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今年はずっと、少し泣きそうだ。

ここ1週間くらい、屍か廃人のようになっていた。初めは、頭が痛かったり目がチカチカしたりした。私が疲れてる時は決まって頭か目に出る。それから身体の不調が治まっても、心のズンと重い感じは消えなかった。
このつらい気持ちに特に心当たりがないのが、かえって気持ち悪かった。

仕事はあるしお金もある。
在宅勤務だから通勤しなくていいし、色んな人より確実に安全で安心で何不自由ない生活だ。

毎日、ご飯を食べて仕事をしてお風呂に入ってトイレへ行って寝る。決まった時間に毎日同じ薬を飲む。特に辛い出来事がある訳じゃないのに、ずっと、少し泣きそうだ。

そんな日々を過ごす中で、仕事を終えた今日の夜、私の大好きなバンドが新曲のMVをアップした。
ボーカルがTwitterにURLを載せているのを見た瞬間、親指が高速で動いた。

一度、オンラインのライブで聴いた曲だった。
その映像に、去年のライブハウスでの映像がくっつけられていた。

あの時間が楽しかったって
いま気がついてしまったよ

この歌詞の部分に、白黒でライブハウスの映像が流れていた。胸がザワザワした。ずっと、「早くライブ行きたいよー」と言っていた。だけど、そんな言葉じゃ収まりきらないくらい感情がグワングワンと揺さぶられた。

何回も何回も聴いて、歌詞を噛み締めた。

ずっと住み慣れた部屋の中なのに
早く帰りたい

私、これだ。こう思ってる、こう思ってた、ずっと。
これだから、このバンドについて行くのはやめられない。私の気持ちをいつもメロディにのせて表現してくれる。
東京に引っ越してきて数ヶ月。
もう部屋には慣れた。結構快適だと思う。
それでも、辛かった。
ずっと居場所じゃない場所にいる感覚だった。

夢の中で今日も屋上に座って
今飛び降りたらこの夢から覚めるなら
それも悪くない

何度も、寝る前に「今ベランダに出てここから落ちて全てリセットされるなら、それでもいいかな」と考えたことがある。そんな気持ちとこの歌詞がぴったり重なった。

最後に、この曲はこう締め括る。

ないものを探すよりそばにあるものを大切にしたい

ここまではすごく共感したけど、ここだけは悲しくなった。
だって、そばに何もないもん、と思ってしまった。
大切にしたいものは、私のそばにはないから。

悲しくなると同時に、「あぁ、これが私の辛さの答えなのか」と気づいた。

今日まで、ずっと、少し泣きそうだった。
わんわん号泣した。
泣かせてくれてありがとう、と思った。
泣く権利なんてないと思ってた。
何不自由ない、世間的には辛くない、会社もブラックじゃない。泣く要素なんてなかったから。
でも、泣いたら少し楽になった。

遠くに住む大切な人、すぐに会えない距離と境遇。
大好きなバンド、知らない人と窒息しそうなくらいにぶつかり合いながら汗だくになるライブハウス。

私が大切にしたいものは、そばにない。
毎日1人で生きてる。
何不自由ないけど、楽しみもない。

どうすればいいのか。
すぐに答えが出るわけではないけど、この日々を乗り越えるために毎日この曲に少し寄り添ってもらおうかな。


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