、

それ以下になってしまうでしょう。

もしその状態で演奏したら、

果たして良いパフォーマンスができるでしょうか。

そうではなく、

演奏する曲のイメージ、最初の音のイメージを持って、

今まさに弾こうとしている。

そういう状態であれば、

自分の100%の実力を発揮して、

良い演奏ができるでしょう。

いざ本番というときに、

余計なことを考える必要はないのです。

大切なのは「今」なのです。

「今」に集中すること。

これが、最も重要なことなのです。

「今」に集中するには、どうしたらよいでしょうか。

「今」に集中する方法として、瞑想はとても効果的です。

まず呼吸に集中します。

(全く瞑想をしたことがない人は、

とりあえず吐く息のみに集中しましょう)

そうすると、どこか上の空になって、まったく

別のことを考えてしまっている自分を

「今」に引き戻すことができます。

合わせて、各筋肉の緊張と弛緩を繰り返して、

身体も徐々にリラックスさせていくと、

身体が演奏する準備が同時にできるので、

さらに効果的になります。

演奏前であれば、瞑想用にリラクゼーション•テープを

あらかじめ録音して作っておき、

演奏30分前イヤホンで聞きながら、リラックスしていくと

簡単にその状態に持っていくことができます。

テープに吹き込む内容は、例えば、

息を吸って…吐いて…

ふくらはぎに力を入れます…

ゆっくり緩めます…

※順に脚、腰、お腹、胸、頭、首でも同じように…

深呼吸して…リラックスします…

音楽を演奏しているイメージをしましよう…

息を吸って…吐いて…

このような感じの録音テープを

前もって作っておき、

本番前にこれを聞くことによって、

演奏前の精神的・身体的準備をするのです。

リラクゼーション•テープの詳細については、

「こころのレッスン」に詳しく記載があります。

終わりに

以上のことで、

かなり緊張から解放されるようになります。

「手汗をかいてしまう」などのように、

毎回そうなることが分かりきった、

緊張を生んでしまう可能性があるものは、

あらかじめ対策を講じておくなどして、

余計な緊張が起きる可能性を減らしておくのも必要でしょう。

最終的に大切なことは、

自分は演奏する準備ができていて、

弾くことができる状態にあると信じることです。

自分の中にあるものしか、

パフォーマンスできません。

それは、楽器演奏以外の場所、

スポーツや、大勢の人の前で話をするときにも同様です。

わたしは営業マンでしたが、

集中していない時、準備が不足していた時、

やはり緊張して失敗したことがたびたびありました。

「自分の持っているもの以上の成果はでない」

ということをはっきり認識する。

それがちゃんと分かっていれば、

事前の準備に余念がなくなります。

あとは「自分の潜在能力」が100%でるように、

自分を信じて「今」に集中する。

それができたなら、

自分を悩ませていた

余計な緊張などは、どこか遠くへ追いやってしまって、

自分の思い描いた通りの成果をつかみとることが、

きっとできるようになるでしょう。

大切な時に緊張してしまうこと

がないようにしたいものですね。

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