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原作を先に読むか、映画を見た後に読むか、

小説が原作の映画はたくさんある。
最近では”52ヘルツのクジラたち”や”4月になれば彼女は”などもそうだ。
まだ”4月になれば彼女は”は見に行っていないが、”52ヘルツのクジラたち”は最近見てきた。

自分の人生を家族に搾取されて生きてきた女性・三島貴瑚。ある痛みを抱えて東京から海辺の街の一軒家へ引っ越してきた彼女は、そこで母親から「ムシ」と呼ばれて虐待される、声を発することのできない少年と出会う。貴瑚は少年との交流を通し、かつて自分の声なきSOSに気づいて救い出してくれたアンさんとの日々を思い起こしていく。

映画.comより

社会で虐げられる人たち(この表現が正しいかはわからないが)の声を、他のクジラに聞こえない音域である52ヘルツで叫ぶクジラの声に重ねて表現している。

ヤングケアラー、トランスジェンダー、ネグレクト。
センシティブで表面に出てきにくい、声を挙げづらい、かき消されやすい問題に焦点を当てている。
特に、主人公”きこ”の理解者で支えであった”あん”が居なくなるところは胸に来るものがあった。

原作は、町田そのこさんが書いた同名小説”52ヘルツのクジラたち”。2021年の本屋大賞を受賞している。
私がこの本を読んだのは、本屋大賞を受賞して注目された時だった。実家のテーブルの上に置いてあったのを見つけ、聞いたことがあったので読んでみた。詳細な内容は、今はもう覚えていないが、最後まで一気に読み進めた。考えさせられる内容で、思うことが多くあったことだけは覚えている。
それを、映画を見て思い出した。

小説の300ページに綴られたストーリーを、2時間の映画に納めるのは難しい。脚本家の技術のすごさを毎回感じている。
私は、本を読んでいるときに頭の中にその情景や主人公の顔立ち、声をイメージしながら読んでいる。その情景が映画の中に表現されているとうれしいし、印象に残ったシーンがなかったりするとすこし悲しく感じる。

なので、私は基本的に映画を見てから小説を読むようにしている。映像で、その世界の設定や情景を統一してから、小説でさらに深堀りしていく。
その話を、友達に話すと彼は小説と映画を別のものとしてとらえていると言っていた。確かにその見方もいいなと思った。

これを書きながら、深掘りするためにもう一度”52ヘルツのクジラたち”を読もうかなと考えている。


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