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【大川優介が語る】自己表現としてのVlog発信を仕事にする方法

この記事は、2020年1月に取材した記事をnoteに移行したものです。

「好きなことで、生きていく」

こんなキャッチコピーが日本に流れたのは、今から約6年前。

2020年になったいま、自分のライフスタイルや好きなことを「Vlog」で発信し、仕事にしていきたいという人も多いのではないでしょうか?

恐らくこの記事を読んでいるあなたは、頭の片隅に「Vlog発信を仕事にできればなー」という思いが少なからずあるはずです。

でも、実際のところ、「何から始めたらいいか分からない」「Vlogを発信しているけど、全然見てもらえない」などの悩みを抱え、自分がVlog発信を仕事にしているイメージが湧かない人も多いことでしょう。

そこで今回は、実際にVlog発信を仕事にしている映像クリエイターの大川優介さんに、「好きなことをVlogで発信し、仕事にする方法」について、聞いてきました!

大川優介(Yusuke Okawa)/   映像クリエイター・起業家・経営者
原点は自己表現。趣味であるサーフィンを動画撮影し、SNSで発信していたことをきっかけに映像の世界に心を奪われる。2018年4月に株式会社TranSeを創業。自身がオーナーを務める動画コミュニティTranSe Salonでは約1400名の方が参加しており、多岐に渡って活躍している。

なぜ、Vlogが見られないのか?

ーー本日は、お時間頂きありがとうございます!こちらチーズタルト買ってきたので、よければ食べてください。

大川さんが甘党という情報は、事前に入手済み。

【大川】:うわっ!ありがとうございます!頂きます!

速攻でかぶり付く、大川さん。

ーー今回、大川さんにお伺いしたい話のテーマは、「自己表現としてのVlogを仕事に繋げる方法」です。

【大川】:OKです!ドンドン質問してください。(モグモグ・・・)

ーーでは、イキナリ切り込んだ質問なのですが、世の中には、2つのVlogがあると思っていて、他人に「見られるVlog」と「見られないVlog」です。大川さんのVlogは、「見られるVlog」だと思うのですが、この2つには、どんな違いがあると思いますか?

【大川】:うーん、一番は、「魅力があるかないか」じゃないですかね。

 ーー「魅力」ですか。具体的にいうと、どんなものですか?

 【大川】:例えば、発信者自身の人柄に魅力があるか、見ていて興味が湧く日常を送っているか、ですね。厳しい言い方かもしれませんが、普通すぎる日常をそのまま表現しても、興味が湧かないのでなかなか見てもらえません。

 ーーでは、どうしたら、「魅力」を身に着けることができるのでしょうか?

 【大川】それは、”好きなことを、とことん追求していく”ことじゃないですかね。なんか好きなことを追求してる人って、カッコいいじゃないですか。

”究極の自己満”を突き詰めればいい

 ーー確かに、好きなこと追求している人はカッコいいですね。でも、好きなことを追求するのって、ある意味「自己満」だと思うのですが、それをVlogで発信していて、見てもらえるのでしょうか?

【大川】:まず、前提として、何を目指すかによっても変わってくると思いますが、もしも、Vlogの発信を仕事にしていきたいのであれば、「究極の自己満を突き詰めるべき」だと思います。

 ーー究極の自己満?

【大川】:僕は、好きなことを徹底的に追求して、追求して、追求しまくった先に、「良いコンテンツ(見られるコンテンツ)」は生まれると思ってます。これって、”誰に言われたから”とかではなく、完全に自己満で。でも、究極的に突き詰めると、結果的に魅力が滲みでてきて、見てもらえるようになるんですよ。

 ーー「自己満の水準(レベル)をあげる」みたいな感じですかね?

【大川】:ですね。例えばですけど、好きなこと追求して、それで100万円の収入を得たら、その100万円をまた好きなことに費やすくらいのコミットができれば、良いものは絶対にできると思います。

Vlogはアート。ロジカルで考えても世界観は創れない

 ーーいまの話で、「自己満」というキーワードが出てきましたが、大川さんはVlogを発信する際に、ユーザーのことを考えてコンテンツをつくっていますか?

 【大川】:チュートリアル動画ではしていますが、Vlogに関しては、基本的に視聴者のことは考えませんね。

ーーそうなんですね・・・!もし、Vlog発信を仕事にしたいという場合、ユーザー目線でコンテンツを作ることは、必要だと思いますか?

 【大川】:うーん、いらないんじゃないですかね。個人的にVlogは「アート」だと思っていて、ロジカルに考えても、人を惹きつける「世界観」は創れないんですよ。

ーーなるほど、ロジカル思考の僕からすると耳が痛い話です(笑)では、あまり考えすぎず、Vlogを撮っていけばいいんですかね?

 【大川】:そうですね、根本的な部分は何も考えず撮ればいいと思います。もちろん技術面は、サイエンス的な視点で考える必要はありますが、世界観に関しては本当にアート。アートって、別に説明するものじゃないんで自由にやればいいと思います。

フォロワー数に価値はない。大事なのは”専門性”

 ーー「Vlogを発信して、フォロワー(チャンネル登録者数)がなかなか増えない」という人もけっこう多いと思うのですが、どうやったらフォロワーを増やすことができますか?

 【大川】:そもそもなんですが、フォロワー数とかチャンネル登録者数って、そこまで気にする必要はないと思うんですよね。

 ーーというと?

 【大川】:今の時代、ビュー数やフォロワーを伸ばそうと思えば、いくらでも伸ばせるんですよ。でも、本質はそこじゃない。大事なのは、どれだけ自分が求めている層に、アプローチできているかなんです。

 ーー要するに、コアなフォロワーを獲得すべきということですか?

 【大川】:そうです!

 ーーでは、どうすればコアなフォロワーを獲得することができますか?

 【大川】:「専門性」を磨くことです!

 

取材日当日に買ったフィルムカメラに夢中な大川さん。

【大川】:自分で言うのもアレですが、TranSe Salonが良い例かもしれません。僕って世の中に「認知」はされてないんですよ。でも、動画という「専門性」があるからこそ、オンラインサロンも1,400人という人数を集まってます。

 ーー確かに、大川さんのフォロワーに対しての比率でみると、かなり多いですよね。

 【大川】:100万人のフォロワーを抱えてビュー数を稼ぐのもいいんですけど、見られなくてもいいから、専門性をとことん磨いて、コアなフォロワー1,000人獲得できれば、それで十分だと思うんですよね。特にこれからの時代は。

タルト食べながら、核心的なことを言う大川さん。

 ーーでは、その専門性を磨くには、どうしたらいいですか?

【大川】:繰り返しになりますが、やっぱり”好きなことを、とことん追求する”ことです!言い方を変えると、好きじゃなきゃ、専門性を”極める”ことなんてできません。 

ーーおっしゃる通りすぎて、グーの音も出ませんね(笑)意外と多くの人が「自分は、この専門性を上げるんだ!」って、何もやってないのに決めてそうです。好きじゃなきゃ、人並み外れた専門性は生まれないんですね・・・。 

Vlog憲法第一条「継続しろ」

ーー今までのお話を一旦整理すると、”Vlogの発信で大事なのは、好きなことをとことん突き詰めて、専門性を磨き、コアな視聴者を獲得していく。こんな感じですかね。他に大事なことってありますか?

 【大川】:まあ、言わずもがなですが、「継続」は大事です。特にVlogger(YouTuber)にとっては、鉄則「Vlog憲法第一条=継続しろ」ですね(笑)

Vlog憲法ができた歴史的瞬間。

 ーーVlog憲法第一条!(笑)でも、たしかに大事ですよね。 

【大川】:Vlogに限らず、継続ができない人は、”絶対”に成功しないです。

ーーなるほど。じゃあ、どうやったらVlogを継続して発信できますかね?

 【大川】:それは、好きなことを発信することです。てか、じゃないと絶対に続きません。「好き=継続」ですから。

 ーー「好き=継続」!全てはやっぱり、「好きなこと」に繋がってくるんですね。 

「体験」に繋がることジャンルは、今後伸びていく

ーーいやー、ありがとうございます。だいぶお腹いっぱいなのですが、最後に、これからVlog発信をしていきたい人に向けてヒントになるようなお話を聞きたいです!ズバリ、今後伸びそうなVlogジャンルはなんでしょう?

【大川】:うーん、なんだろう?難しいですね。でも、やっぱ、「体験」に繋がるジャンルの動画は、今後伸びていくんじゃないですかね?

ちょっと、疲れてきた大川さん。早く終わらせよう。

ーー「体験」ですか。それは、どういうことでしょうか? 

【大川】:これから今よりもテクノロジーが発達して、非生産的な活動は全て自動化されると、働く人が減っていきます。そうなると、人に時間が生まれるので「娯楽」が必要になってくるんですよね。

 ーー例えば、「旅」とか「スポーツ」ですかね?

【大川】:そうですね。そのような「体験」を促せるジャンルをVlogで発信するのは良さそうです。多くの人に見られなくても、コアなファンはできると思いますね! 

ーーなるほど、ありがとうございます!

では、最後の最後に1つだけ質問があります!大川さんにとって、「Vlog」を一言で表すとなんですか?

【大川】:「人生の記録」ですね!おじいちゃんになっても、Vlogは発信していたい!笑

取材の間にチーズタルト4つ全部食べきった(笑)

今回の取材を通して、「好きなことを追求できるかどうか?」が、Vlog発信を成功に導けるかの境目なのだと強く感じました。

筆者が大川さんに出会ったのは、今から約1年前。そこから大川さんの行動と活躍を見てきたからこそ、言葉の重みがあり、鳥肌が立ちました。

正直、まだまだ聞きたいことは山ほどありましたが、この記事では収まり切らないので、また別の機会に聞こうと思います。

それでは、この記事が、職業としてのVloggerを目指す人の一助になることを願ってます。何回でも読み直してくださいね!

<聞き手:Shinya Noda シン(Vlog Magazine編集長)>

ありがとうございました。
(左)編集長 / 大川優介(右)

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