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さるのこしかけ

さくらももこ 1992年

・あらすじ
ベートーベン「運命」のメロディとともに肛門を襲った強烈な痔を完治させた、驚きのドクダミ療法。台風直撃、さらに食中毒にも直撃された台湾旅行。そして、「ノー・プロブレム」な国民性に振り回された、初めてのインド……。日本中をわかせた、あの爆笑エッセイ第二弾が文庫になって帰ってきた!デビュー前夜の妄想炸裂な日々を熱く語り合う、文庫オリジナルの巻末お楽しみ対談つき。(本書あらすじより引用)

・感想
私が読書を始めるきっかけになった作家さんの一人、さくらももこさんのエッセイを再読しました。中1の頃に訃報でエッセイの存在を知り、興味をもって購入したのですが、本当に笑い話ばかりで面白くて、それから気に入りました。筆者は発売当時「平成の清少納言」と称されていたそうですが、読んでいる人を圧倒させ、虜になるような凄まじい文章力だと再び実感しました。

「さるのこしかけ」は、その中でも私が最初に購入して読んだ本で、思い入れ深いです。台風が直撃して、食中毒にあった台湾旅行、危険と隣り合わせのインド旅行、包帯を巻くのが夢だったが、脱臼して思わぬ形でかなってしまった話など、1冊280ページ分で、面白くて思わず笑ってしまうような作品が、盛り沢山綴られていました。

普段「ちびまる子ちゃん」では見せない、大人な姿も同時に見ることが出来て、アニメしか見たことがない人は、最初はギャップだらけかと思います。私も中1で初めて読んだときに、アニメとは違う姿に、大きなギャップを感じました。

またところどころ、変わらないところもありました。この作品でも言っていたのですが、「私はババ臭いと、幼いころからよく言われてきた。」と綴られていたところは、失礼かもしれませんが「確かに」と思いました。アニメの「ちびまる子ちゃん」やエッセイを読んでいても、一人称が「あたしゃ」だったり、言われてみればという感じでした。

また、さくらさんは健康にも気を使っていたことで有名で、様々な民間療法を試していたそうです。もものかんづめでは水虫治療の事でしたが、このエッセイにも別の民間療法が書かれていました。まあ、しかし、これが特殊だったんですよね(笑)ここでは、あえて触れないでおきます。気になった方は、読んで確かめてみてください。

1992年の刊行以来、約30年にわたって多くの人に読み継がれてきたこの作品は、これからも「もものかんづめ」、「たいのおかしら」などの別作品や「ちびまる子ちゃん」などの漫画の作品とともに、多くの人に読み継がれていってほしいと思いました。さくらさん亡き後の今、決して色褪せることは無いだろうし、色褪せてはならない本です。

・書籍情報
1992年7月20日、集英社により単行本刊行。2002年に同社によって文庫化。

初版発行:2002年3月25日

発行所:集英社

定価:本体420円+税


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