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東京装甲少女 EPISODE 0  第12話  【 煙錬 】





シェイル
【  煙錬!!!!!!!!!! 

   ハッ!!!   】




シェイルは目を瞑ったまま集中して黒色の日本刀を構え火のついたタバコを咥えていた。




煙を吸い込みながら丹田に力を込めた。



まるで、氣と共に体内の毛細血管すべてに煙を行き渡せるかのような、そんなイメージで。



氣と煙が全身に満ちた所で


目をカッ!!と見開き1閃!!




目の前にある装甲を纏ったダミー人形


バサッ!!と斬りつけた。




しかし、黒刀は打撃としての衝撃で装甲に亀裂は与えたが、切り裂くまでは至らなかった。



シェイルは、



肩でハァハァ

と息遣いを粗くしながら



シェイル
【 ふぅ~っ!! 】


と息を大きく吐き、


氣を解放した。



訓練場には、シェイルに向かい上部の操作室から
マイクを使いボソボソと話掛ける六泉の声が
スピーカーに乗って響いた。


六泉
【 まあ、、まあ、、、、だ、、、、、、、
  1度、、、休憩。 】



シェイルは自身から少し立ち込める煙の中
まだ、続けられそうではあったが
頃合いだと感じていたので快く応答した。



シェイル
【 ウッす!! 】



六泉
【 う、、ん、まあまあ、、、、だ、
  やはり配合がうまくいかな い、、か、。 】



シェイルはボソボソとたどたどしく喋る



六泉の声は普段から聞こえないのでマイク越し位が、ちょうど聞きやすいなと思い



汗をかいた上着を肩にかけ休憩の為に



ロッカールームへと足を向けた。




近年カルメルタザイドというダイヤモンドよりも硬質な物質が中東で発掘された。




軍事関係者は強度には着目していたが使用するにはあまりにもコストが高く    カルメルタザイドの軍事転用は     諦めていた。




しかし、中東の研究機関が、



当時、軍で主流であった、



炭素繊維強化プラスチックという複合装甲材料に対して少量の      カルメルタザイドの粉末で     特殊なコーティング技術を応用   する事で、


安価に「CZZ in CFRP」



という複合装甲材料を完成させる事に  成功した。


「CZZ in CFRP」複合装甲材料


今後、戦局を大きく左右する状況は



火を見るよりも明らかではあったのだが、



技術的な面と採掘が非常に困難


開発できるのは中東の1部の国だけという事で、




量産の目途は立っておらず中東が市場を

独占しているような状況であった。




そして、各国共に如何にこの材料の資源や技術の 盗用を先んじて得る事で



戦局は決まってしまうほど、

軍事的なインパクトのある     材料だった。





【T R O T E】と中国を代表する連合諸国の 

【 E・D・I・O・N 】



そして日本やインド、       NATO(北大西洋条約機構)と
アメリカを代表する連合諸国 

【 W・W・S・F・G 】




世界は基本的には2極化はされていたが、




中東のサウジアラビア諸国を中心とした採油国は、双方に属さず独立的な
立場を貫いていた。




戦争で更に必要となった、石油、そして カルメルタザイドで得た「CZZ in CFRP」複合装甲材料という新たな金の鉱脈により、

戦争の闇商人

のような立ち位置で




中東は連合双方を相手取り、戦時下で
莫大な富を築いていた。




この材料ががどちらかの連合に大量に提供される 事態だけは避けなければならない事もあり




中東には両連合ともに頭が上がらない存在となっていた。



また、流通が少ないながらの現状の情報や素材で研究者たちは,  この新装甲の対応策や撃破に対する研究に日々追われていた。



そんな戦況の中シェイルの父をよく知る 同僚であり同級生である



六泉は、旧防衛省直属の会社



【YUKIMURA Heavy Industries 

 幸村重工】の兵器開発チームで


この、新装甲を打開する糸口を模索して いた。




そこで、秋水が失踪する以前に共に   研究していた



錬命新當流の奥義 


【 煙錬 】



に再度着目した。



煙錬は錬命新當流にて代々受け継がれる

特殊な技であった。


煙草の煙を取り込み、氣と共にチャクラを練り上げる事で錬気し、人体発火する極限の1000°近くまで昇華させ、煙と共に一気に体外に放出する事で
大量の一酸化炭素と発火点を作り刀剣に氣と熱を宿し変化させ火打ちのような状態を作り出し、



硬度な物質を修練で練り上げた技で 切り裂く


という他の流派にはない特別な技であった。


秋水の失踪により六泉も謎の多い錬命新當流の

研究を諦めていたが、


娘のシェイルが煙錬を習得したことを以前に、
カミーユに聞いていたので、新たな部隊を編成すると同時に招集した。


炭素繊維強化プラスチックは高熱に弱く

カルメルタザイドの特殊なコーティングも訓練された刀剣術であれば

「CZZ in CFRP」複合装甲を撃破できるのではないかとそう考えていたのである。




だが、装甲の硬度を煙錬の技術に見合うような

配合の刀剣を作るのは


難しくあと一歩の所で



難航

を余儀なくされていた。


シェイルも招集され特殊部隊に配属され
任務をこなす中、



自身は刀剣術ばかり修練していたので、
それに関しては右に出るものはいなかったが
銃や武器の扱いが全く出来ない自分がいる事を
思い知らされた。



また前回の任務で「CZZ in CFRP」複合装甲を
装備した部隊と交戦状態に合い、


刀剣と通常の弾丸が効かないという特殊部隊に遭遇したのである。


敵兵への刀撃は全く通じず、


たまたま帯刀していた、錬命新當流の


師範であり宗家に送られる名刀

【 長曾祢虎徹 】


とβチームの


【 徹甲弾 】


でなんとか応戦し、敗走できたが、その際、
敵兵を斬撃した際、

虎徹に亀裂が入ってしまったの

である。





父から譲り受けた虎徹であり、失踪をしている

父の唯一の思い出でもあった刀であったが、


名刀と言われる刀に亀裂を入れるこの装甲の恐ろしさを


身をもって体現していた。



シェイルはロッカールームの自分のロッカーの中に立てかけてあるもう亀裂が入り使い物にならない虎徹を眺めていると


自分はこの先どうすればいいのか、刀が無ければ
何もできない、刀術以外使いものにならない、
自分の力に無力感が襲った。



そして同時に父から譲り受けた虎徹を見て父を思い出していた。



そういえば、今まで父の失踪は2回ほどあったが




初めて失踪した戦時下の中、あのときの父もこんな心境だったのだろうか?



そして、今も父はどこで何をしているのだろうかと


物思いに耽った、、、、。


東京装甲少女 EPISODE0  第13話へ続く、、、、、。


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