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東京装甲少女 EPISODE 0  第7話  【 憤怒の果てに 】



真っ黒い世界、、、、。



いつもの商店街や民家やビルが焼け焦げ瓦礫と
化していた。



普段であれば多くの人々が行き交う場所は
見る影もなく

辺り1面が消し飛び


見慣れた景色は

どこかに消えてしまっていた。



勿論、代々守ってきた


【 錬命新當流 】の道場も



周りと同じく見る影もなくなっていた。



普段あるはずのものがそこにないと人は理解が出来ず、立ち止まってしまう。



道でも間違えたのだろうか?      ここはどこだろう?



2人が理解するのに何分経ったのだろう、、、、。



大通りと言われていた場所に
2人は呆然と立ち尽くした。



数分経ったときに手を握る父の力が一瞬
グっ強くなったので、
シェイルも我に返り父の方を見た。


そこには初めて見る父の姿があった、、、。



とても怖い表情今にでも誰かを殺してしまうのではないかというような殺気に満ちた表情で

真っ黒な通りを睨んでいた。




なんだか、見てはいけないものを見てしまった
思いシェイルはまた、すぐに前を見つめ
黙って手を繋いだまま俯いた。


少し経つと父の方から何か小さな声でボソボソと
何か言っているのが

聞こえてきた



【・な・・・・・てんだよ・・そ・・・っ・・・】

【ふ・・ん・・・・よ・・ま・・・っ・・く・】




初めはボソボソと何か言っていたが
次第に大きくなってしきりに
何かを言っているのが聞こえてきた。



【ふざ・・ん・・・・なよ・・ま・・・っ・・く・】


【・なん・・・だっ・・てんだよ・・くそ・・・っ・・・】


【・おれら・・・・・がなに・・したん・・・よ・・・】




そして、いつしか

声は更に大きくなり




父は自分の手を振り払い、


その黒く焼け焦げた大通りに向かい


叫び喚き散らした



【ふざんなよーーー!!】


【おれらがなにしたんだよ!!ったくよーー!!】



【返せ!返せよ!!返してくれよー!!】


【くそったれーーー!!】

【くそったれーーー!!】



普段と違う父の言動や行動にシェイルは怯えながらも

泣きながら叫ぶ父の姿に驚いた。



だが、そんな父の姿を見て自分も幼いながらも
我慢していた緊張の糸が切れたようで



心の中の悲しみの感情が堰を切ったかのように溢れ


一緒に父と叫び泣いた。



どれ位二人で泣きながら叫んだか解らないが、


先に少し落ち着いた父が自分を抱きしめ


秋水
【 ごめんなシェイル、、、、父ちゃん、、、
  お前とじいちゃんの道場守れなかったわ、、、      

  ごめん、、ごめんな 】



と言われた。

後にも先にも父のそんな姿を見たのは初めてだった。




だが、その後、家に戻り家族で悲しみに暮れる事も出来ず、

羽を休める事も出来なかった。



東京には空襲が連日、火の雨が降りいだ。



華やかな洗練された都市は次第に


焦土


と化していった。



度重なる空襲で


道場の他にも家を失い、門下生や仲間も 失った、



いつもの自分たちの町見慣れた光景や平穏な世界は

幻想


だったかのように



黒く染まりどこかに風のように


消えてしまった。




戦争とは非情なものだ



秋水


【 シェイル!!

強くあれ!弱いものがいれば寄り添い助けてやれ。

強くなるというのは皆を助けてやる事!そういう事だぞ    】


といつも強い父は言っていた。



町には空襲で焼け焦げた身元不明の死体が溢れ
山積み
になり

聖橋から見える神田川には空襲で身を焼かれた人々が熱さで飛び込み沢山の死体が流れ街には
死臭を放っていた。

死体から金品を漁り、金歯を抜き持ち去る者も
いた。


警察官の賄賂が横行法の秩序が及ばなくなってきた世界では、


治安は悪化、他人を思いやる気持ちや文明、尊厳、秩序は次第に身を   潜めた。


強盗、殺人、強姦、など多くの犯罪が蔓延った。


力や暴力の前に無力であると痛感する日々が続いた。



今まで優しかった人々は別人のように変わり果て、

金や力が無ければ弱いものは見捨てられる世界。


そんな

目まぐるしくすべての価値観が変わる状況で



父は幼い自分と母を守るのだけでも 必死で

とても他の人を助ける余裕もない状況だった。



そんな中



ある晩、空襲で父に抱きかかえられ街中を避難している際に、

ある年老いた女性に声を掛けられた。




【ちょっと、あんた!!あんた しゅうちゃん? 
 しゅうちゃんじゃないのかい、、、、、、?】




東京装甲少女 EPISODE0  第8話へ続く、、、、、。





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