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ギターを弾くからだ -見えない身体構造を理解する-

今日もヒマだな。

ギターを、少し弾いている。大学の時からやっているが、あまり上手くない。ジャンルはクラシックだ。

クラシックギターの弾くときの姿勢は独特だ。

左足を足台で高くし、そこにギターの丸みの部分を乗せてかまえる。あまりカッコよくないが、左手が動きやすいとか、弦を弾く右手の角度がいいとか、なんかあるんだろう。まあ複雑だ。

なので体の構造が分かったら、ちょっと弾きやすくなるかもしれないと思って少し調べてみた。

みなさん例えば、腕の関節はいくつあるか正しく知っているだろうか?

また、脊椎は呼吸で伸び縮みするのだが、吸うときと吐くときで、どちらがのびるか知っているだろうか?

自分の身体がどういう構造で、どういう動きができるのか。

知ってた方が、うまく演奏できそうじゃない?

ボディマッピング

「音楽家なら誰でも知っておきたい体のこと アレクサンダー・テクニークとボディマッピング」

バーバラ・コナブル著より

ほとんどこの本から知り得た知識で進めていくが、読んだのもかなり昔だし、内容の半分は図解で文章から引用するのが難しかったので、内容をきちんと知りたい人は購入しよう!

ボディマッピング、という言葉がある。

直訳すると、「身体の地図を作る」。(あってる?)

自分の身体のことは、分かってるよっ!という声が、聞こえてきそうだ。

しかし、筋肉や骨、神経について、どういう風に繋がっているか本当にわかっている人は多分少ないだろう。

身体の構造は、皮膚の下に隠れており、およそ正しく理解しているとは言いがたい。

よってここでは、正しい身体の構造を理解し、意識付けすることを、ボディマッピングと呼ぶ。(本と少し意味合いが違うかもしれないので注意)

ギターが弾きにくいとか、うまく弾けないといった原因に、体の構造が分かっていない可能性がある。

体の構造を正しく理解すれば、少なくとも身体的には弾きやすくなるというわけだ。

もちろん、普段の練習が一番大事だとは思うが。

ボディマッピングの中から、ギターに関係しそうな部位だけ、簡単に説明する。

首は、最も大事なところだ。

これは、どんな楽器を演奏する場合でも当てはまる。

なぜなら演奏は、頭の中になる音楽のイメージを指に伝えて弾くわけで、それは神経を通って頭から指に伝えられる。

身体を動かす神経は、すべて首を通っていくので、ここが硬くなってしまうと全部悪くなってしまう。

首は、頸椎の上にバランスよく乗せて自由で柔らかくある必要がある。

首が、自然と頭に乗る位置を調べておくといいだろう。

ちなみに、頭の中心って分かるだろうか?

左右は分かる。(正確にはほとんどの人は、少し斜めになっている可能性が高い)

前後はどうだろう?頭蓋骨の前後のちょうど半分は、だいたい耳の穴とあごの付け根のあいだあたりが半分ラインだ。

左右のバランスをとってから、前後は耳の穴あたりを意識してバランスをとると取りやすい。

AO関節という首の関節があり、そこをマッピングし、意識できるようになると一番いいだろう。

AO関節は、首と頸椎の間にある関節で、首を動かさず頭だけを前後に動かすときに動く関節だ。

演奏前は、首は軽く回したり、上を見たり下を見たりしてストレッチしておくと余計な力が抜けていいだろう。

頭ののせ方は、頸椎の中心というよりは少し前を意識した方がよさそうだ。

なぜなら、頸椎の後ろ側は神経が通るところで、前側が頭を支えるのに適していると考えられるからだ。

だからといって、頭の重さを感じるくらい前に倒すのはNG。少し前かなって感じ、首の後ろが楽になればOK。

脊椎

脊椎は、カーブしている。もちろん、左右じゃない、前後にだ。

胸郭(胸、肋骨あたり)あたりでは、後ろに膨らんでいる。

腰椎部あたりでは、前に膨らんでいる。

姿勢を正しくしようとして、胸を張って背中をまっすぐにするのは、あまりよくない。

背中の筋肉が締め付けられてしまうし、また頸椎と同様に、神経が脊椎の後ろ側を通っているため、背中をまっすぐにしてしまうと、神経を圧迫することになってしまう。

背中には、プレッシャーをかけないようにする。だからといって、体の前面にプレッシャーをかけてはいけない。

背中は、少し丸くなっているのが正常だ。

脊椎の下の部分、腰椎は5つあり仙骨の上に並んでいる。

腰椎は、胴体を支えるために大きく太い骨だ。

ここでも頭と同じ理由で、体重を腰椎に乗せるとき体重を少し前に移した方がいいだろう。

座った時に座骨が椅子と接する箇所に、まっすぐ胴体をのせていけば、腰椎の前側にちょうど体重がのる感じになる。

最初に書いたが、脊椎は呼吸で伸び縮みする。

息を吸う時と吐くときで、

どちらがのびるか分かっただろうか?

答えは、息を吐くとき。息を吐くときに、脊椎は伸びる。逆に息を吸う時は、脊椎はまとまる。

逆にとらえてしまうと、体がうまく動かなくなるかもしれない。

正しくマッピングして、呼吸で脊椎の伸び縮みを意識できるようになるといいだろう。

腕は、ギターと直接的に触れる部位でよく理解する必要がある。

腕の関節はいくつあるか知っているだろうか?

腕の関節は、肩、ひじ、手首の3つと思いがちだが、実は4つある。

最初は、胸鎖関節で肋骨とつながっている。

つまり鎖骨は腕の一部で、鎖骨の始まりから腕なのだ。そして肩、ひじ、手首となる。

(背中側では肩で肩甲骨もつながっている)

腕の第1関節(胸鎖関節)を意識するのに、演奏前にギターを抱きかかえるのもいいかもしれない。

抱きかかえる動作は、胸鎖関節を使うからだ。

腕の本当の長さと大きさをしっていれば、もっと優雅に大きく演奏できるかもしれない。

次は、ひじから先について。

ひじから先、前腕は尺骨、橈骨(とうこつ)とよばれる2つの骨で構成されている。

尺骨は小指側、橈骨は親指側だ。手のひらを上に向けた状態では、2つの骨は並行で、手のひらを下に向けると交差する。

ここでためしに、手のひらを上に向けたり下に向けたりしてみて欲しい。

親指側が大きく動いて回転しているのが分かるだろうか?

つまり、橈骨側が回転して交差していて、尺骨側が軸になっているという事だ。

このことは、指の軸は小指(尺骨側)である、と言うことを示している。

また、手のひらを上に向けた時に、指の付け根の関節はどこにあるかわかるか?と聞かれたら、

「手のひらの上、指の付け根のしわのところ」と答えてしまわないだろうか?

指の付け根の関節は、こぶしのところだから、手のひらを開くと、付け根の関節は手のひらの中にある。

手を開いた時の手のひら上のしわの位置は、指の第2関節と第3関節のちょうど中間くらいになる。

指を短く認識していると、指を痛めたり、間違った弾き方をしてしまう恐れがあるから、正しくマッピングし、指の長さを認識しよう。

腕の神経について、神経は鎖骨の下と1番上の肋骨の間を通り、わきの下を通って指にいく。

鎖骨の下からわきをやさしくマッサージするのは、指を思い通りに動かすために効果があるかもしれない。

少なくとも、わきを締めて圧迫しないことだ。

クラシックギターに、脚自体はあまり関係ないが、脚は骨盤の側面の股関節で骨盤につながっていることを知っておいてもいいだろう。

腕も脚も、胴体の側面でつながっているのだ。なので座っているとき、体重はすべて座骨にかかっていて、座骨より上の股関節で側面でつながっている脚には、まったく体重がかからないということになる。

しかしながら、ギターのために左足を足台に乗せて座るとき、体重のバランスと体の重心コントロールを複雑にさせる。

できれば、ギターレストなどでギターをサポートした方が、圧倒的にコントロールしやすくなるだろう。

私はまだ持っていないが、福田新一さん、沖仁さんもお勧めしているギターリフトがよさそうだ⤵︎

なにより、私がファンのステファニー・ジョーンズさんがオススメしている😍

終わりに

以上、クラシックギターを演奏する上で関係のありそうなところだけを抜き出して簡単に説明してみた。

ギター演奏も、体を使った運動だ。スポーツ選手と身体の使い方は違うが、

ギター演奏は指先という体の端末をより繊細で正確に、時には凄まじい速度で運動させ、それをコントロールする必要がある。

よりよく自由に演奏するためには、体の構造を理解しておく必要があるだろう。

もし自分のボディマッピングが間違っていたら、けがの原因になったり、上達を阻んだり、または本番でパフォーマンスを発揮できなかったりするかもしれない。

音楽を自由に表現できるようになるためにも、体の構造をよく理解することは大切だと思う。

自分の体をよく理解して、ギターを練習しよう!

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