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右手の爪 -クラシックギタリストは今日も爪をけずる-

クラシックギターを弾くのも楽じゃないっ!

ギターを弾こうが弾くまいが、

右手の爪を整えてしまう。

それがクラシックギタリストなのだっ!

爪けずり

クラシックギターを弾くうえでかかせない右手の爪。

単に伸ばしておけばいいというわけじゃない。

爪の形によって、弾き方や音色にダイレクトに影響が出てしまうのだ。

クラシックギタリストにとって、爪けずりは重要な問題。

その爪けずり技術はもはや、

「串うち3年裂き8年焼き一生」

のうなぎ職人のよう。

爪けずりをマスターするためには、長い時間をかけて修行する必要があるのだ。

そして、そこまでして身につけた爪けずりは、そうそう気軽にできるものではなくなってしまう。

いざ爪をけずろうと思うと、めちゃくちゃ集中力が必要になるからだ。

親指、人差し指、中指、薬指と4本の爪をけずることになるので、時間もかなりかかる。

素人目には、簡単にけずっているようにみえる爪けずり。

否、爪をけずることは、

クラシックギタリストにとってすさまじく大変なことなのである。

やっとの思いでけずられた爪の美しさはまさに珠玉の一品。

職人芸の極み、業物の輝きを放っているだろう。

こうして爪をけずり終え輝く爪を見た時、熟練のクラシックギタリストはこう思うだろう。

やりきった、と。

もはやギターを弾く必要などない。

爪をけずり終えた時点でギターは弾いたも同然なのだ。

それがクラシックギタリストなのだ。

現代の爪のトレンド

爪の形には時代によってトレンドがある。

現代はテクニカル志向。

音色の深さや多彩さよりも、立ち上がりが早く、弦離れのいい爪の形。

昔は指頭の形に合わせて山型の爪に整えていた。

しかし、最近は丸みが少ない、上部が平らでシャープな爪が主流。

また、つけ爪、スカルプチュア(ネイルアートで人工爪を作る)という新しい形も最近の傾向。

こういったつけ爪、スカルプチュアはいつでもある程度同じ品質が保てるため、

安定的な音色を出すということに向いている。

終わりに

爪けずるのめんどくさーい。

爪は一日に0.1㎜伸びるそうで。

10日で1㎜も伸びる。

だいたいギターを弾くうえで、爪の長さの許容量は2㎜くらいまでなので、

15日(1.5mm)に一回爪をけずると考えると、月に2回けずらなくてはいけない。

月に2回ほどしかギターに触らないクラシックギタリストもかなりの数いると思うが、そういう人たちはまさに爪をけずっただけで体力を消耗し、ほとんど演奏せずにギターをしまっていることだろう。

クラシックギタリストにとって爪けずりは、ある意味技術の見せどころでもあるが、そんなこと以上に果てしなく面倒な作業なのである。

今私はこのブログを書いているが、伸びた爪でPCのキーボードをぽちぽちしながら、あぁそろそろ爪けずんなきゃなーと思っている。

大して弾くわけではないが、全くないと困る右手の爪。

誰かこれの解決法を教えてくれー。

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