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シン・隣のnoterさんの巻


いや、あのね、分かってる。
何回もやんなよ!ってコトですよねー。
でもねーコレは言わずばおれない、雉も鳴かずば撃たれまい案件なんですよ(違う)

この方、最近自費出版で小説発行されまして、かねてからこの方の小説が好きなので一冊購入しました。
そしたらさー‥‥予想以上に凄くて。
野凪 爽
さんの小説、noteで短編をなんぼか読んで雰囲気ある文章書く人だなって思ってたけど、長編(ページ数で言ったら230余り)もしっかり面白かった。てか長編の方が上手いかも。コレ読んで自分が面白いクリエイターさん見分けるの上手いんだなって自信ついたもん。


前提として、小説家目指す人だから本人にとっちゃ当たり前なのかもだけど文章巧み。情報多いんだけど読みやすいんだよね。

読んでて気付くんだけど、人物と背景の描写のバランスがすげー良いの。文体はどっちかってーとあっさりした読み味だと思う。令和的と言うか、変にゴテゴテして無くて読みやすい。それなのにめっちゃ感情に訴えてくる。
ほんで小説でしか出来ないよーなギミックが幾つか散らばっているんだけど、それがまた要所を上手く押さえてて。仕掛けと表現に感情ふりまわされて、段落が落ち着いた時に、やられた‥!ってなってしまった。しかもそんな好い仕掛けもあくまで本筋を読ませる為でメインでは無いってのがもうね。


それと人を描くのがすげー上手い。特に誰もが心の奥底に隠してるような、心許なさとかやるせなさとか微妙な部分を自然に描き出すのが上手くて、漫画みたいな極端なキャラ化してないと言うか、都会の人混みに紛れてしまいそうな登場人物の輪郭をほんの少し強くしたような。
個人的に、メインキャラの1人に凄いシンパシー感じたんだよね。自分のダメさとそっくりだったから。複数人居る主要人物には其々抱えたダメさがあって、それが誰でも覚えが有るダメさなんだ。悪いとか良いとか、それより前に有る人間のしょーもない部分。だからめちゃ感情移入してしまうんだよね。常にキャラの動向が気になってずっとザワザワしてた。


全部読み終えた時、ホント不思議な感覚あって。全体的に感じるのが冷たいんだけど熱い、さっぱりしてんのに濃厚、みたいな綯い交ぜ感。だから読後は頭がフワフワして余韻が凄かった。

まるで何基か同時にスタートしたピタゴラスイッチをハラハラしながら行く末を見守っている感じ。ああ、そっち行っちゃうの?それで合ってるの?って常になってた。
ジャンル的にはジュブナイルストーリーなんだろうけど爽やかさは全く無くて、むしろ読んでて閉塞感でしんどさ感じるし、好き嫌いは別れるかも知れない。
でもこのモヤ感はハッピーエンド以外も嫌いじゃないよ?って小説読みならきっと好きになると思う。

(野凪さんの記事。どんな感じか試し読み出来ます。)

(こんなのも。実はコッチはまだ購入してないので何も言えねぇw)


そんな本作ですが何処で買えるかってーと、どうやら文学フリマに出店すると。
場所は第一展示場・E-4で
ブースの名前は「野凪爽」との事です。

(もし文学フリマ行けない、でも野凪さんの長編小説興味ある!って方いらっしゃったら野凪さんのX(旧Twitter)のDMに直接問い合わせしてみて下さい。私はそれで通販して貰いました。)


いや、別に買わんで良いよ。逆に宣伝してるみてーで癪だから立ち読みにしといて。

でもその時は、表題紙の裏側を先ず読んで欲しい。
そしたらソコにある文言が最後まで読む理由になると思うし、期待以上のラストを迎えさせてくれるから。


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