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詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門応募のすすめ

 これは、第10回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門への応募をすすめる約2100文字の記事です。


三詩型鼎立部門

 2023年5月21日に赤羽で行われた第9回詩歌トライアスロン公開選考会で、私は第二部門である三詩型鼎立部門を受賞した。

 三詩型鼎立部門とは短歌10首・俳句10句・自由詩1篇で競う詩歌の三種競技である。次回は第10回だ。ちなみに、第一部門の三詩型融合部門については、私は語る資格も技量もない。なので、第10回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門への応募を私はおすすめする。両部門とも締切は2024年3月31日(日)必着とのこと。

締切は4月10日に延長されました。(2024年4月2日追記)

応募をおすすめする人

 詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門への応募をおすすめする、と書いたけれど、すべての人におすすめするわけではない。応募をおすすめする人は下の3つの特性のうち少なくとも1つを持っている人だ。

少なくとも二詩型を作っている人

 「三詩型鼎立部門とは短歌10首・俳句10句・自由詩1篇で競う詩歌の三種競技である」と書いた。三詩型鼎立部門なので三詩型(俳句・短歌・自由詩)のすべての熟達していなければいけないか、と言うと否だ。三詩型すべてに熟達した応募者がいなければ二詩型で勝負できる。だから

  • 新聞俳壇に応募していたら、新聞歌壇にも応募して掲載されたことがある。

  • 市民文芸・文学祭・文学選奨の短歌部門へ応募していたら、自由詩部門へも応募して入選したことがある。

  • だいたい10音から40音で自由律俳句または自由律短歌を作っている。

  • 川柳と短歌の結社の会員だ。

  • 自由詩と俳句の教室・市民講座を受講している。

 上記の人などがおすすめだ。これは公開選考会に参加した感触に過ぎないけれど17音ならば俳句ではなく川柳を作っている人もおすすめだ。少なくとも二詩型に熟達していれば応募をおすすめする。というのは二詩型だけでも受賞及第点だと審査されれば受賞する可能性はあるからだ。不慣れな残り一詩型は攝津幸彦・田中裕明や大森静佳・藪内亮輔や吉岡実・田村隆一を読んで、がんばれ。

 ちなみに私の応募作は、公開選考会にて俳句と短歌は受賞及第点、そして自由詩はまずまずという審査で受賞した。

 応募をすすめるのは受賞する可能性があるからだけではない。三詩型を作っている人は自分の技量を試す場になるし、二詩型を作っている人はもう一詩型に挑戦することでもとからの二詩型を見つめ直す機会になる。もちろん一詩型だけを作っている人も応募を機会として一詩型への専念を中断し他の二詩型に挑戦するのも文芸経験として悪くないだろう。

詩歌分野で挑戦意欲のある人

 三詩型で挑戦するわけだから挑戦意欲は必須だ。ちなみに詩歌トライアスロンの応募要領を読んでほしい。

 2024年2月4日立春の時点で「※受賞者には「詩客」での隔月の連載を1年間(6作)お願いいたします」と書いてある。だから三詩型鼎立部門もそのくらいだと私は思っていた。でも受賞後に森川雅美さんからもらったメールには「8月から以下の12回の連載が始まります」と書いてあった。三詩型鼎立部門は、まさかの毎月連載だったのだ。連載は、仕事と家事と育児と普段の詩歌業とを並行するとなかなか大変である。でも、どうせ三詩型をやらなければならないなら何か爪痕を残そう、とその期間にいろいろ足掻くことができた。

 詩歌分野で挑戦意欲のある人は受賞すればその意欲に応えるだけの十分な見返りがある。スケジュール管理や事務処理の効率化など成長の機会も得られる。

地方で詩歌活動をしている人

 最後に、地方で詩歌活動をやっていて、今後の詩歌活動に思い悩んでいる人に応募をおすすめする。確かに詩歌トライアスロンは、協会運営や出版社運営の新人賞と違ってあとに続かない新人賞だ。しかも三詩型鼎立であり、わかりやすいジャンルや界隈でしか動かない詩歌の世界では寄る辺がない。でも歴代受賞者はすごい。こういう時、安易に「錚々たる」とか書かないのは「卿所謂鉄中錚錚傭中佼佼者也」を踏まえているから。

第1回 中家菜津子
第2回 横山黒鍵
第3回 亜久津歩
第4回 戸田響子
第5回 山川創
第6回 井口可奈・沼谷香澄
第7回 草野理恵子(融合)・斎藤秀雄・未補(鼎立)
第8回 豊田隼人・さ青(融合)
第9回 早月くら(融合)・尾内 甲太郎(鼎立)

詩客

 直近では井口可奈さんは第11回現代短歌社賞、斎藤秀雄さんは第8回攝津幸彦記念賞准賞、早月くらさんは第35回歌壇賞となっている。

 詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門の受賞歴は地方で詩歌活動するときに何か肩書として役に立つかもしれない。実際に役に立たなくてもその肩書で自らを鼓舞することができるかもしれない。そういったわけで私は自らを鼓舞して受賞後、地方都市でいくつか企画を立ち上げた。

 地方、にはもしかしたら首都圏の中央線沿線も含まれるかもしれない。いずれにせよ地方や地域で、詩歌分野で何かしたいけれど何もできない、地方文芸賞では限界がある、などと思い塞ぎがちな人には第10回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門への応募をすすめる。
 それに、有望な人が第10回詩歌トライアスロンの受賞者になれば以前の受賞者もいろいろな意味で嬉しいんだよ。

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