妹との話

私には妹がいる。
2つ下で、産まれた時からかわいくてかわいくて仕方ない妹だった。

大学時代は、家賃を節約するために、私と同じ大学に進学し、2年間一緒に暮らした。

だけど、一緒に暮らした2年間は、それまでの歴史上で1番仲が悪かった。

家事を全くしない妹に嫌気がさした。向こうは性格が強いので、私が嫌う分には嫌ってれば?という態度で、自分の用がある時だけすり寄ってきては仲直りのようなものをして、なんとかやってきた。

社会人になっても何度も喧嘩して、その度に何か家族に問題が起きたりして、仲直りしてきた。

妹が結婚して、子供が出来て、里帰り出産をしたくらいが1番仲良かった。結婚式では私にも手紙を読んでくれた。産まれてから笑った総数の半分は私といた時間だったと言ってくれた。妹が帰ってくる日が楽しみで、姪っ子が出来てからは、泊まりに行ってはご飯を作って、おだやかにいろんな話をして。

だが、妹が実家のそばに帰ってくることになり、母の身体を気遣って、「お母さんは何でもやってあげたい人だから、今までみたいに振り回さないでほしい。」みたいなことを言った。

母の病気を共に乗り越えてきた立場としていつも母の身体を優先させて生きてきたし、父も歳をとって運転が危なっかしくなってきていたので、他の家のように、親込みで子育てしようとするのは無理だよとクギをさしたかった。妹は、親が歳をとっていることをあまり理解できていないと感じることが多かったからだ。

それが逆鱗に触れ、かれこれ6年に渡り、まともに口を聞いてもらっていない。

母に、私と連絡を取らなくなったことでむしろ生きやすくなったとまで話していたようだ。

この辺りが、私が1番理解ができないことで、それを聞かされた母がどれだけ傷つくかよりも、自分の気持ちがいつも1番大切な妹。それを少しでも尊重されなかったと感じたら、とことん怒り、死ぬまで許してもらえない。

別のケンカをしてる時にも生々しい温度で呼び起こされ、全く同じ新鮮さで人を責め続ける。

んま、私も自分の気持ち優先がゆえの矛盾点をとことんついてつきまくるのではあるが…だから嫌われるのかななどとも思う時もあるが、妹は友達から末っ子大王というあだ名をつけられたり、私を奴隷のようにこき使ってるなどと言われたりしていて、やはり、側から見ても力関係はあきらかだったようにも思う。

私が絶対に嫌わないことを彼女は本能的に分かっているのだとも思う。

まぁその通りで、そうなってからも、どこかに出掛ければ母と3人でお揃いを買うクセもなかなか抜けなかったし、お土産を渡す時だけは口を聞いてもらえたりした。

そのことを恨めしく思いながらも、それでも嫌いになれないんだよなぁとか思いながらここ2、3年は生きていた。妹にめちゃくちゃ嫌われてるしwwwと自虐したりしながら。

最近、必然的に連絡をとらなくてはいけないことがあって、また少し心をゆさぶられていたのだけど、そんな中で、私が人として許されないことをしていたことを思い出したりしていた。まぁ、私も相当だよな…と反省したり。

そんな気持ちを抱えながら、やりとりしてたら、今日、妹からメールでちょっとした冗談というか、私をからかって笑うようなひと言が送られてきた。

それだけで、本当にうれしくなってしまう、本当に飼い慣らされた姉。

バカだなぁと思いながら思い出した。

妹から浴びせられる軽蔑の視線。

私が彼女に合わせることはあれど、彼女が私に合わせることはほぼない。ので、私の提案には絶対乗ってくれないし、そのたびに、なんで私がそんなことしないといけないの?という冷たい、これぞ嫌悪という表情で私を見てくるのだ。

その顔をふと思い出した。
あー嫌われてるのは今に始まったことじゃなく、子供の頃から嫌われていたなぁと思った。

そして、彼女が私を嫌うから、友達との付き合いでは気をつけるようになったのかもしれないなと思った。線を知ったというか。

まぁそのおかげで、誰にも心を許すことがなくなったとも言えるけど。

私の自己肯定感が低いのは妹に嫌われていたからというのもあるのかもしれない。

ずーっと考えてきた。親は少し気が回らない人達ではあるけれど、ことあるごとに私を認めて褒めて育ててくれたのに、なんでこんなに自己肯定感が低く、常に死にたいと考えてしまうのだろうって。

まぁ、妹だけじゃないけど。周りから向けられる、なにこいつの視線。それだけ変なやつだったのかな…兄と妹で手を組んで仲間外れみたいにされることも多かった。

けどまぁ、そんなのも一部で、私が傷つきやすいというのもあるのだと思う。

そして、さらに不思議なのは、妹は私のことをそんなに嫌いなのに、私の持っているものが全てよく見える病気にかかっているということだ。

仲のいい時はとことん仲良かったし、たしかに楽しかったし、私の言葉遣いや笑い、持ち物、そういうセンスを彼女はうらやましがっていた。

だから、彼女の気持ちも複雑なんだろうなと思う。

ほらこうやって結局理解しようとするし、いつだって許してしまう。バカなんだよなーバカバカ。

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