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東京装甲少女  EPISODE0 第26話      【秋葉原戦線異状アリ】



6番隊
を率いる姉の田結 響は、
初瀬から偵察だけの任務を受けたはずの

7番隊を率いる弟の田結 吹雪が、
万世橋を封鎖しているバリケード
先にいる敵か味方か判別できない
動く存在を一掃すると息巻いて
いるのを見てこう言い放った。


【 吹雪!! 
   あなたが勝手に突っ込むのはいいけども
   龍臣様にだけは迷惑かけないでくれる?
   あなたがまた馬鹿な事をすると
   私の評価も下がるじゃないの!
         そういうの本当にやめて欲しいわ!】


吹雪は、また、姉の小言が始まったかと、
ウンザリしながら響に向かい、半ば
馬鹿にした様子で


吹雪
  【 姉ちゃんさぁ~
   龍臣様!龍臣様!って
   もういい加減相手にされてないの
   気づいた方がいい
ぜ~! 
   俺が何しようが、姉ちゃんの評価は
   変わんね~っ!つーのよ!!】


初瀬に恋心を一方的に寄せている
夢見がちなに、些か現実的で、
辛辣な言葉を浴びせた

その言葉を聞いた姉の響は、
図星を付かれたかのように
顔を真っ赤にして反論しながら

【 なっ!!なにを言うの!! 
   あなたがいつも、龍臣様の、
   いっ、言う事を、
   聞かないから 龍臣さんも、、、、
  
   あっ、やだ私ったら、龍臣さんだなんて
   咄嗟の事だといえど、まるで、恋人のような      
   呼び方をしてしまって
   恥ずかしい、、、。
   
   でも、私はいつでも
   龍臣様の為なら、、、、、。】


と、姉のお決まりの初瀬への
妄想タイムが、始まり、夢見心地の響に
向かって吹雪は、舌を出し
勝手にしてくれ!!
と、言わんばかりに
木刀をそのまま、肩に掛け、
万世ビルの陰から万世橋の方まで

軽快な様子で逃げるように
バリケードまで一人で進んで
行ってしまった。

周囲にいた仲間も、
吹雪の咄嗟の行動に付いて行けず
慌てたが、吹雪はハンドサインのように
ジェスチャーで
少しそこに居ろと指示をしたので
追い掛けてはこなかった。



吹雪は、単身バリケードまで
駆け寄っていった。


バリケードは、近づくにつれ
遠くからでは解らなかったが、
自分の身の丈位まであった

爆撃された車、扉や鉄製の残骸や瓦礫を
積み上げた物で出来ている様子だったが、
上に飛び乗っても、
安定的な物かという確証がなかったので
素早く時間を掛けず、そのまま跳躍で飛び越える
事に決めた。

所が、一瞬、バリケードの手前で強烈な何か解らない異臭、アンモニア臭か、ドブの様な匂いに襲われたが、吹雪はそのまま、走った状態でバリケード手前にて、屈伸すると天に向かい翔るようにして
バリケードを勢い良く飛び越えた

上空へ飛んだ瞬間、一気に閉ざされた
視界はクリアーになり、
万世橋の対岸が見えたが、橋の反対側も
同様のバリケードがあるのが確認できた。

先程、バリケードの隙間
橋の中央付近で2人の動く人のようなもの
見えたがバリケードを飛び越え

地面に、そろそろ、着地という所で、

吹雪の目に飛び込んできたのは、
人とは明らかに違う2体の得体の知れない
無機質な物体が自分目掛け突っ込んで来るのを確認した。


物体は吹雪が気付くよりも速く、
バリケードの上を飛び越えた瞬間程度に
吹雪の着地点目掛け、
橋の中央付近からキャタピラーのような
キュルキュルという機械的な駆動音を轟かせ
向かってきていた。

吹雪は着地するや否や、
即座にそれを自分に危害を加えてくる
敵と判断して、迎撃の態勢を取ろうかとおもったが、得体の知れないのであれば尚更、
先手必勝と言わんばかりに、
即座に相手と距離を詰める為、攻撃体勢に
転じて駆けだした。


物体との距離はまだ少し余裕があったが、
詳細が見えてくるまで近づいてきた。

2体とも吹雪よりも少し小さいが小ぶりな人間
同程度の大きさと高さがあった。

また、それは、戦車のような下半身に
上部は人型の機械という全体の形状、
上部の人型の両手には、
刃渡りが30センチもありそうなギラリと光る
包丁をテープの様な物で、明らかに製作者が
殺傷目的でぐるぐる巻きにした両手の状態で
突っ込んでくるのが見て解った。

2体の物体は、お互いの距離が、
もう少し詰まった所
で、反応したかのように
刃物を瞬時にバンザイするように突き上げ
更に突進してきた。


吹雪はこいつらは俺を殺す気らしい


吹雪
【ハッ!!おもしれ~! 殺れるもんなら殺ってみな!!】

鼻であざ笑うかのように

吹雪も更にスピードを上げ駆け寄りながら
木刀を、下段の状態で構え直し、
更に間合いを詰めた。


そして、物体が吹雪目掛けて、
刃物を振り下ろすか否かという間際


吹雪の方が、一手速く木刀を


【錬命新當流 壱式 白刃 (はくじん)】



と言いながら目にも止まらないスピードで
2体に向け、強烈な斬撃の連撃を浴びせた。

攻撃を受けた2体は、走行速度は落ちつつも
バンザイの状態のまま、吹雪の横を

ジジッ、、ジジッと電気回路が故障したショートしたような焦げた香りを放ちながら
素通りし、吹雪が飛び越してきた
バリケード付近まで行くと、

ドカーンと物凄い音を立て爆発した。


辺りは、爆発音と黒煙と同時に火が散らばった。


吹雪は、ヘン!!と言う感じで。

どうだざまぁみろと言う形で
ニンマリとした。


だが、その何秒か後、飛び越えて来た
万世ビルのバリケード方面から
こちらに向かい心配した姉の響



【 どうしたの吹雪?
  大丈夫?またあんた何かした!!?
  怪我無い?私らも今からそっちに行くわ 】


と叫んで来たので、


姉の心配など、どこ吹く風で

嗚呼、終わったから来ても大丈夫だ!

と万世橋の中央付近まで来てしまっていたが
振り返り返事をしようとしたのだが、

慌てて吹雪は、姉と仲間達に向かい

吹雪
【くっ、来るな!! 来ちゃ駄目だ!!】

と激しく叫び行動を制止した。


それはというと、自分が飛び越えてきたバリケードの近くで燃える物体の傍で
沢山の死体散乱していたのに
気付いたからであった。

死体は男性、女性関係なく刺されている様子で、
その中には、幼子の姿もあるように見えた。
時間はそれなりに経過している遺体もあるように感じた。


吹雪は少し歩を進め蹲っているかのような姿勢を取っている女性の遺体の方に歩み寄り目をやった。

親子であろうか?
女性が、襲ってくるこの殺人マシーンから
我が子を守るため、幼子に覆い被さる形で、
背中を滅多刺しにされているかというような               様子だった。

母親はその状態のまま、絶命してしまった形で、            幼子は、その際は刺されずに済んだが、後に、             身動きが取れず母の体重により、手の中で               圧死していってしまったかというような様子であった。

また、他の無残な状況の人々にも目を配ると、             同様に物凄い数の切傷が付けられ亡くなられている様子であった。

吹雪は、手を合わせナンマンダブと祈る姿勢を取りながらも、なんと惨い事そして胸糞が悪い気分ではあったが、その状況を見た瞬間、このマシーンは、ある誰かのプログラミングに
より作動しているのでは?
と言う仮説が立った。


それは、なぜかと言うと、殺人マシーンは、
自分が気付くよりも前に
バリケードを飛び越えた瞬間から自分目掛けて             突進してきたと感じたからであった。

多分、誰かが、それを手動で動かしていたのであれば反応の出来ない速度だったと思う。
奴らは、いづれかのセンサーの様な物でタイミング的に動作し、動く物に危害及び排除を加えるプログラミングを何者かに施されているのではないか? と思ったからである。

また、本来、人が人を暴力や危害を加える際に、
人間であれば、相当に訓練をされている人物でない限り、行動に躊躇の片鱗や意思の様なものがあるのだが、全くこの切り傷からは、そのようなものは
感じられない。

故に、これは、誰かの意思ではなく自動的に設定されたプログラミング動作に他ならないと感じた。
そして、このプログラムは残念ながら、この先の 秋葉原市街に多数点在する事になるであろうという同時に双方向の仮説も立てた。

そして、正直、それが正解であるならば、
自分と同じ手練手管の隊長格ならまだしも、
他の隊員を引き連れこの先を進む形を続行するのであれば、無傷では済まないのは容易に推測できた。

現状では少しばかり荷が重い

まあ、そういう事だから、一度、
ここで初瀬の依頼である偵察という形を
仕切り直し、作戦会議も兼ねて現状報告を、
行いに秋水達にも合わねばなるまいと
判断したので、響達に向かい


吹雪
 【 今、俺の方がそっちに行くから                             
   待ってろ! 】

と叫び返し、飛び越えて来たバリケードの方に
また、俊敏な動作で戻ったのであった。


時は変わり  興新 Re 17年


東條巴華 (ともか)は、

東條旭の運転手付きのハイヤー


< 第2生存都市 内閣府 戦略特区 復興再生都市東京 >

MARUNO Re TOKYO3街区
内にある

政府の運営する学校

Re:TOKYO Special Public Security SCHOOL

通称:R・S・P・S 2へと送迎をする車内

後部座席に、父と横並びに座り学校への                到着を待っていた。


普段、物静かで、無駄話など
しないはずの父が珍しく今日は話しかけてきた。

東條旭
 【 今日から、、、高等部か、、、、、?  】



巴華は突然の父の質問で一瞬だけビクっとしたが

悟られぬように冷静に落ち着いて返答した。



東條巴華
 【 はい、お父様 
   左様でございます。
   本日より高等部への入学と相なります。 】


東條旭
 【 そうか、、、、、、、。

   お前も我らと同じ血族だ。
   ならば、高等部に上がるのであれば
   それなりの立ち振る舞いをせねば
   ならぬぞ、、、、。

   私が言っていることがわかるか、、、
   巴華? 】
     

東條巴華
 【 はい、お父様 
   勿論でございます。
   
   場所は変われど
   我らに恥じぬ振る舞い、
   務めたく存じております。 】


東條旭はその返答に満足したのか
コクリと頷き、、、。

東條旭
 【 そうか、、、、、、、。 
   ならば、、、よい、、、、。 】

と言うと R・S・P・S 2 に付くまで
お互いそれ以上は何も発せず窓の外を眺めていた。


ハイヤーは学校の入り口付近で停車し、

運転手が運転席から降り

後部座先のドアを開けると

長い桃色の髪を束ねた巴華が父に向かい

巴華
 【 それでは、お父様行ってまいります。 】

と言い会釈をし、ハイヤーから降り


校門まで長い髪を揺らし颯爽と歩き出した。


巴華を見かけた学校の人々から、ざわめきが生まれ
興奮し、喜びや感動の声を上げていたが、
それを、当たり前だと気にする素振りすら
桃色の目の彼女は見せなかった。


校門の手前では庶家の者であり小学部から               一緒の学校である巴華の御庭番を勤める
短めで緑髪の鈴木万梨阿と、
紺色で長髪の加藤沙良が                       

彼女を待ちわびていた、、、、。





東京装甲少女 
EPISODE0  第27話へ続く、、、、、。


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現在こちらの物語の初めのストーリーから
現在のストーリーまで
【無料公開】中ですので、是非初めから
お読み頂ければ幸いです。

今後は有料化を予定しておりますので
よろしくお願いいたします。



ここから、初めのストーリーを読む



※お知らせ👼

現在こちらで小説を展開している
東京装甲少女という作品ですが、
こちらにはお話の基になるデジタルアートNFT
作品があります。

そしてその作品が
2024年4月に行われましたNYCで大規模開催された
https://www.nft.nyc/という展覧会で
展示されました🎊

皆様のご協力を頂きこの度展示して頂く事が叶いましたので
また来年も展示されるのを目指してまいりますのでご協力
よろしくお願いいたします。
ありがとうございました🙇



NFT NYC2024 展示作品


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