『ガリガリ君』は食べると”シャリシャリ”するのになぜ『シャリシャリ君』ではないのか?
暑い。
コンビニに走り『ガリガリ君』を買う。
かじりつくと、シャリシャリという音がする。
そう、”ガリガリ”ではなく”シャリシャリ”だ。
赤城乳業(ガリガリ君の製造元)のウェブサイトにアクセスし、商品説明を確認する。
どうやら、『ガリガリ君』は”かき氷”でできているらしい。
かき氷にふさわしいオノマトペ(擬音語、擬態語のこと。サクサク、もっちりなど)といえば、”シャリシャリ”である。
断じて、”ガリガリ”ではない。
👇”シャリシャリ”という表現の例
赤城乳業のツイッター公式アカウントでは、『ガリガリ君』が氷の粒でできていることが書かれている。
『氷の塊』なら、ガリガリという音がするだろう。
しかし、『氷の粒』なら、シャリシャリがふさわしいと思う。
というわけで、今回のお題。
この記事について⬇️⬇️
❶社員の意図は?
『ガリガリ君』という名前をつけたのは、赤城乳業の社員であろう。
どういう意図でつけたのだろうか。
『日本ネーミング大賞』というサイトに、由来が載っていた。
名前に『君』がついたエピソードが語られており、興味深い。
しかし、いま大事なのはそこではなく、
の部分である。
スタッフは、氷をかじった時の擬音(オノマトペ)を「ガリガリ」と認識していた、という点に注目したい。
疑問に思うことがある。
ほんとに、「ガリガリ」って音がしたのかな?=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)
私は違うと思う。
スタッフの間に”何か”があり、『ガリガリ』が採用されたのだ。
その何かを解明したい。
❶濁音の効果
謎を解いていこう。
次の文のカッコに「ぺたり」か「べたり」を入れていただきたい。
多くの方が、
にしたと思う。
⬇️「切手をぺたり」の例
では、次の文はどうだろうか。
(「ぺたり」か「べたり」を入れてください)
ここでは、
にしたのではないだろうか。
なぜこのように使い分けるのか・・・・・・?
理由は、単純。
オノマトペに濁音がつくと、嫌な感じがするからだ。
他にも、料理をする際、小麦粉などが溶けきらず塊になってしまうことを、「だまになる」という。
「玉」ではなく「だま」。
塊になるのは、歓迎されないこと(≒嫌な感じ)だからだ。
👇「だま」の使用例
このように、濁音がつくことで嫌な感じ(マイナスイメージ)がつくことを濁音減価という。
❷濁音は本当に嫌なヤツ?
と思う人がいるかもしれない。
そんな人に強く主張したいことがある。
以下、2つセットの例文を見比べ、濁音減価が起きているか(濁音の方に、嫌な感じがするか)を考えてほしい。
特に「嫌な感じ」はしないはずだ。
それより、力強さを感じる。
実は、濁音がつくと「嫌な感じ」がする場合もあるが「力強さ」が追加されることもあるのだ。
さらに、「力強さ」だけでなく、「大きさ」「重さ」の要素も加わる。
(👇トントン叩く太鼓)
(👇ドンドン叩く太鼓)
繰り返すが、濁音がつくと「力強さ」「大きさ」「重さ」の要素が加わる。
❸漫画のタイトル
ところで、男児という生き物は「強いもの」を好む傾向がある。
外出したら、『木の棒』を装備し、常に”何か”と戦っている。
↓実例
男児は少年へ、そして青年へ成長していく。
その過程で「強さへの憧れ」が失われることはない。
だから「力強さ」をもたらす濁点が大好きだ。
その証拠に、人気漫画(中でも、バトルものスポーツもの)には濁音がついていることが多い。
以下、人気作を列挙してみよう。
『ドラゴンボール』
『スラムダンク』
『キングダム』
『バキ』
『ベルセルク』
『ダイの大冒険』
『BLEACH』
『ボボボーボ・ボーボボ』
(これは違うか?😅)
濁音が使われている人気作品が多いのである。
と思った人もいるかもしれない。
(Amazonで検索したら、電子書籍版もあってびっくりしました。コロコロといえば、「あの物理的な分厚さ」がウリだと思うのですが・・・・・・😅)
その考えは正しい。
が、私は、
『コミックボンボン』派
だったので、そんなことは知らぬ。
(↑どんな理屈なんや)
❹漫画のタイトルだけじゃない!!
男児はゲームも好きだ。
ゲームからも、濁音と強さの関係がわかる。
まずは、ドラゴンクエスト。
ドラクエの呪文(キャラクターが使う魔法)は、強力なものになると濁音がつく。
男児たちは、キャラクターが「メラゾーマ」を覚えたとき、
と無意識に興奮していたに違いない。
次は、ファイナルファンタジー。
こちらも魔法が強化されると、濁音がつくようになる。
これらのゲームは、少年たちのオトコゴコロをがっちりと掴んだ。(女性ファンもたくさんいるが)
その理由の一つに、「強そうな名前の呪文・魔法」があったと言えるのではないだろうか。
何かに名前をつけるとき、「強さ」を出したいなら濁音をうまく利用すると効果的なのだ。
❺結論『ガリガリ君』が『シャリシャリ君』ではない理由
『ガリガリ君』の商品コンセプトは「遊びに夢中の子供が片手で食べられるかき氷」である。
つまり、メインターゲットは、子供なのだ。
その事実と、今までの考察を踏まえ、なぜ『ガリガリ君』という名前になったのか――当時の様子を想像したい。
【注意】
想像ですので、当然フィクションです。
大事な新商品の名前である。
簡単には決められない。
専務は突然、立ち上がる。
こんなやりとりがあったに違いない。
かくして、『ガリガリ君』のネーミング(マーケティングの一部)は見事成功し、40年以上愛される人気商品となったのだ。
(ガリガリ君は1981年に発売)
というわけで、答え。
赤城乳業さん、実際のところはどうでしょうか?😅
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